「冷え」を放置すると、心の不調や肌のたるみも招く!? 名医が教える最強の冷え撃退法

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食事で!お風呂で!冬いちばんの悩み「冷え」を撃退する必殺技8選

冬の足音が近づき、一気に寒くなってくるこの時期。多くの人が悩んでいるのが体の「冷え」です。あなたも、手足が冷たくて夜眠れない、なんてことありませんか? 「たかが冷え」と思いがちですが、実は体だけでなく心にも不調をもたらすため、放っておくのはNGです。食事や入浴の仕方を工夫するだけでできる、手軽な冷え撃退法を伝授しましょう。

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川嶋朗先生

▷教えてくれたのは…
川嶋 朗先生
医学博士。統合医療SDMクリニック院長。神奈川歯科大学大学院特任教授。自然治癒力を重視し、近代西洋医学と補完代替医療を統合した医療を実践。冷え取り研究の第一人者として『温活』の重要性を説いている。

冷えは健康と美容、そして心の不調の原因に

冷えはなぜ放置してはいけないのでしょうか。
「体温が下がると、酸素や栄養素を細胞に運ぶ血流が悪化します。さらに生命維持に欠かせない酵素の働きも低下するため、体の代謝機能や免疫機能が落ち、あらゆる病気や不調を引き起こす原因になってしまうのです」(川嶋先生)

●病気のリスク…冷えると体内の脂肪や糖が代謝されにくくなるため、脂質異常症や糖尿病に進行することも。また、動脈硬化を起こして高血圧を招く可能性もあります。

●美容への悪影響…頭皮の血行不良は抜け毛や白髪の原因に。皮膚の血行が滞りコラーゲン生成が阻害されると、肌のたるみにもつながります。

●心の不調…血行不良などは、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの生成を妨げます。セロトニン不足は、イライラや気分の落ち込み、集中力の低下など、心の不調を招く原因になります。

「便秘や下痢、肩こりなど、温めて改善する体の不調は、だいたい冷えが原因なんですよ」と川嶋先生。
では、こうした不調を招く冷えを撃退するには、どうすればよいのでしょうか。「食事」と「入浴」、ふたつのテーマで今日からできる対策をご紹介します。

食事でできる冷え撃退法4選

食事はよく噛んで食べる


撃退法1 常温のものを食べたり飲んだりする
冷えを感じているときは、冷蔵庫から出したばかりのものを口にするのは避け、常温に戻してから体に取り入みましょう。できれば体温より高い温度まで温めるのが理想です。

撃退法2 体を温める食材を摂る
しょうがやにんにくなどの香味野菜、シナモンやこしょうなどのスパイスは、体を温める食材として知られます。その他にも、以下のような食材を意識して取り入れましょう。
・寒い時期にとれるもの・・・にんじん、長ねぎなど
・寒い地域でとれるもの・・・じゃがいも、ほっけなど
・地中に向かって伸びるもの・・・ごぼう、大根など
・色の濃いもの・・・ごま、小豆など
・味の濃いもの・・・ぶり、みそなど
・水分が少なくて硬いもの・・・かぼちゃ、れんこんなど

撃退法3 よく噛んで食べる
現代人は1回の食事で約600回しか噛んでいないと言われます(弥生人は約4000回!)。 よく噛むと、脳の視床下部が刺激され、神経伝達物質ヒスタミンが分泌されます。すると交感神経が働き、内臓脂肪を燃焼させて熱が生み出されたり、代謝が上がったりして体温が上がるのです。 内臓脂肪が燃焼して代謝が上がるということは、ダイエットにもつながり一石二鳥ですね!

撃退法4 ビタミンB群を摂取する
ビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促す補酵素。食事による熱産生を高めるほか、自律神経を整えて血流を良くする働きもあります。
●おすすめ食材…豚肉、とり胸肉、とりささみ、納豆、バナナなど

入浴効果を高める冷え撃退法4選

体を温めるなら全身浴


撃退法1 体を温めたいなら全身浴
半身浴は心臓に負担をかけないための入浴法ですが、冷えとり効果としては半減してしまいます。 肩まで浸かる全身浴なら、体全体に水圧がかかり、多くの血液が心臓に押し戻されます。結果として心臓から出る血液も増え、全身の血流が促進されます。

撃退法2 お湯の温度は39℃以下がおすすめ
冷えを解消するための入浴温度は、少しぬるめの「39℃以下」がおすすめです。熱いお湯を好む方も多いですが、40℃を超えると交感神経のスイッチが入って末梢血管の血流が滞りやすくなり、42℃を超えると血圧の上昇やヒートショックの危険性も高まるため注意が必要です。そのため、40℃を下回る温度でゆっくりと浸かり、交感神経を刺激せずに芯から体を温めることが大切です。
入浴時間の理想は「39℃で30分」ですが、時間がない時は免疫力を高めるヒートショック・プロティンが増える「40℃で20分」、さらに時間がない時は「42℃程度で足首まで浸かる足湯」というように、状況に合わせて調整しましょう。

撃退法3 入浴剤を活用する
炭酸系の入浴剤から発生する炭酸ガスには、皮膚から吸収されたあとに血管を拡張させる働きがあります。血管が広がることで血流がアップするので、体を芯から温めることができるんです。また、心地よい香りのする入浴剤は、心をリラックスさせてくれるだけでなく、副交感神経を刺激して血管を開くので、温め効果がアップします。

撃退法4 ぬるめのお湯に入ったらすぐ就寝
「入浴後、1時間のクーリングタイムを」というのは、熱すぎるお湯に入った場合の話です。 低めの湯温でじっくり温まった場合は、手足が温かいうちに布団に入るのがベスト。布団に入ったときに体温が下がる落差で、寝つきもよくなります。

※ ※ ※

「冷えは万病の元」とは昔から言われている言葉です。 体の不調があちこちに出る前に、今日からできる撃退法をうまく活用して、つらい冷えと速攻でさよならしましょう!


取材と文=高梨奈々

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