日本のカレー文化に驚き!イタリア人のマッシさんが語る、「ココイチ」のカレーの至福(4)

noteで驚異の95万PVを記録した「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」が話題の日伊通訳者、マッシミリアーノ・スガイさん。
日本の伝統料理からB級グルメ、チェーン店、コンビニスイーツ、冷凍食品まで。イタリアのピエモンテからやってきたマッシさんが、日本で出会った絶品グルメとその感動体験をまとめた、日本の食文化への愛と情熱満載のエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』。
このエッセイ集から、今回は『「ココイチ」のカレーの至福』をご紹介します。ニッポングルメへの愛情たっぷりのエピソードを読めば、私たちがいつも当たり前のように食べているあの料理が、何倍もおいしく感動的に感じられるはず!
※本作品はマッシミリアーノ・スガイ著の書籍『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』から一部抜粋・編集しました。
「ココイチ」のカレーの至福

日本に来てまず驚いたのは、日本人がカレーをよく食べること。きっと日本人の好きな味なんだろうと思う。
カレーの専門店も多く、一口にカレーと言っても、いろいろな種類と食べ方がある。
スパイス料理はイタリアにもあるけど、カレーのような料理はない。日本に来るまで、その存在も知らなかった。
都会だろうが田舎だろうが、日本にはインド料理やネパール料理などのお店が多く、日本全国を回る際には、今でも驚きながらも食べてしまう。好きなカレーを選ぶことができるだけではなく、辛さやライスかナンかを選ぶことができるのも非常に面白い。日本に居ながらインドの本場の味を食べることができて、料理人も店員さんもインド人が多くて会話もできるから楽しく過ごせる。
たくさんあるカレーの中で、日本人の発想で考え出したカレーライスも大好きだ。その中でも「カレーハウスCoCo壱番屋」というチェーン店が大好きすぎて、いつもワクワクしてしまう。
メニューが豊富で通常のカレーライスだけではなく、カレードリアやカレーうどんのようなものもあって選びきれない。
カレーライスはライスの量、辛さ、カレーのベースを選ぶことができる。
シンプルな料理なのに、細かいカスタマイズができるのは、「さすが日本だ!」と感じる。時間をかけて好きな味と好きな仕組みのカレーを選んだら、まさかの追加トッピングまでできるではないか! トッピングの種類が多すぎて決められそうにない僕はずっとニヤニヤしている。
迷いに迷ってやっと決めたカレーが運ばれてくると、美しすぎて食べる前にじっと見てしまうことが多い。感動の余韻に浸りながら、白米と辛いカレーに揚げ物を乗せる。「幸せマウンテン」の出来上がりだ。
一口目からよくある心配は「食べ切れるかな?」だ。でもその心配は一瞬で消える。ペロッと完食した後には、食べ終わった皿しか残らなくて、少し落ち込む。
たくさんカレーを食べ、日本人の手作りカレーも見て、少しずつ僕もカレーが作れるようになってきた。チーズを乗せたらイタリア料理のように感じてしまったこともある。
ピッツァのようにカレーも定期的に食べたくなる。カレー屋さんが多い日本では、どこに居ても食べられるので本当にありがたい。
カレー料理店の多さにも驚いたけど、スーパーでカレー売り場を見たとき、その驚きは100倍になった記憶が今でも残っている。カレーのルウの味が細かく分かれていて、種類が多すぎてまた迷ってしまう。
カレールウの売り場の隣にレトルトカレーコーナーもあって、一回買って食べたら便利すぎてやめられない。お湯または電子レンジで温めて、ごはんに乗せたら完了。日本の商品レベルが高すぎて、今も見るたびに声を失う。
お弁当コーナーに行けば、カレーライスからとんかつカレーまであり、「友達になろう」というカレーの声が聞こえてくる。
カレーは僕にとって大好きな料理のひとつだ。一時帰国の際、レトルトカレーをスーツケースに入れて持って行き、イタリアでよく食べていたくらいに。
カレーは日本人の口に合い、そこから進化して日本食になるまでを調べたときは、非常に面白く感じた。やっぱり料理に対する知識があると、よりおいしく味わうことができると改めて思った。
今ではもう熱々のカレーがない人生は考えられない。イタリア料理とのコラボ商品ができたら面白いと思う。どんなコラボがいいかと考えるだけでも笑顔になる。
実はこの原稿を書いている今もずっと食べたくて、次第に遠くから「カレーがあるよ」という声が聞こえてくる。カレーたち、ここまで呼びに来てくれてありがとう。次はカレー屋さんで会おう!
筆者プロフィール
マッシミリアーノ・スガイ
1983年、イタリア・ピエモンテ州生まれ。 日本食が大好きな日伊通訳者&起業家。トリノ大学大学院文学部日本語学科修士課程修了。2007年に日本へ渡り、日本在住15年。現在は石川県金沢市に暮らす。食と日本への愛を語り倒すTwitterとnoteが話題を呼び、メディアにも多数取り上げられるなど注目を集める。noteの「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」は95万回以上読まれた。
著=マッシミリアーノ・スガイ、挿絵=東麻マユカ/『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)
Information
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