ピンク色が「女性らしい印象」になったのはいつ? 誰かに話したくなる身のまわりの「色」の驚きの事実
出産祝いは女の子ならピンク、男の子は青…。ジェンダーニュートラルな考え方が流行する昨今ではこういった価値観はなくなりつつありますが、そもそもピンクが女の子らしい色とされるようになったのはいつ頃なのか、考えたことはありますか?
こんな色にまつわる疑問をはじめ、色の豆知識を楽しく紹介した書籍『色のひみつがすべてわかる! すごすぎる色の図鑑』が話題です。著者は、大ベストセラー『3色だけでセンスでいい色』のinjectar-eさん。さらに監修は同じく大ベストセラー『配色アイデア手帖』の桜井輝子さんという最強タッグの本書から、今回は色の気になるトピックを紹介していきます。
「女の子は青、男の子はピンク」とされていた時代があった!?
さて、冒頭の話に戻します。本書によると、西洋の長い歴史のなかで女性や母性の象徴とされてきたのはなんと青! アメリカでも「意思の強いピンクは男子、繊細なブルーは女子の色」とされていた時代があったといいます。現在の見慣れた色分けとは真反対だったことに驚きです。
では、いつからピンクが女性らしさの象徴となっていったか。どうやら歴代の大統領夫人がピンクを好んで着たことにより、女性のイメージにつながっていったといわれています。日本でも桃の節句が広く定着した江戸時代に、ピンク(桃色)は女性の若さと健康と結び付けられるようになりました。私たちの価値観にはこんな歴史が隠されていたのです。

ミカンの入ったネットが赤いのには理由がある
色が持つ特性が身の回りに利用されている例もあります。スーパーにあるオクラのネットは緑。ミカンのネットは赤ですよね。この理由は、緑のネットにすることでオクラはみずみずしく新鮮に見え、赤いネットにミカンを入れると赤みが増し、よりおいしそうに見えるからといわれています。


異なる2つの色が隣接したとき、互いに色が近づいて見えることを「同化現象」と呼ぶのですが、ミカンとオクラのネットもこの現象を利用したもの。ためしにネットの色を逆にしてみると、たしかになんだかおいしくなさそうな……。

牛乳パックに青や白が使われるワケ
もうひとつ、おもしろい色の現象を紹介しましょう。ある色をじっと見たあと、白い背景に目を移すと実際にはない別の色がぼんやり見えることがあります。色の刺激を受けた目が反応し、見た目とは異なる色をつくり出すこのような現象を「補色残像」と呼びます。赤を見続けると赤の心理捕色である青緑の残像を作り出す、という具合です。

牛乳パックはこの現象を利用し、青や白のデザインが多いとされています。なぜなら青の捕色である黄がうっすら残像で見えることで、牛乳をクリーミーに感じられるから。なるほど、そういわれるとなんだかクリーミーに見えてくるかも……!
普段生活するなかではあまり意識しない「色」ですが、そのひとつひとつに意味や理由がある。そう思うと、身のまわりの色に注目してみたくなりませんか?
文=オカムラカナヲ
Information
著:ingectar-e
デザイン書の執筆やイラスト素材集の制作をしているデザイン事務所。『3色だけでセンスのいい色』、『COLOR DESIGN カラー別配色デザインブック』ほか著書多数。
監修:桜井輝子
東京カラーズ株式会社代表取締役。日本色彩学会正会員、色彩検定協会認定講師。『配色アイデア手帖』シリーズほか色彩や配色に関する著書多。
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