子どもにも教えたい!本人に任せる「利き脳」収納で部屋がキレイに
「脳のタイプによって、うまくいく収納方法は違います」というのは、マスターライフオーガナイザーの吉川圭子さん。吉川さんには中学1年生の双子の娘さんがいます。おもしろいことに、一卵性なのに利き脳が違い、収納や片づけのしかたが真逆! 好みのやり方がどれだけ違うか、見せてもらいました。
利き脳って?
「利き脳」とは、考えたり、行動したりするときに、心地よくスムーズに使える脳のこと。右利き、左利きと利き手があるように、脳にも右脳か左脳かの「利き脳」があり、インプットとアウトプットの組み合わせでタイプは4つ。それぞれに行動の癖や苦手なこと、得意なことの傾向があるんです!
【あなたの利き脳をチェック!】
指組みと腕組みで分かります。意識せずに自然に組み、どちらも「下にくるほう」を見ます。
インプット:指組みでチェック
●右手の親指が下なら右脳タイプ
●左手の親指が下なら左脳タイプ
アウトプット:腕組みでチェック
●右腕が下なら右脳タイプ
●左腕が下なら左脳タイプ
【この4タイプに分かれます】
インプット:情報を取り込んで把握するときに使う脳
アウトプット:整理した情報を行動で表すときに使う脳
■右右タイプ……IN:右脳/OUT:右脳
■右左タイプ……IN:右脳/OUT:左脳
■左右タイプ……IN:左脳/OUT:右脳
■左左タイプ……IN:左脳/OUT:左脳
本人のやり方に任せると、利き脳に合った片づけ方に!
右右タイプと左左タイプ、真逆の利き脳を持っている双子ちゃんのお部屋を拝見しました。吉川さん宅の3階、広々とした空間を、高校生の長女と3人で緩くスペース分けし、それぞれ机、ベッド、クローゼットを置いています。吉川さんは基本的に、整理収納のしかたを子どもたちにアドバイスすることなく、本人たちのやり方に任せているそう。自分で考えることで、自然とそれぞれに適した収納方法になってきたようです。
「一般的に、左脳タイプのほうが右脳タイプより片づけが得意、と思われがちですが、決してそんなことはないんです。それぞれに苦手と得意があるのがおもしろいところ。自分なりに、やりやすい方法を見つけているのが興味深いですね」(吉川さん)
【右右タイプ:細かい仕切りが苦手なおおらかちゃん】
ピンク系の華やかな色が好き。壁に賞状、棚の上には写真を飾って。棚のカーテンはほぼあけっぱなし。
クローゼットの引き出しの中。以前は、仕切りに小さな箱を使っていたけれど……。小さな仕切りに細かく分類するのが苦手。なんか、面倒くさい! そこで、とりあえず仕切りを大きくしてみました。出し入れがずっと楽!
【左左タイプ:ルーティーンが苦にならないコツコツちゃん】
きちょうめんに片づいた机まわり。壁には予定表、計画表を貼っているところにコツコツちゃんらしさが。
机の下にはお掃除セットもスタンバイ! 目に見える場所はすぐきれいにしたい。その手間も苦にならないのが左左タイプ。
机まわり
【右右タイプ:好きなもの、使うものを目の前にずらり】
感覚的で、好きなものを目に見える場所に置いておきたい右右タイプ。お気に入りのもの、よく使うものは引き出しにしまわず、見える収納に。飾るように楽しく置いているのも、美的センスにすぐれるこのタイプの特徴。
【左左タイプ:しまえるものは、全部しまう!】
視覚情報が多いとストレスに感じ、落ち着かなくなる左左タイプ。だから自然と、よく使うものも引き出しにしまい、机の上には最小限のものだけを。「最近まで机の上に上の写真と同じ棚があったのですが、それさえなくしました」
【その他のタイプへひと言アドバイス】
●右左タイプなら?
お気に入りの収納グッズをディスプレーして
「右左タイプが目指すのは、見た目が美しく、使い勝手のいい収納。入れ物好きな面もあるので、お気に入りの収納グッズ探しから始めてみては。同じシリーズの整理トレイをずらりと並べ、美しくディスプレーすれば、テンションアップ間違いなし!」
●左右タイプなら?
よく使うものは出して、細かいものは分類を
「アウトプットが右脳なので、感覚で戻すタイプ。よく使うものは定位置を決めて、出しっぱなしにしておくのもいいでしょう。合理性も重視するので、文房具などは引き出しの中に定位置を決めておくと整理しやすいですよ」
文房具
〈ペンの収納〉
【右右タイプ:中身が見えることでストレスなく使える】
机の上の棚に、透明ケースに入れて収納。中身が見えるケースを使っているところが右右タイプらしさ。見えなくなったり出し入れしにくくなると使わなくなる、という特徴があるため見える収納がぴったり。
【左左タイプ:分類することが楽しく、きちんと管理できる】
机の引き出しの中で仕切り用ボックスを使い、ペンやその他の文房具を種類別に細かく分類収納。見えない場所でも、ものをきちんと分類することに喜びを感じるのが左左タイプらしさ。出し入れも苦になりません。
〈ファイルの収納〉
【右右タイプ:一度に見渡せれば分類しなくてもOK 】
全体を見渡して把握するのが得意な右右タイプは、深い引き出しに教科書やノート、ファイルなどを縦に収納。理由は「一度に全部見えて分かりやすい」から。やっぱり!
【左左タイプ:分類ありきの横収納。よく使うものを手前に】
仕切りをつけて、横に収納。一般的にも、これが本来の使い方。よく使うものを手前に入れておけば、引き出しを少しあけただけで出し入れができるので効率的ともいえます。
【その他のタイプへひと言アドバイス】
●右左タイプなら?
細かい分類で見た目よく
「アウトプットが左脳なため、細かい分類がうまくいきます。文房具は油断して増えやすいアイテムなので、確実にいらなくなるまで保管できる迷いボックスを作るといいでしょう」
●左右タイプなら?
自由な発想で整理を
「マイルールで、戻すのが楽な収納が向いています。例えば鉛筆やボールペンなど、アイテム別ではなく、黒いもの、赤いものなど色別に分けるのも一案」
チェスト
【右右タイプ:分類は「よく使う」と「ほとんど使わない」のみ】
2人でお揃いのチェストを使っています。右右タイプは引き出し収納がちょっと苦手。いちばん上はよく使うものが何となく整理されて入っているけれど、あまり使わないものは2段目に、ほぼ投げ込み。3、4段目にいたっては、空。以前は引き出しの前面にラベリングもしていたけれど、あまり意味がなかったようで、剥がしてしまったとか。
【左左タイプ:細かく仕切り、ラベリング】
左左タイプは引き出し収納が得意、というか大好き。分類やラベリングもこなします。ユニークなのが分類のしかた。「処置」とラベルが貼られた引き出しの中は、仕切りケースを使い、ばんそうこうが種類別に分けられていました。細かい! ラベルは貼らなくても分かるとはいえ、貼ることに意味あり。「ルールがあると安心」というこのタイプの特徴。
【その他のタイプへひと言アドバイス】
●右左タイプなら?
ラベルのデザインにもこだわって
「見た目と機能性、両方を重視する右左タイプも、ラベリングは得意。デザインにはあまりこだわらない左左タイプに対し、このタイプはラベルにもビジュアルのよさを求めます。思い描く理想のラベルを自分でカスタマイズするのも楽しいかもしれません」
●左右タイプなら?
ポンと出てくることばで分類を
「インプットが左脳なので、ラベリングも上手にこなせるでしょう。ただ、分類は一般的な用語やアイテム別ではなく、”●●ちゃんのお楽しみ”とか、”すぐいる”、”今やる”、”あとでやる”など、自分の肌感覚に合うことばで分類するのが長続きのコツ」
吉川さんに聞きました! 双子ちゃんの違うところは?
Q. 口癖は?
A. 右右タイプは「面倒くさい」、左左タイプは「今やろうと思ってたのに」です。
Q. 捨て上手なのは?
A. 右右タイプです。左左タイプは自分の基準で決めるのが苦手なようです。時間もかかります。
Q. ものの管理がうまいのは?
A. 左左タイプです。ものが多めですが細かく分類収納して管理しています。
年齢も性別も同じの一卵性の双子ちゃんでも、利き脳がそれぞれ違って、自分に合った収納法ややり方が全然違うとは! 収納本やインスタのまねをして「うまくいかない」「私には無理」と挫折してきた人も、自分の「利き脳」が分かれば、きっとぴったりの方法が見つかりますよ!
※「利き脳片づけ術」は、坂野登京都大学名誉教授の「しぐさ利き脳理論」をベースに一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会が片づけに応用してまとめた、行動や癖を知るためのライフオーガナイズの手法の一つです。
撮影=松園多聞 イラスト=Qoonana 編集協力=前中葉子(BEAM)
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レタスクラブ編集部
Information
2007年、双子出産を機に、空間的にも時間的にも効率よく過ごすことに興味を持ち、現在マスターライフオーガナイザーとして活動。片づけ・整理収納法とともに、その人に合った空間、思考整理のアドバイスを行なう。
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