植物が自生している環境をヒントにしている!
植物を室内でも元気に育てるため、その植物が自然のなかにいるときの環境に近づけることを意識しています。一番大切なのは、風を作ること。自然界で風がまったく吹かないことはないですよね。 植物に適度な風が当たることで、生長がよくなります。風が吹くと葉から水分の蒸散がうながされ、植物が根から水をよく吸い上げる。そうすると土のなかの水分が乾き、根が水分を探して伸びていく…という仕組みです。根がしっかりしている植物は、元気に大きく育ちます。
置き場所や水やりのしかたについても、その植物が自生している環境がヒントになります。たとえば中央アメリカ原産のモンステラは、現地では薄暗いジャングルで5m以上の大きさに育ちます。そこから「薄暗い環境が好き(日光浴不要)」で「高温多湿を好む」、「とても大きくなる(生長が早い)」とわかります。
また、多肉植物は冬か夏に「断水」といって水分の吸収を必要最低限にする時期があります。原産地では雨が降らない時期があるため、植物は休眠に入ることで、水を必要としなくなります。乾燥した砂や岩場で育った植物は、土は水やりのときに濡れているぐらいでいいのです。
植物の原産地から、その植物が元気に育つためのさまざまな情報がわかります。
植物を枯らさず、元気に育てるためには、その植物が自然界ではどんなふうに育っているかを知り、それに近い環境を作ってあげましょう。
枯れない理由
その植物がいたのはどんな場所?原産地の環境に近づけるとよく育つ

ビカクシダ(別名コウモリラン)は、樹木に着生して育つシダ植物。木の高いところに生育し、明るい場所を好む。風通しのよい場所を好むため、蒸れに注意して通気性をよくする。赤道に近い地域に自生するため、暖かいほうが好き。

僕が育てている多肉植物は、「夏型」と呼ばれる夏に生育して冬に休眠するタイプ。生育には20~30°Cの高い気温と、強い光を好む。湿度には弱いため、育成用LEDライトの光とサーキュレーターの風を真上からしっかり当てて、自生地のようなカラリとした環境を作る。
【著者プロフィール】
かい
園芸インストラクター。農業高校時代から園芸に親しみ、現在も農業関係の仕事に従事。引っ越しをきっかけに観葉植物を購入、会社員として多忙な生活を送りながら、これまで40種類・200株以上を育てている。2021年10月より、自らの経験を基に観葉植物の育て方や楽しみ方をInstagramで発信。毎日寄せられる観葉植物についての相談に丁寧に回答、解決に導いている。
著=かい/『観葉植物男子 会社員が200株と暮らしてわかった、枯らさないコツ』