第27回手塚治虫文化賞作発表! 短編賞受賞『女の子がいる場所は』の著者・やまじえびねさんの受賞コメントをお届けします

本日、第27回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」の受賞作が発表されました。
8作品がノミネートされた中で今年の短編賞を受賞したのは、昨年ツイッターでも大きな話題になった、やまじえびねさんの『女の子がいる場所は』でした!
『女の子がいる場所は』は、モロッコやインドなど世界各国の女の子たちの日常を描いた作品です。国も宗教も文化も違うそれぞれの国で、「女の子だから」という男女格差に直面しはじめた10歳の女の子たちの姿を丁寧に描いています。
著者のやまじえびねさんに、受賞に際してのコメントをいただきました。
「昨年この本の発売に合わせて、ツイッターを始めました。試し読みをツイートしたら、予想を超える『いいね』をいただきました。これが最初のびっくりです。それから様々なメディアでご紹介いただき、気がつけば、手塚治虫文化賞・短編賞を受賞しました。本当に驚くばかりです。読んでくださったみなさまに、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました!」
やまじえびねさんの受賞コメントにある通り、昨年、ツイッターで『女の子がいる場所は』の「サウジアラビア編」は5.1万超、「日本編」は3.9万超の『いいね』を集め、大反響となりました。
この2編のあらすじをご紹介しましょう。
『女の子がいる場所は』サウジアラビア編

サウジアラビアに暮らす少女・サルマは、週末しか家に帰らない父親と、母親の三人暮らし。ミサンガ作りが得意なサルマは、父が「遠い親戚」と紹介してくれた女性・アミーラの元へ、ミサンガ作りを習いにいくようになりました。
車の運転ができて、留学経験もある聡明なアミーラは、ミサンガ作りの名人。ほどなく、サルマはアミーラが「パパの第一夫人」であり、ママが「パパの第二夫人」であることに気づきます。
サウジアラビアは一夫多妻制。結婚は親同士が決めるのが当たり前、結婚式まで顔を合わせないことも多く、花婿が花嫁を気に入らなかったら、式の当日に結婚がダメになることも。

同級生ファイの姉の結婚や、アミーラと母がそれぞれ父と結婚した時の話を聞くうちに、サルマは「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」「結婚する前に外の世界を見てみたい」という気持ちを強く抱くようになっていきます……。
『女の子がいる場所は』日本編

父親と母親は2年前に離婚し、今は祖母の家で暮らしている、10歳の少女・まりえ。祖母の輝子は「女の子なんだから勉強なんかできなくていい」「女が男よりできがいいと苦労する」とまりえに話します。
一方、母親の真知子は大学准教授としてTV出演や本の執筆に忙しい日々。真知子は、輝子が無意識のうちに「女には勉強より美容やファッションが大事」といった考えをまりえに伝えることをやめて欲しいと思っています。真知子の離婚の原因となったのは、真知子が仕事で認められることや家事をしないこと、輝子が家事の手伝いに来ることを夫が快く思っていなかったことでした。
まりえは、共働きの両親をもつ友だちや、2ヶ月に一度だけ会いに行く父親の利樹との会話を通して、自分にとっての「幸せ」について考えていきます。そして、母に「今、幸せ?」と問いかけます……。
10歳の女の子たちが日常で直面する格差は…

このやまじえびねさんの作品集『女の子がいる場所は』は、世界各国の少女たちに優しく寄り添いながら、それぞれの感じる戸惑いや困惑を丁寧に描いていきます。そこにあるのは、誰もが感じたことのある「女の子なんだから」という抑圧についてのエピソード。私たちのすぐ身近にもある根深い格差があぶり出されています。
サウジアラビア、日本のほかに、作品集にはモロッコ、インド、アフガニスタンのエピソードが収録されています。それぞれの国で女の子たちが抱える思いや戸惑いを通して、身近なジェンダーギャップについて考えてみませんか?
漫画=やまじえびね著『女の子がいる場所は』より
取材・文=レタスユキ
Information
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