情報不足からデマが飛び交うように。復旧は3日目だった
【地震発生当日の午前】深夜の地震直後に停電し同僚の車で出勤

水道とガスは使えたので、朝食を食べてから出勤。子どもたちの学校は休校に。「信号が消えている中、皆が譲り合って運転していたことに感動しました。でもこのときは、停電が長く続くとは思ってもいませんでした」
お湯が使えず入浴に一苦労
「出勤前には入浴しなければと、ガスこんろで沸かした湯に水を足して体を洗いました。このころはすでに肌寒く、つらかったです」
【当日午後】水や電気に関するデマが飛び交うようになる

北海道全域で停電していたため、誰もが情報不足の状態に。
「そんな中、どこからともなく『何年も電気が復旧しない』『今度は水が出なくなる』『食料不足で道民がパニックになる』などのデマが流れ始めて。何が正解か、分からない状況でした」
【3日目】なんとか入手した食材で鍋を作る

「冷蔵庫の食材は地震発生当日に炒め物にし、炊飯はガスこんろで。2日目は乾麺でしのぎ、3日目は近所のスーパーで運よく食材を買うことができ、鍋に」。22時頃には電気が復旧。「私はまずシャワーを、息子はゲームに飛びついていました」
もし地震の1日前に戻ったら何をする?
□電気を必要としないラジオを買う
□電気不要の家電を用意
「地震発生当時、家には電源に差し込んで使うタイプのラジオしかなく、スマホのラジオも電池残量が気になって使えなかったんです。なので、乾電池やバッテリーで使えるラジオは必ず準備したいと思います」。寒さが厳しい北海道では暖房器具も必須。「もしこの地震が真冬に起こっていたら、凍死する人が出ていたといわれていて。石油ストーブやガスストーブなど、電気不要で点火できる暖房器具は、備えておいたほうがいいなと思いました」
いつもなら受け流すようなデマも、非常事態にあっては真に受けてしまいがち。正しい情報を入手するためにも、停電下でも使える情報ツールをしっかり備えておきたいですね。
イラスト/oyasmur 取材・文/恩田貴子