“ゆでない”を実現!? 面倒じゃない麺料理レシピ おつかれの日のラクうまレシピ&アイデア(3)【連載】

#食   
パスタを下ゆでせずに作 る料理の一部。フライパンにお さまるようにパスタを折って 入れ、そのまま加熱します


仕事を終え帰宅し、ヘトヘトでも、家族のために食事を作らなきゃいけない人がいます。しんどい日は外食にしてしまうという方法もあるけれど、外食は回数や人数が増えると家計を圧迫しがち。塩分や脂質のこと、小さいお子さんがいらっしゃるなら食材の安全性も気になりそうです。

そんないかんともしがたい晩ごはん作りの負担を少しでも減らしていこう! というのがコンセプトの『その手があったか! おつかれ晩ごはん』。料理上手で、暮らし上手なインスタグラマー&ブロガーさん、食のプロに、晩ごはん作りのコツ&レシピを全7回までお届けします。今回は第3回目です。

まさかの「麺」で実現した“ゆでない”麺料理の作り/ツジムラさん


麺はたっぷりのお湯でゆでるのが料理の基本です。余分なでんぷんを落とし、高温・短時間でムラなく加熱することで麺を食感よく、おいしくするため。でも、手間や熱さやコンロの火口の数などの関係でできないとき、めんどうなこともありますよね。

「そんなときに“ゆでない”麺レシピです」とはツジムラさん。ゆでない? そんなことが可能なのですか?「と言っても本当に湯に通さないわけではなく、別ゆでの作業をなくそう、という考え方です。こういう方法もあると、調理の選択肢が広がるのではないでしょうか」。

【ゆでずに使えるのはこんな麺】

「ゆでない麺料理」に向いているのは以下の3種類。下ゆでが必要な麺ほど作り方がラクになり、ゆでない恩恵が得られます。

●そうめん:通常は塩分やぬめりを落とすために別ゆでしますが、インスタントラーメンのように直入れしてにゅうめんに。塩分やぬめりを逆にいかしました。

●冷凍うどん:冷凍うどんは、じつは電子レンジ加熱だけで食べられます。パッケージにもそういった表示があれば大丈夫なのでご安心を。つけ汁で食べる方法がおすすめ。

●パスタ:電子レンジでゆでるなど簡単な方法はありますが、じつは乾麺のままでも使えます。パスタでゆでない方法が使えると、メニューの幅がぐっと広がります。

◆POINT:味つけのポイントはナンプラー

紹介するレシピは、味つけにナンプラーを使っています。ナンプラーは「魚だしのきいた塩水」なので、手軽にうま味が補えて、だしと味つけが同時にできて便利です。エスニックな味になるわけではありません。特有の匂いは加熱するとあまり気にならなくなりますが、苦手なら鶏がらだしなどで代用してください。

今回は「ゆでない麺料理」の中から1つのレシピをご紹介!

【写真を見る】コツはこの2つ!


スペイン料理「フィデウア」から発想したゆでないパスタ


フィデウアはスペインの伝統的な料理で、いわばパスタを使った炊き込みごはん。これに辻村流アレンジをしたのが「手抜きフィデウア」です。「フライパンにパスタ、具、調味料、水を入れ、ふたをしてから火にかけます。現地の人たちに怒られそうですが、パスタをゆでないので夏は暑くない、洗い物も少ない、そしてわりとうまい。いいことずくめなんです」。

調理時間が短い細めのパスタ、手に入りやすく保存のきく缶詰のコンビーフなど、食材の使い勝手も厳選。「パスタの食感は別ゆでのものよりややもちもちです。細麺はくっつきがちで、パスタと思えば気になりますが、本家フィデウアはおこげも楽しむ料理なので、そんなものだと思えばくっついてもまたおいしく楽しめます」。

◆具のおき方と調理時間のポイント

麺の加熱時間、卵を入れるタイミングなど、下ゆでしないなりのコツを紹介。加熱時間の計算式はパスタのゆで時間が異なっても同様です。

1.パスタは3等分に折る

フライパンに入る長さに整え、平らに。コンビーフは中央を空けて、直径約10㎝のリング状に。

2.卵を入れるタイミングを計算

ゆで時間は【パスタの設定ゆで時間+1分】。そこから3分半引いた時間が、卵を入れるタイミングです。今回の場合は、ゆで時間6分のパスタを使うので、【6+1】-3分半=沸騰して3分半が卵を入れるタイミング。

焼き目のついたパスタがカリカリでモチモチ。具材をからめながらいただきます


コンビーフと春菊の手抜きフィデウア


【材料】(1人分)

パスタ(太さ1.4mm、ゆで時間5~6分のもの) 80~100g、コンビーフ(ニューコンミート) 1/2缶(50

g)、春菊 適量、にんにく 1/2~1かけ、赤唐辛子(または豆板醤) 適量、オリーブ油 小さじ2、水 150ml、ナンプラー 小さじ1(または鶏がらスープの素 適量)、卵 1個

【作り方】(ゆで時間6分のパスタを使用)

1.春菊は茎と葉に分け、茎は長さ3㎝、葉は長さ7~8㎝に切る。にんにくは薄切り、赤唐辛子は輪切りにする。

2.フライパンにオリーブ油をひき1のにんにく、唐辛子を入れてなじませたら、パスタ、春菊の茎、コンビーフの順におく。

3.水とナンプラーを注ぎ、ふたをして強火にかける。沸騰したら、沸騰をキープできる程度の弱火にし、3分半たったら卵を割り入れ、すぐふたをする。

4.さらに3分半たったら、様子を見て火を止める。春菊の葉とオリーブ油を入れ、好みで黒すりごま(分量外)を適量ちらす。

【調理のコツ】

春菊の香りと風味がコンビーフに合う! コンビーフに塩けがあるのでナンプラーの量は少なめにしました。

著=家ごはん研究会

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著者:家ごはん研究会
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★今回教えてくれたのは
■ツジムラさん Blog:ツジメシ
本業はプロダクトデザイナー。創意工夫にあふれるレシピはどれも論理的な裏づけがあり、役に立つと好評。著書に『付箋レシピ』(泰文堂)など。東京都在住。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

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