きょうだいでのケンカも学びのひとつ! 家庭内で成長するための学び/幼児の子育てはじめてBOOK(4)

渡辺先生の解説をチェック!

乳児期から幼児期にかけ、両親以外のきょうだいの存在に気づきます。そして、両親や身の回りのものが自分だけのものではないとわかり、葛藤しながら成長していきます。

幼児期は家族との関係が重要。また、手加減や譲ることを学ぶためにも、幼児期のきょうだいげんかは見守ることも大事です。(渡辺先生)

きょうだいげんかも成長するための学びの一つ

赤ちゃんのうちは、「自分」という存在を知らず、1歳半くらいから鏡に映った姿が自分だと気づくようになります。自分の存在に気づいているかどうかは、ルージュテスト(下記)でわかります。

自己認識がないうちは「自分のもの」は認識していませんが、2歳前後になると、所有の意識が生まれます。この気持ちが芽生えると、兄弟姉妹がいる子は、「自分のものを他者と共有しなければならない」という、とても不安で嫌な気持ちがわきます。

そこで、きょうだいげんかを通して、すべて自分の思い通りにはならないこと、やってはいけないこと、言ってはいけないことを学びます。

自分の存在に気づくか試してみる(ルージュテスト)

赤ちゃんは、いつ頃から「自分」を認識するの? それを調べるための有名なテストです。鏡に映る自分の姿を見た時の反応は、徐々に変わり、自分を客観的に認識できるようになっていきます。

1 赤ちゃんに気づかれないよう、鼻の頭に口紅をつける。
2 しばらくして気をそらした後に、鏡を見せ、赤ちゃんがどんな反応をするかを観察する。

1歳頃までは……
・鏡の中の自分に触れようとする
・鏡の後ろに回って探そうとする
→鏡に映っているのが自分だという認識がない

1歳半以降は……
鏡を見ながら、自分の鼻についた口紅に触れるなどする
→鏡に映っているのが自分だとわかっている

兄弟姉妹関係の中で思いやりの心を育てる

ひと口にきょうだいと言っても、何歳違いか、同性か異性かで関係も違ってきます。上の子がまだ幼児期にきょうだいができた場合、それまでは誰からもかわいがられ、一身に注目を浴びていたのに、突然みんなが下の子に注目することから、上の子は赤ちゃん返りをしたり、親を困らせたりします。

赤ちゃんがお腹にいる時から、下の子の誕生を理解させ、お兄ちゃんやお姉ちゃんの役割や自覚を少しずつ持たせるようにしましょう。

赤ちゃんが生まれた後は、下の子が寝た後などに上の子の時間を作り、たっぷり甘えさせてください。

ここがPOINT! 独占させる

お母さんタイム&お父さんタイムを設定
上の子にとって、パパやママを独占できる時間はとても大切です。その時、「やっぱりお兄ちゃん(お姉ちゃん)はすごいね」「いつもお手伝いしてくれて、本当に助かっているよ」などとたくさん言葉をかけます。お兄ちゃん(お姉ちゃん)として、下の子が言うことを聞かず困っているといった訴えをしてきたら、「本当だね。困っちゃうよね」と共感することを忘れずに。

お母さんタイム&お父さんタイムを設定


もっと知りたい!

きょうだいがいない一人っ子は大丈夫?
きょうだいがいないと、当然ながらきょうだいげんかの機会もありません。ただ、きょうだいげんかで学べる社会性は集団生活で徐々に身につくもの。また、一人っ子の場合は親からの愛情や関心を一心に受けられるので自己肯定感が強くなる傾向に。きょうだいの有無によってそれぞれメリットデメリットはありますが、あまり神経質になる必要はありません。

どちらかが手を出てしまった時の親の対応法

□手を出されていたほうの子どもを違う部屋に連れて行く
□手を出したほうの子どもにけんかの理由を尋ねる
□否定せずに最後まで話を聞く
□子どもの気持ちを受け止め、共感してあげる
□手を出すのはよくないことを教える
□手を出された子のケアをする

【監修者プロフィール】
渡辺弥生先生
大阪生まれ。筑波大学卒業後、同大学大学院博士課程心理学研究科で学ぶ。
筑波大学、静岡大学、ハーバード大学客員研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員を経て、現在、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長。教育学博士。専門は発達心理学、発達臨床心理学。
子どもの社会性や感情力の発達を明らかにするとともに、子どもたちや先生、親の悩みを解決する支援のあり方を開発している。

著=アベナオミ、監修=渡辺弥生・八木陽子・やまがたてるえ・なーちゃん/『マンガでわかる! 幼児の子育てはじめてBOOK』

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