「母親が病気だから養育費は払えない」夜遊び浪費夫の最低なウソ。逃げ得を許さない法的防衛策 【弁護士に聞く】

夫のモラハラに耐えかねて離婚を決意したカコさん。調停に踏み切ったものの、夫は養育費や慰謝料について「お金がない」とカコさんの求める額に応じようとしません。「母親がガンになったから養育費は払えない」などのウソをついたり、「生命保険は解約できない」「車は売れない」などの言い訳をしたりして、調停は長引くばかり。

調停委員からも早く離婚を成立させるために養育費の額について妥協を提案されますが、カコさんは納得できません。調停は不成立に終わってしまい、裁判へと進むことになって…。
慰謝料や養育費を回収するためには、口約束だけではなく書面を残す

カコさんの夫は、実際には夜遊びやギャンブルで浪費しながら、あの手この手でウソをついて養育費を下げようとします。支払い能力を隠そうとする相手から、一括での慰謝料や相場通りの養育費を確保するためにはどうしたらいいのでしょうか。金岡紗矢香弁護士は、次のようにアドバイスします。
金岡紗矢香弁護士「配偶者が浪費を繰り返したり、収入を実際より低く説明したりする場合、口約束だけで慰謝料や養育費を支払わせるのは困難です。きちんと回収するためには、支払いについて合意した内容を『強制執行認諾文言付き公正証書』や『調停調書』など、強制執行が可能になる書面に残しましょう。
また、養育費の金額は、裁判所の定めた相場が『算定表』としてまとめられているため、相手の言い値に従う必要はありません。算定表の金額は、子どもの年齢・人数と、夫婦双方の収入が基準となるので、給与明細などから配偶者の収入を把握することが重要です。
慰謝料や養育費に関する話し合いや、収入の把握などが難しい場合は、弁護士に相談してもよいでしょう」

支払い能力を隠そうとする相手との話し合いは、精神的にも大きな負担です。しかし、強制執行ができる書面を残すことで、将来の不払いを防ぐ自衛策になります。泣き寝入りせず、納得のいく離婚条件を勝ち取るために、まずは配偶者の収入を把握し、困ったときは弁護士などのプロを頼りましょう。
【金岡紗矢香さんプロフィール】
金岡 紗矢香(かなおか さやか)/弁護士法人プロテクトスタンス
弁護士・行政書士。国内大手飲料メーカーの勤務を経て、弁護士資格を取得。浮気・不倫といった男女トラブルや離婚問題、借金問題、セクハラ・パワハラなどの労働トラブル、相続手続きなど、さまざまな分野に精通し、女性からの法律相談に幅広く応じている。現在、2児の母親として子育てにも奮闘中(第一東京弁護士会所属)。
取材=編集S/文=レタスユキ
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