1.納期から逆算してスケジュールを調整する
新しく仕事を受ける際には、まずその仕事の作業範囲と文字数を確認します。そして、納期までに仕事を完了させるためには「何をいつまでにすればいいのか」を明確にしてスケジュールを組みます。
具体的には、納期から逆算して記事作成の工程と期間を設定しています。
◾️記事作成の工程(私の場合)
1.リサーチと構成
2.仮タイトルと仮見出しの作成
3.リサーチした情報の取捨選択
4.章ごとに執筆
5.2の決定とリード文を作る
6.推敲する
◾️スケジュールの組み方の例(他の案件も並行して進めています)
◎期間の設定(納期が7日後の場合)
納期7〜5日前:1〜3の工程をする
納期4〜2日前:4〜6の工程をする
納期1日前:予備日
このように、納期から逆算してスケジュールを立てることで、納期を死守できています。予定通りに進まないことも想定して「予備日」を入れておくのもポイントです。
2.納期に不安があれば受注の段階で相談する
納期に不安がある場合は、受注の段階で調整することが大切です。無理な納期で受注してしまうと、記事のクオリティの低下や納期遅れにつながってしまいます。
そのようなときは、発注主に事情を説明し、納期の延長が可能かどうかを相談するようにしています。
ただし、発注主にも業務スケジュールがあるため、納期の延長に必ずしも応じてもらえるわけではありません。
仕事をお断りする場合は、発注主に事情を説明し丁寧な対応を心がけています。実際にこちらの都合で仕事を断っても、翌月には再び同じ発注主から仕事のご依頼をいただいています。
レギュレーションを守る
発注主との信頼関係を築くためには、レギュレーションをしっかりと守ることも大切だと思っています。
レギュレーションとは、記事執筆のルールをまとめた資料のことです。メディアに掲載される記事に統一感を持たせるために決められており、メディアごとに内容は異なります。
レギュレーションを守らず記事を提出してしまうと、発注主から修正依頼が来るだけでなく「ルールを守れないライター」と見なされるので、評価が下がります。
レギュレーションの一例として、以下のようなものがあります。
画像選定:解像度やサイズの指定
NGワード:そのメディアで使用が禁止されている言葉
表記の統一:英数字は半角、「子供→子ども」、「1ヶ月→1カ月」など
私の場合、発注主から渡されたレギュレーションを受け取ったら、まずはしっかりと目を通し、内容を理解するようにしています。
間違えやすいところはメモに書き出して見えるところに貼っておくと、執筆中に確認しやすいです。
また、執筆前には、納品先のメディアに掲載されている記事の「トンマナ」も把握するようにしています。
トンマナとは「トーン(調子)&マナー(様式・様子)」のことです。文章の雰囲気(親しみやすいか、固いか)や何行ぐらいで改行しているか、見出しあたりの文量はどのくらいかといった点をチェックして、納品先のメディアに合った文章を書くようにしています。
こういった準備をすることで、執筆後の修正が少なくなります。その結果、発注主から信頼を得ることができ、継続的な仕事の受注につながるのです。
返信はできるだけ早く
発注主からのメールには、できる限り早く返信することを心がけています。
すべてのメールにすぐ返事をしなければならないというわけではありませんが、発注主は、ライターからの返信を待って次の作業を進めることがあります。こちらの返信が遅れてしまうと、発注主に迷惑をかけてしまうことがあるのです。
実は、過去に発注主への返信が遅れたために、仕事の受注を逃してしまったことがあります。
それは「この仕事を受けてもらえますか?」という内容のメールでした。そのときは外出中だったので「帰ってから返事をしよう」とそのままにしてしまったのです。
数時間後、自宅に戻り発注主に返信すると「もうほかのライターに仕事が決まりました」と言われてしまいました。「あのときすぐに返信していれば、仕事が受注できたのに・・・」と後悔したのは言うまでもありません。
そんな過去の悔しい経験があるので、できるだけ早いレスポンスを心がけています。
とはいえ、発注主にすぐに返信することが難しいときには、その旨を伝えるようにしています。
たとえば、「承知しました。今は出先のため、戻り次第確認して折り返します」といった連絡を入れるだけでも発注主に安心してもらえますよね。
早めに返信することで、「このライターは、丁寧なコミュニケーションができる」と受け取ってもらえるでしょう。
オンラインでの打ち合わせは笑顔で
オンラインでの打ち合わせでは、口角を上げて笑顔で話すように意識しています。画面越しは、相手に感情が伝わりにくく、無愛想な印象を与えやすいと感じるからです。
こちらが笑顔でいると、発注主も話しやすくなり、コミュニケーションが取りやすいと感じます。
そして、発注主の話を聞くときは、大きく頷くなど少し大袈裟なリアクションをとることも意識します。リアクションで「あなたの話に共感していますよ!」「話の内容を理解していますよ!」とアピールするのです。そうすることで、発注主との信頼関係を深めていけるのではないかと考えています。
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今回は中谷さんに、発注主との信頼関係の築き方について伺いました。丁寧な対応や仕事ぶりが発注主との信頼関係を深めるカギだと分かりました。
発注主に継続的に仕事を依頼してもらうには、一つひとつの仕事を誠実にこなしていくことが大切ですね。
これからフリーランスWebライターになりたいと考えている人は、中谷ミホさんのお話しを参考にしてみてください!
▶プロフィール
中谷ミホ
40代からフリーランスのWebライターに。介護業界で働いた経験を活かし、介護や福祉の特化ライターとして活躍中。
文=YY