受験するのは一度だけ。東大受験を目指す妻に夫が突き付けた鬼条件【ただの主婦が東大目指してみた】(19)


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ひとしきり泣き、ひとしきり東京大学の悪口をネットで検索しまくったあと、寝室にちゃーくん(夫)がやってきた。

なんだろう。

喧嘩したあとだし、イチャイチャしたくなった?

だが断るわ。

どうしても受けたいの?


あれ?

もしかして、これって許してくれるパターンなのか?

できれば受けたいよ


まだ分からない。

慎重に、慎重に、お話しなくっちゃ。

ちゃーくん「例えばさ」

子どもを産んで手が離れてから受けるのは?


せっかく許可してもらえそうだし、ここで妥協するか?

いや、もうちょっと攻めてみようかな。

ただっち「研究する段階に行き着くまでに何年もかかっちゃうし、研究するのに時間がかかるから、できるだけ早い段階で基礎を押さえておきたいなぁ。

生活のなかでもきっといろんな発見があるから、子どもを産む前に少し進みたい」

ちゃーくん「そっかぁ」

「……」

「本当はただっちの病気と向き合いながら、子供を迎える努力に時間をかけたいと思ってたんだけど」

ちょっと、だから心の不調だってば。

ただっちに心残りができるのはいやだと思うし


やだこれって完全にOKパターンじゃん。

優しすぎだよ。

ああ、ちゃーくんに思いっきり抱きつきたい!

でもまだダメ、まだちょっと我慢だ。喜ぶのにはまだ早い

ちゃーくん「だからさ」

今年一回限り本気で挑戦してみたら?


「もちろん今後もある程度、家事も頑張って欲しいけど」

ん? もちろん家事をすっぽかすつもりはないけど。

ただっち「ことし一回限り?」

ちゃーくん「厳しいことを言うけど」

どうせ受からないって思ってるよね


東大生になるチャンスを貰えた私は、すごく幸せ者だ。

でも今年限り? もう5月の後半だぜ。

ちゃーくん、どうせ受からないって思ってるよね。

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