洗濯と日向ぼっこ vol.6-4「考えごとで家事を楽しむ」 山崎ナオコーラのエッセイ

#くらし   
山崎ナオコーラさんのエッセイを連載中! 今回はvol.6-4をお届けします


雑誌『レタスクラブ』で連載中の山崎ナオコーラさんのエッセイ「考えごとで家事を楽しむ」をレタスクラブニュースでも特別公開!

家事に仕事に子育てに大忙しの毎日。実体験に基づいた言葉で語られるからこその共感や、生活を楽しむためのヒントが隠されています。

vol.6「洗濯と日向ぼっこ」を4回に分けてお届け。今回は第4回目をお送りします。

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 金がなくても、仕事がうまくいかなくても、様々な人間関係の悩みがあっても、日差しを受けながら、いい匂いのする洗濯物をぱんぱんと叩き、子どもが遊ぶのを眺めていると、決して頭は痛くならない。考えごとも、暗い方向には進まない。悩みは消えず、つらさは抱えたままだが、同時に幸せを感じられる。

 洗濯物、万歳。日向ぼっこの口実を与えてくれてありがとう。夫に、

「日向ぼっこを毎日しないといけないから、時間をくれる?」

 と言うのには勇気が必要だが、

「洗濯物を干さないといけないから」

 ならば、気軽に言える。

 そして、口では「洗濯物を干す」と言っても、頭の中で「日向ぼっこ」という言葉に変換する。 

(続く)

文=山崎ナオコーラ イラスト=ちえちひろ

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Information

■著者:山崎ナオコーラ
1978年福岡県生まれ。埼玉県育ち。2004年『人のセックスを笑うな』で作家デビュー。エッセイ『指先からソーダ』『かわいい夫』『母ではなくて、親になる』、小説『美しい距離』、絵本『かわいいおとうさん』(絵ささめやゆき)などの著作がある。目標は「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。
山崎ナオコーラさんのTwitter

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