高齢親に異変はない?「帰省時のチェックリスト」
もうすぐお盆ですね。2024年は8月10日土曜日から、12日月曜日(11日山の日の振替休日)を挟み15日までと、いつもよりもゆっくりと実家への帰省を考えている方も少なくないのではないでしょうか。離れて暮らしている親と久しぶりに会って、あれ?こんな感じだったかな?と感じることもあるかもしれません。
そこでここでは、帰省時に確認しておきたい高齢の親のチェックポイントを、HOME ALSOK 事業部 事業推進課 石田 弘樹さんにお聞きしました。
帰省時に確認しておきたい高齢親の様子を知るための5大チェックポイント
久しぶりに帰省した時には、以下の5つのポイントをチェックしてみましょう。
あれ?と少しでも違和感を感じることがあれば、日付と一緒にメモしておくのも、将来見返す時に役に立つかもしれないのでおすすめです。
1 ▶︎ 表情(笑顔はあるか)
2 ▶︎ 清潔感(身なり・家の清掃具合・ごみ捨ての様子)
3 ▶︎ 健康状態(身体が思うように動くか・薬の管理)
4 ▶︎ お金の管理(通帳等保管場所・貯金の有無)
5 ▶︎ 家の設備(エアコンや風呂等が故障していないか・追加設置するものがあるか)
「これらに違和感を感じたら、身体の具合が悪くなっていたり、認知症の兆候かもしれません。冷蔵庫の中に賞味期限切れのものが増えていないかや、郵便物がたまっていないかなども見ておくと◎。また、転倒による怪我など、もしもの時に備えて家の設備も改めてチェックしておきましょう」(石田さん)
また、帰省できない場合は、電話での会話を通して、以下の4つをチェックしておくとよいそうです。
1 ▶︎ 声に元気があるか
2 ▶︎ 会話が成立するか
3 ▶︎ お金の管理
4 ▶︎ 毎日の生活状況
「Webカメラや生活リズムセンサーでも確認することはできますが、設置していないというご家庭が多いと思います。まずは電話を通して確認しておくといいですね」(石田さん)
高齢の親と離れて生活する上で気をつけるべきポイントと対処法
高齢の親と離れて暮らしている場合、頻繁には様子を把握しに行くことが難しい、という方も多いと思います。特に親が一人暮らしをしている場合は心配ですよね。そのため、日頃から気をつけておくとよいポイントと、それに対処するためのアイテムも教えていただきました。
1 ▶︎ 火災(火の消し忘れに注意)→ 住宅用火災警報器の設置
2 ▶︎ 戸締り(空き巣や強盗)→ スマートキーや電気錠の利用
3 ▶︎ 急な体調不良 → 緊急ボタンの設置
4 ▶︎ 徘徊 → GPS搭載機器の利用
5 ▶︎ 詐欺 → 防犯機能付電話機や画像付インターホンの設置
「例えば警備会社のサービス等を利用するなどして、ハード面での対応をしておくと安心です」とのこと。実際にあった、高齢の方の一人暮らしの事例を教えていただきました。
「料理をしている最中に電話が鳴り話し込んでしまい、フライパンを火にかけた状態だったため、煙があがりました。その際、台所上に設置してあった住宅用火災警報器が反応し『ピーピーピー火事です』という警報音とアナウンスが鳴り、火が点いていることに気が付き、火災を未然に防ぐことができました」
火災報知器がなければ、危うく火事になっていたかもしれません。親が自分では気づけないことを知らせてくれる機器を設置して、気づける環境にする、というのも大事ですね。
火災報知器の設置は義務化されていますが、設置していても電池が切れていたら、いざという時に警告音を発してくれません。電池が切れていないか、定期的に確認をするようにしましょう。
また、急な体調不良についても、このようなエピソードが。
「夏場、エアコンを使用せず生活していたところ、体調不良を感じました。警備会社にて設置済みの機械から熱中症注意喚起音声が流れたところでエアコンを作動させましたが、頭痛が治まらないため緊急ボタンを押下し警備会社へ通報。警備員がかけつけてくれて念のため119番通報も。軽度の熱中症であり、早期発見ができたことにより同日自宅へと帰宅できました」
特に今年は猛暑続き。毎日のように日本各地で熱中症警戒アラートが発表され、外出を控えるように呼び掛けられていますが、家の中でも冷房をつけなければ熱中症になる危険性はあります。上記のエピソードも緊急ボタンですぐ通報できたからこそ軽症で済んだといえそうです。
喧嘩にならずにチェックするには…?
親と「老い」について話す時に気をつけたいこと
人はいくつになっても老いを受け入れることは容易ではありません。こちらはただただ心配をして「大丈夫?」と確認するつもりでも、喧嘩になってしまうかも…と思う方も少なくないのでは。喧嘩を通して疎遠になってしまっては、元も子もありません。
そこで、親を傷つけないようにチェックポイントを確認する方法もお聞きしました。
▶自分(子もしくは家族)の最近の生活についてやニュースで話題になっている事を話した後に、親の毎日の生活の様子を聞く。
▶自分は親のことが「大切だから」心配していると伝え、世間話の中でチェックポイントを確認していく。
▶「聞き手」になり、親の話を何でも聞いてあげる。
離れて暮らしているからこそ、コミュニケーションはうまくとりたいものです。いきなりぶっきらぼうに、単刀直入に確認するのではなく、言われる方の立場になってクッションをいれつつ話すことができたらいいですね。
帰省をきっかけに、もしもの時どう動くか、対応の道筋を考えておきたいものですね。
文=mm
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