「泣ける」「感動した」とSNSで8.3万いいね！「ぬいぐるみ病院」に入院したぬいぐるみが帰ってきた話

主人公のかほさんのもとに、ある朝メールが届きます。それは「ぬいぐるみ病院」から入院の順番がきたことをお知らせするメールでした。

5歳の誕生日にかほさんがもらった真っ白でふわふわのぬいぐるみ「ふーちゃん」。その日からずっとかほさんはふーちゃんと同じ時間を過ごしてきました。いつもの公園でふーちゃんと遊んだり、お天気の日には母にふーちゃんを洗ってもらったり。大きくなってからもかほさんのそばにはいつもふーちゃんがいました。

長い時を経てまっ白だったふーちゃんは「愛され色」になり、体もくったりとしてきました。もちろんそんなふーちゃんもかわいいけれど、もっと元気でいてほしい…とかほさんは思いました。そこで見つけたのが「ぬいぐるみ病院」でした。申込からずいぶん時が経ちましたが、ようやく順番が来てかほさんは入院の手続きを進めることになりました。

問診票のさまざまなチェック項目に記入して、好きな箱に入れたらいよいよ病院へ出発！　「着いたかな」と心配していると病院から到着メールが届き、ふーちゃんの入院治療が始まりました。

大事なふーちゃんのいない生活はさみしいけれど、病院からの丁寧で優しいメールのおかげで、かほさんはは安心してすごすことができました。病院から送られてきたかわいく治療されたふーちゃんの写真に、かほさんは思わず「か…か…かわいい！」と喜び、その写真を保存しました。

そして数日後、ふーちゃんが帰ってきました。ドキドキしながら箱を開けると、病院で治療を受け、真っ白でふわふわになったふーちゃんがこちらを見ていました。かほさんは優しくふーちゃんを抱き上げて顔をほころばせ、久しぶりの再会を喜ぶのでした…。

X（旧Twitter）での反応は…

この作品にはXでもたくさんのコメントがついています。
「泣ける」
「感動しました」
「ぬいぐるみ好きは読んでほしい」
「いいなあ、うちの子も入院させたい」
「大切にしていたぬいぐるみを思い出した」などなど…

さらに、「うちの子もぬいぐるみ病院にお世話になりました」と、実際にぬいぐるみを入院させたことのある経験者のコメントも多数。
こやまこいこさんが取材を経てこの作品に描いたのは、大阪府にある「ぬいぐるみ健康法人 もふもふ会 ぬいぐるみ病院」です。大切なぬいぐるみを入院させて治療をしてもらいたいと願う持ち主さんは後をたたず、入院まで数年待ちの状態が続いています。

この心あたたまるエピソードについて、著者のこやまさんにお話を伺いました。

こやまこいこさんインタビュー

──このエピソードはX（旧Twitter）で8.4万「いいね」がつく大反響でした。この反響を見ていかがでしたか？

こやまこいこさん：
とてもうれしいです。読んでくださったみなさまありがとうございました。SNSで漫画を投稿することは楽しくもあり怖いことでもあるので、いいねをたくさんいただいたことはホッとしております。

──どんなコメントやリプライがありましたか？　印象に残っているものがあれば教えてください。

こやまこいこさん：
同じように自分もぬいぐるみが好きだとおっしゃる方が多かったです。ぬいぐるみ病院さんにお願いしたことのある方や、「こんな病院があるんだ」「今度お願いしてみたいな」という方もいらっしゃいました。ぬいぐるみ好きな方々に届いてよかったです。

──ぬいぐるみの「ふーちゃん」への持ち主さんの深い愛情がつたわってくる優しいエピソードでした。この話はどのような経緯で描かれたのですか？

こやまこいこさん：
このエピソードは特定の方のお話ではなく、ご家族からぬいぐるみ病院さんへ宛てたお手紙などの資料や、ぬいぐるみ病院さんでお聞きしたお話を元に描きました。ぬいぐるみ病院さんにお願いした方々は、みなさん対応の細やかさに感激されていたのが印象的です。

──このエピソードを発表して、気づいたことや感じたことがあれば教えてください。

こやまこいこさん：
多くの方がぬいぐるみとの思い出を持っていたり、今現在も大切なぬいぐるみが居るということに気づくことができました。そういった自分だけの思いはそっと胸にしまって大事にされているんだなと感じたので、今回取材でぬいぐるみとのお話をしていただいたことは、大変貴重でありがたいことだったんだなと改めて感謝しております。

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こやまこいこさんのやわらかなタッチとかわいらしい色合いで描かれた「ぬいぐるみ病院」にまつわるエピソードは、多くの読者の心に優しく響きました。幼い頃に大切なぬいぐるみに心を癒やされた人も、おとなになった今もぬいぐるみを大事にしている方も、共感すること間違いなしの作品です。

文＝レタスユキ