33歳の若さで宣告されたステージ3の乳がん。治療の中でのSNS・ネットとの向き合い方【インタビュー】

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より

「抗がん剤治療の副作用対策」のイラストがSNSで注目を集めたイラストレーターのななぽよさん(@nanapoyodiary)。どのように対策するかをわかりやすくまとめたイラストは1.9万いいねを集め、これから治療を受ける人にとっても役立つ内容でした。

SNSで1.9万いいねを集めたななぽよさんの「抗がん剤スタイル」のイラストを見る
「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より。次のページからはこの作品を試し読みできます。

ななぽよさんは33歳で乳がんを宣告された後、抗がん剤治療、手術、放射線治療と、がんの3大療法(標準治療)をすべて経験してきました。その経験を描いた実録闘病コミックエッセイ『33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記』を今年2月に発表しています。

ななぽよさんはSNSを活用して積極的に情報を集め、病気に果敢に立ち向かいました。一方で、ネットで病気について検索することは信頼性の低い情報に行き当たることも多く、鵜呑みにすることは危険を伴うこともあります。

今回は、『33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします』からいくつかのエピソードをご紹介し、ななぽよさんにネットとの向き合い方についてお話を伺いました。

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします」のエピソード


「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より

ななぽよさんは胸のしこりの検査でがんと診断された後、セカンドオピニオンについて検討します。このとき女性がん患者専用のSNSで情報収集し、「小さいお子さんがいるなら◯◯に通ってる人多いですよ、チャイルドケアもしてくれます」「〇〇は手術の上手な先生が多いがん専門病院です」「近さも大事。抗がん剤治療の後すぐ帰れる距離がおすすめ」さまざまなアドバイスをもらいます。

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より

抗がん剤治療に挑む前にも「困った時のSNS!」と副作用対策についてアドバイスを求めます。何十件ものコメントをまとめた結果、「口、手足、眉毛やまつ毛を冷やすこと」「手足・足先を圧迫すること」「水分をとってトイレに行き抗がん剤を排出すること」が肝心だと感じたななぽよさん。大荷物を持ち込んで抗がん剤治療に備えます。

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より

しかし抗がん剤の副作用で息苦しさを感じたななぽよさん。医師はアレルギーの可能性を考えてこの抗がん剤の投与を予定より早く終えることにしました。ついななぽよさんは「抗がん剤アレルギー」「中止」「生存率」などのキーワードで検索してしまいます。ついついネガティブに考えてしまい、医師からは「スマホからはなれて」、夫からは「ネット禁止――!!!」と言われてしまいます…。

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より

抗がん剤治療はうまくいったものの、遺伝性の乳がんだったことが遺伝子検査でわかり、ななぽよさんは胸の全摘手術を受けることを決めます。この時の入院準備にもSNSでの情報が役にたつのでした…。

著者・ななぽよさんインタビュー


――治療にあたり、ななぽよさんはSNSをうまく活用して情報収集されておられましたね。どんなところが具体的に役にたったか、また心の支えになったことなど、がん治療とSNSの向き合い方について教えて下さい。

ななぽよさん:
自分だけじゃない、と思えたのが一番大きいです。周りに若くしてがんになった人はいなくて、孤独を感じていたので一緒に闘病を頑張る仲間がいるというのがとても心の支えになりました。X(旧Twitter)で不安を呟いたら、病気じゃない人からも励ましコメントが何百件も来て、優しい人が多くて感動しました。あとは副作用対策など、経験者の人達が教えてくれた生の情報はとても役に立ちました。

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より

――治療をどこで受けるか決める時に、SNSでのコメントを参考にふたつの病院に候補を絞っています。この時参考になったコメントについて教えて下さい。

ななぽよさん:
「手術数が多くて腕が良い。システマチックで検査もスムーズ」「若いママさんの患者が多く、子供へのサポートもある。ケアが手厚く、看護師さんは天使」というコメントをいただいて、どちらもいいなと思いました。

――一方、ネットで検索しすぎて不安になり夫に「ネット禁止!」と言われてしまう場面もありました。病気の不安から検索の手が止まらなくなることは「あるある」かと思うのですが、同じような状況にある方々にアドバイスがあれば教えて下さい。

ななぽよさん:
ダメと言われてもつい検索してしまうんですよね。主治医にも「健康な人は日常に戻るのでネットには悪い情報の方が多い」と言われて、「確かに…!」と思いました。ネットには怪しいサプリや民間療法の情報も溢れているので、注意が必要です。

「33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします 寛解までのポジティブ闘病記」より


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『33歳ママ、乳がんステージ3でおっぱいにサヨナラします』を発表するにあたって、乳腺専門医の監修のもとで執筆されたななぽよさん。「私の漫画は専門医の監修付きなので自信を持っておすすめします!」と茶目っ気たっぷりに語ってくれました。

病気について検索するときは信頼できる情報源や専門医が監修したサイトを利用しましょう。また、ネットの情報は鵜呑みにしすぎず、主治医の説明をよく聞いて、不安なことはネットよりも医師に相談することが大切です。

※こちらの記事で紹介した治療方針は著者の場合のものです。ご自身が検査や治療を受ける場合は、必ず診察を受けた上でご担当の医師にご相談ください。

取材・文=レタスユキ

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