20~30代でも発症する可能性が!?「四十肩」の予防法&解消法
四十肩は、単なる肩凝りとは違って、腕が上がらないなどの動きづらさと痛みが伴う病気。名前から誤解されがちですが、20代、30代でも発症する可能性があるので、予防法&解消法は知っておきたいところです。
そこで、昭和大学藤が丘リハビリテーション病院スポーツ整形外科教授であり、肩関節外科を専門とする筒井廣明先生にお話を伺いました。
■肩関節や腱板の炎症が原因
家事や育児、パソコン作業などの影響で、多くの女性は肩のトラブルを抱えています。最近多いのは、痛みや腕が思うように動かせない症状を伴うケース。それは四十肩かも?
「医学的には、肩関節周囲炎といって肩関節周囲の組織が傷ついて炎症が起こり、痛みや運動制限が生じた状態です。40代から50代に多いことから四十肩、五十肩といわれています」
「肩関節を構成する骨、軟骨、靭帯(じんたい)や筋肉・腱(けん)が老化や運動不足で動きが悪くなっているにもかかわらず、無理に動かし負担をかけ続けることが主な原因と考えられています」
最初は何となく肩が引っ掛かる気がする程度のわずかな異変ですが、ただの肩凝りかな?と放っておくと、ほとんどの場合、だんだん痛みが強くなり、肩関節がかたく動きが悪くなり、洋服が着づらくなったりしてきます。中には、肩周囲の骨や筋肉を結びつけている筋肉の腱「腱板」が切れてしまうことも。
「夜、就寝中に、歯が痛いときのようなズキズキした腕の痛みが出ることが多くあり、眠れなくなって症状を実感し、受診するケースが多いようです」。ただし、胸痛や腹痛、背中の痛みを伴う、病院で肩の手当てを受けたがなかなか治らない、といった場合は狭心症や心筋梗塞など内科的疾患が原因かもしれないので、四十肩だと安易に判断せず、病院で診察してもらった方がよいとのこと。
■無理のない範囲で動かすことが大切
痛みが強いときの治療の第一歩は、まず安静。必要であれば病院で痛みを抑える消炎鎮痛剤や内服薬を処方してもらったり、局所注射してもらいましょう。基本は筋肉や関節をうまく動かすことを目的とした運動療法ですが、温熱療法などの物理療法を取り入れながら治療することもあります。
「安静とは、固定と違って全く動かさないわけではありません。痛みをサインと考え、痛みのない程度に日常生活の中でできることはしても大丈夫です。そしてゆっくりと無理せずにストレッチを行ってください」。
日常生活の注意点としては、肩を必要以上に後ろに回転させたり、腕を上げたりするなど、負担がかかる動作をしないこと。ものを取るときは腕だけでなく体全体を動かし、洗濯物を干したり、上にあるものを取るときは、踏み台を使うなどの工夫をして。「これらの日常生活での動作は予防にも役立ちます。また、薄着などによる“冷え”も四十肩になるきっかけをつくるので気をつけてください」。
■四十肩セルフチェック
次の動きをしてみて、スムーズにできなかった場合は、四十肩の可能性が。
(1)脇を締めて、ひじを90度に曲げます。手のひらは上に。
(2)ひじを脇につけたまま動かさず、腕が左右60度以上開く?
(3)腕を伸ばしたまま、体の前面から上へ万歳が左右同じにできる?
■解消ストレッチ
上体を倒し、腕を重力に任せて真下にブラブラさせて。指先を伸ばすと力が入るので、伸ばさずに。ものを持って行なうのもNG。腕は体重の5%の重さがあるので、これだけで肩関節のストレッチになります。これを1日数回行なってください。
【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】
Information
昭和大学藤が丘リハビリテーション病院スポーツ整形外科教授。1976年昭和大学医学部卒業。専門は肩関節外科、肩のスポーツ障害など。肩のトラブルを分かりやすく解説することで定評があり、マスコミにも多数登場。
イラスト/カモ 編集協力/岸田直子
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