お通じにも◎ 不安が強い、いつもガマンしている…そんなあなたに「おなかもみ」

おなか（腸）をもんでやわらかくする「おなかもみ」は、腸活のほか、精神面にも良い効果が期待できます。今回は、おなかもみの基本的なやり方と、「不安が強い」「いつもガマンしている」といった人向けのもみ方をご紹介します。続ければ、お通じの状態もいい方向に！

教えてくれたのは…
▷真野わかさん
養腸家、腸もみセラピスト。女性専用サロン＆スクール「マーノリブレ」主宰。これまで1万人以上の腸をもみ、腸もみと食、心の在り方で腸を整える「養腸」を提唱。雑誌やテレビなどのメディアのほか、セミナーや講演などでも活動中。https://mano-libre.com/

リラックスおなかもみのPOINT

おなかもみはとっても簡単！ポイントは下記の3つだけです。

1．心地よくもむこと
「おなかを心地よいリズムでもんであげると、気持ちの穏やかさや安定感が生まれ、消化器系も活発に動くようになります。力加減は痛すぎると体が緊張してしまうので、『心地いい』から『痛気持ちいい』と感じる程度が目安です」

2．好きなタイミングで自由にもんでいい
「食後すぐは消化活動を妨げないように避け、それ以外は好きなタイミングでOK。起床時は目覚めのスイッチになり、就寝前ならよりよい眠りを促してくれます。体が温まっている入浴中や入浴後も、リラックスしやすくおすすめ」

3．寝てても座ってもよし。ラクな姿勢で行なう
「ベッドに寝ながら、ソファーでくつろぎながら。お通じの状態がよくない場合は、トイレに座りながらでもいいですね。ラクな姿勢で無理なくできるのがおなかもみのいいところであり、毎日続けられる秘訣なんです」

※ 妊娠中、産前産後、妊娠の可能性がある場合は、おなかもみを控えてください。病気や療養中でおなかをもむことに不安がある場合は、かかりつけ医に相談してください。

おなかもみの手の使い方と姿勢

道具を使わず、いつでもどこでも手軽にできるのがおなかもみの魅力。「自分が心地よいと感じられることが大事なので、どのパターンで行なってもOKです」

手のひらを使う場合
おへそを隠すように両手のひらを重ね、おなかに置きます。「手の位置はずらさず、おなかに密着させ、手のひらのつけ根で左から右、右から左へとおなかを横から押して動かします。肩の力を抜き、息を止めず自然な呼吸で。手のひらはどちらが上でもOKです」

指の腹を使う場合
「利き手を下にして両手の人さし指、中指、薬指を揃えて重ね、おなかに密着させて置きます。指は突き立てて強く押し込んだりせず、3本の指の腹全体で丁寧に刺激します」。息を吐くタイミングで押すのがポイント。

座って行なう場合
基本は背もたれのあるいすやソファーに座って。「姿勢よく座るのではなく、おなかの筋肉を緩ませるように、背もたれに寄りかかってラクな姿勢で行ないましょう。背もたれがない場合などは、前かがみになると◎」

寝て行なう場合
あおむけに寝転がったら、ひざを曲げて立てます。「脚が伸びているとおなかが緩みにくいので、寝て行なうときの基本はこの体勢。脇腹をもむときは、あおむけのままか、体を横にして左右交互に行なうか、お好みで」

不安が強い、いつもガマンしている。そんな人はココをもむ！

不安感や抑圧感が2つの方向で体に影響を与えることも。

体への影響①⇒おなかが緩い、下している
不安やガマンが下痢となって現われる人も。「下痢をするのは、ストレスで腸全体が過剰に動いてしまうから。両手を重ねて、軽く押し当てながら、くるくる『の』の字を描くようにおなかをゆっくりさすっていたわりましょう。おなかが痛いときにトイレでやるのも◎」

もむのはココ！

おへそを中心としたおなか全体を、やさしく「の」の字を描くように押し当てさする。

体への影響②⇒便が詰まりやすい、コロコロしている
「感情をためやすく、ガマン強い人は、便も詰まりやすい傾向にあります。大腸を中心にもむのがおすすめ。便を一時的にためておく左下腹部のS状結腸を重点的にもむのも効果的」。指の腹でも手のひらをグーにしても、やりやすいほうでOK。

もむのはココ！

左骨盤の内側を、重ねた指の腹で小さな円を描くようにもむ。または、グーにした手を下に、上の手のひらで押し当ててもむ。

＊　＊　＊

おなかがやわらかくなると、血の巡りがよくなって、免疫力アップにもつながるのだそう。おなかもみはいつでも手軽にできるので、お風呂の中で、ベッドに寝転びながら、ぜひ実践してみましょう！

撮影／木村文平

文＝高梨奈々