いじめはただの悪ふざけではない!犯罪にあたる行為/新おとめ六法(5)

いじめに含まれる行為の多くが、刑法で禁止される犯罪行為にあたる

ネット上の誹謗中傷。画面の向こうで悲しんでいる人がいる/新おとめ六法
『新おとめ六法』5話【全13話】


何かへん?私が悪いの?考えすぎ?そう感じたときに頼りになるのが「法律」です。難しい側面もあるけれど、「法律は知っている人しか守ってくれない」という弁護士の上谷さくらさんが、わたしたちに身近なトラブルに関する法律を解説。
知ってさえいれば「おかしい」と声をあげられることや、知らなかったでは済まされないことなど、私たちに寄り添う大切な法律についてのエピソードをご紹介します。


学校でいじめにあっている◆あなたを守る法律

いじめ防止対策推進法 第4条 いじめの禁止
児童等は、いじめを行ってはならない。

【解説】いじめは単なる〝悪ふざけ〟ではない

いじめをしてはいけないことは、はっきりと法律で明記されています。いじめとはなにかについても、法律で定義されています。「いじめ」の中には、犯罪行為にあてはまる行為も含まれます。たとえば、次のようなものです。

● 他人の物を壊す......器物損壊等罪(刑法第261条)
● 他人の物を盗む......窃盗罪(刑法第235条)
● 他人を脅してお金を払わせる......恐喝罪(刑法第249条)
● 他人を殴る、蹴る......傷害罪(刑法第204条)暴行罪(刑法第208条)
● 他人に水をかける......暴行罪(刑法第208条)
● 他人の悪口を言いふらす......侮辱罪(刑法第231条)
● 他人にしたくないことをさせる......強要罪(刑法第223条)

いじめに含まれる行為の多くが、刑法で禁止される犯罪行為にあたることがわかります。いじめの被害を受けたら、警察へ被害届を出すことも検討しましょう。

上記以外のいじめ、たとえば、「集団で無視をする」「口をきかないように仕向ける」といった行為は、犯罪とまではいえません。しかし、それらの行為が原因で学校に行けなくなったり、転校を余儀なくされたり、心身の不調が出た場合などには、民事裁判などの法的措置をとることも考えられます。

事例

クラスの中で孤立してしまったら


【CASE】クラスの中で孤立してしまった。先生には言いにくいし、心配をかけるので親にも言いたくない。でも死にたいくらい悩んでいる。どうすればいい?

【ANSWER】
信頼できる大人に相談しましょう。信頼できる大人とは、SNSで個人的に優しく相談に乗ってくれる見知らぬ人ではありません。保護者や公の機関に所属する人に相談しましょう。たとえば、学校の先生、スクールカウンセラー、地方公共団体が行っている相談窓口などです。自分で話すのが難しい場合は、SNSで相談を受け付けている機関もあるので、そちらに相談してみてください。


著者:上谷さくら
弁護士(第一東京弁護士会所属)。犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。元・青山学院大学法科大学院実務家教員。福岡県出身。青山学院大学法学部卒。毎日新聞記者を経て、2007年弁護士登録。保護司。

※本記事は上谷さくら著の書籍『新おとめ六法』から一部抜粋・編集しました。

著=上谷さくら イラスト=Caho/『新おとめ六法』

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