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額面と手取りの違いって?! 正しい「給与明細」の見方とは…/サイフの穴をふさぐには?(1)

僕:「……いや、たかが給与明細で大げさじゃないか? 残業代がごまかされてる、なんてこともないだろうし……」

フゴー:「なんや、ことの重大さがイマイチ伝わってへんようやな。
ま、実際に見て説明した方が早いやろ。とりあえず、システムにログインして給与明細を出してみい」
僕は入社した頃に総務から配られた資料の束から、システムのログイン方法が記載された紙を見つけ出し、パソコンを立ち上げて、給与明細の画面にアクセスした。

フゴー:「お、見れた見れた! お金持ちへの第一関門突破や!」
給与明細の画面には、表の中に項目と数字がびっしりと書かれている。思っていた以上に項目が多く、ぱっと見ただけでは、どこをどう見たらいいのかよくわからない。

フゴー:「自分、初めて見るんやんな? ほんなら説明していくさかい、しっかり聞いときや」
そう言ってフゴーは、モニターの横で説明を始める。


フゴー:「まず、さっきの“額面”と“手取り”の話に戻るけどな、手取りっちゅうのは、給与明細で言うと“差引支給額”にあたる。ここやな、この、いちばん右下の数字」
そこに書かれているのは見覚えのある、通帳記帳したときに「給与」として入ってくるのとだいたい同じ金額。それにしても、この差引っていうのどういうことだ? 首をかしげている僕の横で、フゴーはかまわず続ける。

フゴー:「ほんで、額面ちゅうのはこの給与明細上で言うと右上のココや。“総支給額”っていうところ。額面っちゅうのは本来、“お札や小切手なんかの表面に書かれた金額”のことを言うんやけど、「あいつの言うことは額面どおりには受け取れない」みたいに使ったりするやん?
つまり“手取り”に対して、あくまでも見かけの数字ってことで“額面”という言葉を使うんやな。そのまま“総支給”って言ったりもする」

僕:「なるほど。そうすると、僕の先月の月収はだいたい29万4,000円で……、実際に口座に振り込まれる手取りの金額は23万5,000円!? ということは……。なんだよ!? 6万円近くも会社に差し引かれてるっていうこと!? 僕の額面の2割以上じゃん!
業界では名の通っている中堅企業のはずなのに、勝手にこんなに給料から天引きするなんて……。もしかして、ウチの会社はよく言うブラック企業というヤツ??」

フゴー:「いや、それが普通や。別に自分の会社が特別ヒドいことをしてるわけやないで」
そう言われても、自分の給料からこれだけのお金が引かれているという事実が、僕にはにわかには信じられなかった。

僕:「6万円もあったら、毎月ちょっとした旅行にも行けるし、そもそも今日みたいに、お金がなくて結婚式の二次会に参加できない、なんてことも起こらなかったじゃないか……」

フゴー:「まだ信じられんという顔をしとるな。この約6万円が、明細下段の“控除”っちゅう項目にあたるんやけど……」
控除額が6万円近くあったことに驚いた主人公。貯蓄の第一歩として、きちんと自分の収入を把握するために、毎月の給与明細のチェックはしっかり行いたいものですね。
■著者/オロゴン
都市銀行で10年勤めた後、ベンチャー企業経営者を経て個人独立。
経営者として事業を軌道に乗せる過程で、サラリーマン時代には知らなかったお金や社会のルールが多く存在することに衝撃を受け、独立した2018年より、ブログ・Twitter・ネットラジオVoicyにて情報発信を開始。社会やお金のしくみをわかりやすく伝えるスタイルが多くの支持を集める。
■監修/大河内 薫
税理士。株式会社ArtBiz代表取締役。
日本大学芸術学部卒。「税知識をカジュアルに」をモットーに、YouTubeやTwitterで一般向けに税知識を発信。「お堅い・まじめ」などの税理士イメージを打破し、税金を学ぶことへのハードルを下げる活動に従事。また、日本では稀な芸術学部出身の税理士として、クリエイターや芸術・芸能系のクライアントに特化
著=オロゴン、監修=大河内 薫/『サイフの穴をふさぐには? 学校も会社も教えてくれない税とお金と社会の真実』(KADOKAWA)
Information
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