宇宙服の値段はいくら?超高級品でも宇宙では絶対必要なわけ/人類なら知っておきたい 地球の雑学(15)

人が宇宙空間で活動するときに着る宇宙服

地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』15話【全149話】


地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


どうして?宇宙で「宇宙服」が必要な理由


人が宇宙空間で活動するときに着る宇宙服。小さな「宇宙船」ともいうべきその服の構造は非常に複雑で、断熱材やゴアテックス、ケプラーなどの化学素材でつくられた14層構造からなる。重量は、ランドセルのように背中につけられた生命維持装置を合わせると約120キログラム。米社製のもので1着約1000万ドル(約11億円)という超高級品だ。

では、人が宇宙服を着ることなく宇宙空間へ飛び出したらどうなるか。当然、死んでしまうことになるが、その死因については「体が破裂する」「凍死する」「窒息する」といった説が知られている。なかでももっとも有力なのは「窒息」である。

地上にいるとき、人体は常に1気圧の圧力を受けているのに対し、真空状態の宇宙空間に気圧はない。そのため、生身の状態では、体内にある空気は膨張してしまうが、皮膚が持ちこたえるのですぐには破裂しないという。また、宇宙空間はマイナス270℃という極寒の世界だが、熱を伝えるために欠かせない空気がないことから、体から熱が奪われて凍死に至るまでにはかなりの時間を要する。

このほかにも、血液中に気泡ができて沸騰するという説もあるが、こちらも短時間では沸騰しない。つまりこれらの結果から、宇宙空間では呼吸ができず「窒息」するのが、いちばんの死因になるというわけだ。

ただし、宇宙空間でもっとも恐ろしいのは、太陽から飛んでくる大量の宇宙線である。宇宙線とは、ガンマ線などを含む強い放射線のことで、これを生身の状態で浴びた場合、人体に深刻なダメージをもたらす。

加えて宇宙空間には、宇宙ゴミ(スペースデブリ)が高速で飛び交っている。これらの危険から身を守るためにも、宇宙服は欠かすことができないアイテムになるのだ。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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