「結構時間かかるかも」出産直前にまさかの逆子?!痛みはいろいろあったけど…出産でゼロに<医師監修あり>

#育児・子育て   
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2023年に第一子を出産したどんぐりさん。
予定日10日前にあった妊婦健診で、「1週間以内に生まれるかもしれない」と言われましたが、その翌朝には陣痛がはじまり、午前中には入院、分娩室へと案内されます。このまま分娩へと順調に進んでいくかと思いきや、「赤ちゃんの頭の位置が良くない」ことから時間がかかるかもしれないと言われてしまうのです…

生まれる赤ちゃんの数だけある出産のエピソード。SNSで見たり、プレママ友やママ友から話を聞いたりしたとき、なんとなく気になることがあったりしませんか?
妊婦さんが少しでも快適なマタニティ生活を送れるよう、どんぐりさんに今回の出産時の経験を共有していただき、女性医療クリニックLUNA横浜元町の副院長である小野寺真奈美先生に出産にまつわる疑問点を教えていただきました。

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陣痛の間隔も短くなり、お産が順調に進んでいると思っていると、エコーを当てていた医師に赤ちゃんの頭の位置が良くなく、時間がかかるかもしれないと告げられます。「逆子的なこと?今まで一度も言われたことなかったのに今…?」とどんぐりさんは不安に…。

「今思うと、逆子というか回旋異常だったのかもしれませんが、今までの健診ではそのような指摘は一度もありませんでした。助産師さんに言われ四つん這いになって、ひたすらお尻を押してもらって必死にこの時間を耐えるしかありませんでした」。


痛みに必死に耐えていると、次第に赤ちゃんの頭は問題のない位置に移動。子宮口の開きも大きくなり、どんぐりさんはふたたび仰向けになると、分娩台がベッドから椅子のように変形。いよいよいきむだけに。

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どんぐりさんは、このときのいきみについて「えげつない便秘のときの脂汗かきながら頑張っている時の感覚に似てる…!!」と表現。いきみのコツも教えてくれました。「顔ではなく、下っ腹から肛門にかけての部位を意識して力むことです(笑)」。


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無事に赤ちゃんが生まれると、すべての痛みがスッと消えていったそう。分娩中も気になっていた会陰切開について訊ねてみると、生まれるときに自然に切れたと言われます。

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会陰切開についての事前の説明はなかったのでしょうか? 出産後、特に気になることはなかったのでしょか?
「自分の叫び声で聞こえなかっただけかもしれませんが、説明は特にありませんでした。ラッキーなことに、産後は筋肉痛・勝手に涙が出る以外は特に症状が無かったので、出産は本当に人それぞれなんだと改めて思いました」。

最後に、出産について調べていたり、入院で必要と思われるものを購入しようとしたりと率先して行動してくれるご主人についてもお伺いしました。普段からそういった心配りをされる方なのでしょうか。
「心配性で、私が楽観的な行動をしていると注意してくれます。尊敬できる所がたくさんある人です」。
赤ちゃんを囲むおふたりの様子が目に浮かぶようです。

専門医に聞く「出産」にまつわるギモン

どんぐりさんの出産レポートをもとに。現在女性医療クリニックLUNA横浜元町の副院長であり、ご自身も2児の母である小野寺真奈美先生に、出産にまつわる様々な疑問をお聞きしました。

女性医療クリニックLUNA横浜元町小野寺真奈美副院長


─── 分娩中に「赤ちゃんの頭の位置がよくないために時間がかかるかも」と言われます。「逆子的なこと?」とありますが、このタイミングで逆子になることはあるのでしょうか?
「今回の場合は、逆子的なことではありません。基本的に赤ちゃんは分娩の時に頭と体の向きを変えて分娩しやすい胎位へと自分で動いていきます(回旋)。このときの胎位がよくないと、分娩時間の延長や分娩がうまく進まないことが考えられます。今回の四つ這いの姿勢は、胎位改善のための対策です。
逆子になることは陣痛が来ると基本的にはありませんが、陣痛がくるまで満期になっても骨盤位(逆子)と、頭位をくるくるしている赤ちゃんは稀にいます。

───いきみを便秘のときの感覚に似ているとどんぐりさんは言っていますが、いきみの際に気を付けることはありますか?
「いきみとは、陣痛の波に合わせて腹圧をかけ、赤ちゃんが産まれる手伝いをすることです。その際は、目を開けて目線をおへそにするといいと言われています。ただ、痛みでパニックになることもあるので、できればリラックスして、陣痛時と助産師さんなどの声掛けに合わせていきむことがいいでしょう。陣痛以外の間欠期と言われている時間は力を抜き、なるべく陣痛以外で力を入れることは止めましょう。いきみすぎると母体疲労による分娩遅延や会陰や頸管裂傷の原因になることもあります」。

───会陰が切れてしまったら、どのような処置をされるのでしょうか? 
「切れてしまったら基本的には縫合をします。分娩後、医師は頸管や膣壁、会陰に裂傷がないか確認し、裂傷(切れる)があった場合は縫合をします。その際、裂傷がどこまで到達しているかなどを確認し、縫合を行います。会陰裂傷は裂傷の度合い(1~4度)に分けられ、その中でも重症なのが肛門粘膜や直腸粘膜まで裂傷が及ぶ場合(4度裂傷)で、処置が難航することもあります」。



急にお腹が痛み出した、破水した…など出産のはじまりは人によって異なります。予定日通りにいかないこともほとんどで、読めないからこそ予定日が近くなるにつれ、不安を感じるかもしれません。突然くるその日に少しでも心地よく臨めるよう、出産に関する疑問を解消していきましょう!


どんぐり
1児の母。「出産レポ」「私が妊娠糖尿病?」など自身の体験談をインスタグラムで公開中。

取材・文=伊藤延枝
医療監修=女性医療クリニックLUNA横浜元町 副院長 小野寺真奈美先生

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