ズボラは言い訳か、きっかけか。整理収納と家計管理のイイ関係
借金持ちのポンコツだった私は、いわゆる汚部屋の住人でもありました。ものを溜め込むだけでなく、使わないものは見えないところに押し込んで片付け終了、という体たらく。
次男誕生からしばらくした頃、家賃を抑えるために郊外に引っ越そうと荷物をまとめていたその時、親戚からもらった大量の使っていないものたちを発見したのです。
「これを使っていたら、買わずに、もっと貯蓄できたのに!」
この件をきっかけに、「お金と片付けは密接に関わっている」ことを学んだ私は、整理収納と家計管理を並行して整えていくことに決めました。とはいえ、お金については素人なので勉強する必要があったし、そもそも家計管理は何からどう整えていけばいいのかもわかりません。
そこで、お金の勉強をしながら、片付けから手をつけ始めました。片付けなら、「ものの要・不要の判断をするだけ」なので、私にもできそうです。
キッチンを片付けながら、まだ食べられる乾物を見つけたらラッキーだし、食費も浮いて家計にも嬉しい。処分ついでに年末大掃除で使ったきりの洗剤で、その辺をささっと掃除すれば、部屋もきれいになって一石二鳥。歳を重ねて似合わなくなってきたのに捨てられないブランドバッグはフリマアプリで売って、ちょっと美味しいおやつが食べられるかも!?
徐々にすっきりしていく部屋を見ていくうちに、自分の気持ちもすっきりすることに気がつきました。
頑張ってすっきりさせた部屋を荒らしたくないと思えるようになれば、後先考えずにホイホイ衝動買いもせず、吟味することを覚えます。部屋がすっきりする→買い方が変わる→家計にも興味が生まれて貯蓄ペースも必然的に爆上がりです。
以前、「インスタグラムで見る理想の部屋の住人は、きっと完璧主義者やしっかり者。ズボラな私には絶対無理」だと思っていました。でも、「使っていないもの大量発見事件」を機に、それは大きな勘違いだとわかりました。ズボラだからこそ、自分がもっと楽になるような仕組みやルーティンを作るんだ、と。
いちいち畳むのが面倒だから、収納にはぶち込むだけ。
家族に「あれどこ?」と聞かれるのが面倒だから、定位置を決めて、ケースにはラベル。
毎日家計簿をつけるのが面倒だから、買い物は週1回。
毎晩料理に時間をかけるのは面倒だから、週に1回1時間だけ頑張って作り置き。
いちいちレシピを検索するのが面倒だから、見ないで作れる「ルーティン献立」。
家計管理も約2年半をかけて固定費を整え、ようやく実を結び始めたのが長女誕生の少し前あたり。長女を出産した頃には300万円の貯蓄を確保し、夫の協力も得て無駄遣いを減らす仕組みを整えました。その仕組みにのっとって行動するだけで、1000万円を貯めることができたのです。
「ズボラ」を言い訳にするか、きっかけにするかは、人生の大きな分かれ目です。「私はズボラだから、しょうがない」と言い訳すれば、これからも、今以上の暮らしは望めません。でも、逆に「ズボラな私が楽になるためにはどうすればいいだろう?」と考えるきっかけにすれば、可能性は無限大です。最初から諦めるのではなく、まずは自分のできそうなことから一歩、踏み出してみてはどうでしょう。
「ズボラを言い訳に、何もしない」
「ズボラをきっかけに、自分が楽になる仕組みを作る」
あなたはどちらのズボラを選びますか?
【著者プロフィール】
なごみー
3男1女、4児の母。整理収納アドバイザー1級。
たのしい節約生活、暮らしの工夫をInstagramで発信中。元借金あり、汚部屋で暮らすポンコツ主婦から一念発起して、子供たちの教育費4000万円を貯めることを目標に、家庭内のすべてを見直したことで、何もかもがうまく回るように。ハードルは低く、かつ効果抜群なお金が貯まる・暮らしが回る生活のテクニックがメディアで話題に。
著=なごみー/『ポンコツ4児母ちゃん、家を片付けたら1000万円貯まった!』