防災グッズで見落としがち!?「紙もの」備蓄の重要性を防災スペシャリストに聞いてみた

大地震への備えをチェック! 紙ものの賢い備蓄術とは

今年の夏に列島を揺るがしたニュースといえば、南海トラフ地震臨時情報。初めての「巨大地震注意」の発令とあって、日常生活を続けながらも緊張が解けない一週間でしたよね。地震への備えを改めてチェックされた方も多かったはずです。

わが家もまた、最近放置していたストック品を慌てて見直しました。
水と長期保存できる食料は備えがありましたが、切らしていたのはトイレットペーパーやティッシュペーパーなど「紙もの」。子どもがまだ小さく慌ただしい日常を過ごすなか、ストックを使い切ってしまっていたのです。

そもそも紙ものについては、トイレットペーパーや生理用品など、ないと絶対に困ると思われるものを「不安にならない程度に多めに買い置きする」程度の対策しかしていませんでした。備蓄すべき紙ものの種類は? 正しい量は? 保管場所は? 賢い備蓄方法を、プロにレクチャーしてもらいました。

教えていただいたのは、防災プロジェクトの開発・教育を行うNPO法人プラス・アーツの小倉丈佳さん。

まずは、備蓄すべき日用品についてアドバイスいただきました。

「断⽔すると簡単には⽔が⼊⼿できません。そんな中、⽔を使わず、衛⽣を保つことのできる⽇⽤品がとても役⽴ちます。お⽫に敷いて洗い物を減らすラップや、お⾵呂に⼊れないときに体を清潔にするからだふきウエットシートなどの備蓄をおすすめします。 
また、トイレが流せなくなると衛⽣環境が極端に悪化するため、トイレを衛⽣的に処理できる簡易トイレの備蓄が不可⽋です」と、小倉さん。
からだふきウェットシートは盲点でしたが、お風呂に入れない状況が長引くことを考えると確かに必需品ですね。


【画像で確認】家族3人。トイレットペーパーはどのくらい備蓄すべき?

どれだけあれば良い? 「紙もの」備蓄の目安量

では、どのくらいの量を備蓄するべきなのでしょうか。

「⽔や⾮常⾷、携帯トイレなどは⾃治体の備蓄や⽀援物資などから⽐較的⼊⼿しやすいと⾔えます。
⼀⽅、紙ものをはじめとする⽇⽤品は、買い占めなども起こり、⼿に⼊れにくい状況になることが予想されます。また、上・下⽔道は被害が出ると復旧まで1カ⽉程度かかるため、トイレットペーパーやからだふきウエットシートなどの衛⽣⽤品は1カ⽉分を⽬安に備蓄できると安⼼です」

1カ月分というと、かなりの量になるのでは...?と不安になりますが、実際はそうでもないようです。
大王製紙 エリエールが紹介する1カ月分の備蓄量は以下の通り。

《家族3⼈ (成⼈男性+成⼈⼥性+⼩学⽣) 1カ⽉分の備蓄量》

▶︎トイレットペーパー(以下のうちのいずれか)
・25mダブル: 1パック(12ロール)

家族3人1カ月分の備蓄量:25mダブル1パック(12ロール)

・長巻き3.2倍80mダブル:1パック (4ロール)

家族3人1カ月分の備蓄量:⻑巻き3.2倍80m ダブル1パック (4ロール)


▶︎からだふきウェットシート(以下のうちのいずれか)
・からだふき専用品:6パック (180枚)

家族3人1カ月分の備蓄量:からだふき専⽤品6パック (180枚)

・代用品(ベビー用おしりふき):8パック (560枚)

家族3人1カ月分の備蓄量:代⽤品 (ベビー⽤おしりふき) 8パック (560枚)

*⼩学⽣も⼤⼈と同じ使⽤量で算出。個⼈差があるので、家族の使⽤量を調べることをおすすめします。

トイレットペーパーを1パック追加すれば良いだけと考えれば、特別に保管場所を用意する必要もありませんし、焦って大量に買いだめする必要もないということがよくわかります。使いながら買い足して行くローリングストック法で、うまく備えておきたいですね。

防災のプロがおすすめする「紙もの」アイテムベスト3

小倉さんによると、⽔がなくても体の汚れをしっかりふき取れるという点で、からだふきウエットシートのほか、ベビー⽤おしりふきなどが重宝するとのこと。使った後に洗えない状況を考えると、使い捨てができるベビー⽤紙おむつや⼤⼈⽤紙パンツも便利だそうです。

また、備蓄品がなくなったら他アイテムで代用するという方法も。⼩さな⼦どもやペットがいる家庭では、からだふきウエットシートの代わりにベビー⽤おしりふきを、簡易トイレの吸収シートの代わりにペットシーツや紙おむつを使うといった具合です。

「他の⽤途でも使えるかどうかを考えて備蓄アイテムを選んでみてください」と、小倉さん。
確かに、あらゆるシーンで「おしりふき」をヘビーユーズしているわが家の日常を振り返ると、いかに便利かがよくわかります。

ちなみに、大王製紙 エリエールからおすすめする商品は以下の3点。

からだふき︓「アテント からだふき」

アテント からだふき

災害などでシャワーを浴びることができないときに役⽴つ、厚⼿・⼤判のからだふき。⽔が使えない状況でも、1枚でしっかりからだをふくことができます。アロエエキスとヒアルロン酸を配合し、パラベン (保存剤) 無配合のノンアルコールタイプ。30cm×30cm、30枚⼊り。

おしりふき︓「グーン 肌にやさしいおしりふき」

グーン 肌にやさしいおしりふき

不純物、イオン等を取り除いた純⽔、パラベン無配合、ノンアルコールなので⽣まれたその⽇から使えます。万が⼀のときのからだふき⽤にもおすすめです。純⽔99%。⽔分たっぷりで洗い流すようにやさしくふけます。18cm×13.5cm、70枚⼊り。

⼤⼈⽤紙パンツ︓「アテント 下着気分」シリーズ

アテント 下着気分シリーズ

下着らしい⾒た⽬にこだわった紙パンツ。うす型タイプでさらっと快適なはき⼼地です。「シンプルホワイト」と、ワコールと共同開発したカラー「エレガントピンクベージュ」の2⾊展開。周囲の⽬を気にせずに持ち歩けるパッケージも特徴です。

プロが教える!「在宅避難」で役立つ紙もの備蓄術

備蓄で問題になるのが、保管場所。
「⻑巻タイプのトイレットペーパーやコンパクト設計のソフトパックティシューなど限られた空間を有効活⽤できる (=スペースパフォーマンスの良い) 商品を選ぶようにしましょう」と小倉さん。
また、備蓄品は1カ所にまとめず、⽞関・寝室・2Fなど、こまめに分散して保管する「分散備蓄」がおすすめ。分散することで、地震でドアがゆがんだり、棚が倒れたりして取り出せなくなるというケースにも対応できるとのことです。

わが家でも使用頻度の観点から、おしりふきのストックはリビングと洗面所の2カ所に分けて保管しています。ローリングストックで普段から使うことを考えても、より取り出しやすいところに置いておく分散備蓄が便利ですよね。

大王製紙 エリエールがおすすめするコンパクトな紙ものはこちら。

トイレットペーパー︓「エリエール i:na (イーナ) トイレットティシュー 3.2倍巻」

エリエール i:na (イーナ) トイレットティシュー 3.2倍巻

12ロール分(※)の⻑さが4ロールになったコンパクト設計のため、ストックのための収納場所を取りません。柔軟剤処⽅&エンボス加⼯でふんわり感をキープ! ⻑巻タイプなのにやわらかな⾵合いです。
(※)1ロールの長さ25m

ティシュー︓「エリエールティシュー ソフトパック 160組8個パック」

エリエールティシュー ソフトパック 160組8個パック

160組8個⼊りの⼤容量ながらも、紙箱を使わないコンパクトな設計のソフトパックタイプ。⾃然由来の柔軟成分を配合し、なめらかな肌ざわりが特⻑です。

⽣理⽤ショーツ型ナプキン︓「エリスショーツ」

エリスショーツ

ナプキンとショーツが⼀体になった「⽣理⽤ショーツ型ナプキン」。ブラックで⾒た⽬もスタイリッシュ。厚さ2.9mmの超うす型設計ながらも夜⽤ナプキン3枚分の吸収⼒で、360度しっかりガードします。


高品質の紙ものも◎!「在宅避難」「ローリングストック法」のポイントとは

備蓄にはお気に入りの日用品を取り入れるのもおすすめだと、小倉さんは言います。
「不便が多い災害後の⽣活は、⼼も⾝体も疲弊させ、ストレスを感じやすくなります。そのため、⾷べ物も⽇⽤品も、良いものやお気に⼊りのものをラインナップに⼊れておくことをおすすめします。災害時はただでさえガマンを強いられる場⾯が多いです。だからこそ、ちょっと贅沢なものや好きなものを積極的に備蓄に取り⼊れ、気分が上がる場⾯を少しでも作るようにしましょう」

いろいろ試してみることができるのは、ローリングストック法の特徴でもあります。備蓄用食品には、厳しい状況でホッと一息つくためにも甘いものや好きなお菓子を入れるという方法が知られていますが、紙ものについてもいえること。心地よい肌ざわりのトイレットペーパーや、保湿成分配合のティッシュがあればかなり癒されるはずです。
自分や家族のお気に⼊りを⾒つけて、ラインナップに加えてみましょう。


備蓄というと「大量に買いこまなきゃ」と漠然と焦ってしまいがちですが、実際に必要なものや量を把握できれば、スマートに賢く備えられるもの。みなさんもストックを確認して、紙もののローリングストックを試してみましょう!

文=さいとうあずみ

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