日本で開発中の「宇宙エレベーター」。2050年には実現可能⁉/人類なら知っておきたい 地球の雑学(16)

宇宙まで昇っていくという宇宙エレベーター

地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』16話【全149話】


地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。


2050年には実現可能⁉ 「宇宙エレベーター」の仕組みとは


ロケットに代わる、未来の宇宙輸送・交通システムとして注目されているのが、宇宙エレベーターである。2050年の運用開始をめざし、現在、その開発を進めているのが、日本の大手総合建設会社、大林組だ。

人工衛星から地表までケーブルをたらし、それを伝って宇宙まで昇っていくという宇宙エレベーター。その建設手順は次のようなものになる。

研究開発チームによると、まず、赤道上の高度約3万6000キロメートル地点にある静止軌道に、ターミナル駅となる人工衛星を築くことから建設がスタート。ここから地表に向けてケーブルを伸ばしていくのだが、それだけでは重力によって人工衛星が地球に落下してしまう。そこでバランスを取るため、地球とは反対側にも同じ長さのケーブルを伸ばす。これで準備完了だ。

ただし、建設にあたって大きな課題となるのが、ケーブルの強度。宇宙エレベーターの主なしくみは約100年前に考案されていたが、鋼鉄などのケーブル材料では自分自身の重さによりちぎれてしまうことから、実現不可能と考えられていた。

この状況を一変させたのが、日本で開発されたカーボンナノチューブである。カーボン、つまり炭素100パーセントの新素材は非常に軽く、引っ張りに耐えられる強さが特徴で、その強度は鋼鉄の20倍程度。これにより、現実的なレベルの太さでケーブルがつくれる可能性が出てきたのだ。

建設にあたってはコスト面での課題も残るが、ロケットを打ち上げるよりも安価という試算結果がある。現在のところ、建設予定費は約10兆円。JR東海が開業をめざすリニア中央新幹線の総工費が約9兆円であることを考えれば、十分に実現可能なプロジェクトと考えられている。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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