インスタグラムで稼ぐまでの道のり(1)始めたきっかけ
私がインスタグラム運用を始めたのは、双子の育休中でした。復職を1年後に控えていたものの、当時の私は自分のキャリアに不安を抱えていました。
出産前は鉄道会社で乗務員として泊まり勤務のある仕事をしており、復職後も同じように泊まり勤務をする予定でした。しかし夫婦ともに実家は片道1時間ほど距離があり、気軽にサポートを頼める距離ではありません。さらに夫も鉄道会社で泊まり勤務をしていてスケジュールがなかなか合わず、この状況で二人とも鉄道会社で働くのは難しいと思いました。
とはいえ当時の私にスキルはなく、他にできそうな仕事も思い浮かびません。キャリアの選択肢が狭い自分に焦りを感じました。
なんとかして働き方を変える方法はないかと毎日調べていた私はある日「収入は誰かの役に立った対価」という言葉に出会いました。自分が働き方を変えたいという気持ちばかりで「仕事は誰かの役に立つためにするもの」という視点をすっかり忘れてしまっていた私にとっては、衝撃的な言葉だったのを今でも覚えています。
それからは「将来誰かの役に立つ仕事をするために、今できることは何か」という視点から物事を考えるようになりました。そして、たどり着いたのがインスタグラム運用です。誰かの役に立つ情報を発信をしながらアフィリエイト※などで収益化もできると聞き、これなら自宅保育しながらでもできるかもしれないと思いました。
働き方を変えるためには、誰かの役に立てる仕事を見つけなくてはいけません。そのためにまずは誰かの役に立つ経験を積もうと考え、インスタグラム運用を始めました。
(※アフィリエイトとは自分のSNSで対象商品を紹介し、自分のSNSから購入されたら販売手数料が受け取れる仕組みのことです。)
インスタグラムで稼ぐまでの道のり(2)結果は時給ゼロ円…?
私が当時開設したのは双子育児情報を発信するアカウントでした。周りに双子育児経験者がおらずとにかく情報を集めるのに苦労した経験から、今なら同じ双子家庭の方の役に立てそうだと考えたからです。とにかく「双子家庭の方に役に立つコンテンツ」だけを考え抜いて投稿した結果、半年でフォロワーが5,000人に達しました。
インスタグラム運用に慣れてくると収益化も視野に入ります。フォロワー数は何人からでも収益化できるため、私もアフィリエイトに挑戦しました。しかし大きく稼ぐのは難しく、時給換算したらゼロに近かったです。誰かの役に立つ経験は積めたものの理想の収入を得るのは難しく、別の方法を考えなくてはいけませんでした。
「このアカウントから収入を得るのではなく、インスタグラム運用の経験を活かして仕事をして収入を得よう」最終的にはこう考えて、2年間運営した双子育児アカウントの更新を辞めました。そしてインスタグラムで培った文章力を活かせると考え、Webライターの道に進んだのです。
インスタグラムで稼ぐまでの道のり(3)時給ゼロ円でも継続してよかった理由
大きく収益化ができなかったインスタグラム運用でしたが、私はやってみて本当によかったと思っています。当時は収入につながらなかったですが、インスタグラム運用の経験が現在の自分の収入に大きくかかわっていると言い切れるからです。
具体的には、仕事の獲得にインスタグラムアカウントが役立っています。私は完全未経験の状態からWebライターの道に進みましたが、仕事の依頼が途切れない日々を送っています。そのほとんどがインスタグラム運用の経験をアピールし、獲得した仕事です。アカウントから人柄やスキルが伝わったのをきっかけに採用してくださった発注主もいました。
またWebライターの仕事だけでなく、インスタグラム運用代行の仕事の依頼をいただくこともあります。思うようにいかないことだらけのインスタグラム運用でしたが、毎日少しずつ積み上げた結果、現在の収入に直結する要素となってくれました。
インスタグラムで稼ぐまでの道のり(4)インスタグラムから得た不動のスキルとは
インスタグラム運用は本当に多くのスキルが身につきます。動画編集、画像編集、ライティング、マーケティング…挙げたらキリがないくらいです。
そのなかでも1番価値があったスキルは「相手の役に立つ情報は何かを考え抜く力」でした。
一見簡単そうなスキルですが、汎用性が高いスキルだと思います。たとえばWebライターの仕事では読者の役に立つ情報を調べて書いた記事が求められます。そして相手の役に立つ情報を考え抜く習慣がついたら、自分の働き方ばかり考えていた頃に出会った「収入は人の役に立った対価」というスタンスも自然に身についていました。結果自分と似たスタンスの方と仕事ができるようになり、現在は相手の役に立つことを1番に考えながら仕事に取り組めています。少しずつですが、「人の役に立ちながら収入を得る」理想の生活に近づけました。
このように自分がどんなスタンスでいるかで集まる人も情報も変わります。「相手の役に立つ情報は何かを考え抜く力」は仕事をする人や環境に直結する重要なスキルでした。
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河村さんは自宅保育をしながらでもできることに目を向け、インスタグラム運用のスキルを身につけました。当時は思うように収入は得られませんでしたが、身につけたスキルとアカウントが現在の収入につながりました。
将来のために何かやってみたいと考えつつ、その道が正解かわからず踏み出せない方も多いのではないでしょうか。「誰かの役に立つこと」を起点にチャレンジすれば、きっと将来の自分を助ける経験とスキルになりますよ。失敗を恐れずチャレンジしてみてくださいね。
▶プロフィール
河村夢美
フリーランスWebライター。双子と2歳児の母。働き方に悩み、育休中に鉄道会社を退職。現在は2歳児の自宅保育と在宅ワークをしながら、働き方に悩む子育て世代に向けて在宅ワークをかなえる方法やリアルな体験談を発信中。
文=YY