私立中学の受験費用は? 奨学金は頼りにできる? 教育費について確認しておこう

子どもが私立中学を受験したいといいだしたら…


これから教育費がかかる雑誌『レタスクラブ』読者と、たくさん教育費がかかる年代の子どもがいるライターで、座談会を開催! 子どもの教育費の不安について語っていただきました。

 

ホンネを激白してくれたのはこの3人


●小学生・幼稚園児の母 市川麻美さん(仮名)

パート勤務。神奈川県横浜市在住。小学2年生の男子と幼稚園年中の女の子の母。上の子は習い事と学習教室で平日のオフは1日だけ。教育費は夫が貯めている。

●小学生男子の母 藤村佳子さん(仮名)

会社員。東京都東久留米市在住。小学2年生の男子の母。子どもは勉強が好きそうだから伸ばしてあげたい。今はあまり教育費がかかっていないから、貯蓄はできている感じがする。

●3人の子どもを育て中 生島典子さん

家計やお金が専門のフリーライター。この特集を担当。東京都国分寺市在住。大学生2人、中学生1人の3人の子どもの母。大学生2人の年間授業料だけで220万円もかかってたいへん!

 

私立中学の受験費用は? 奨学金は頼りにできる?


生島 私立中学受験は考えていますか?

市川 本人がやりたいといえば私立受験も考えます(※1)。でも、塾代が高そう。

生島 ファイナンシャルプランナーの氏家さんによれば、小4~小6の塾代は、3年間で200万~230万円くらいだそうです。入学後の授業料も考えると、費用を準備しておく必要がありますね。

市川 塾代だけでそんなにかかるんですか……。そういえば、夫は奨学金の返済をしているんです。いざというときには奨学金も頼りにしていいんでしょうか?(※2)

生島 確かに、今は半分以上の大学生が奨学金を借りているようですね。でも、すべての教育費を奨学金に頼ろうとすると、卒業後に返済する子どもがたいへんになります。この先、お子さんをこんな学校に通わせられたら、というイメージはありますか?

藤村 中学、高校は公立だと助かりますね。学力の高い公立高校に入れれば、大学受験の対策も学校でしてくれそうですし。最近は、都立の中高一貫校にも注目しています。大学は私立で多少お金がかかってもしかたないかな。

市川 私も夫も高校まで公立で、大学は私立。私立中学に行くかは分からないけど、子どもに自分たちと同じ程度の教育は受けさせてあげたいなと思っています(※3)。

生島 公立・私立の選択や最終学歴について、そう考える方は多いですね。

市川 お金がないから子どもをお金のかからないコースに進ませるのではなく、親の働き方やレジャーのしかたなどを変えて、教育費に回すお金が増えるようにしていきたいと思いました。

 

※1 子どもがやりたいっていったら、私立中学受験させてしまうかも!?

子どもの教育費全体を押し上げる原因ともなる私立中学受験。まず、小学3、4年から塾に通う費用が受験までに合計200万円程度かかり、私立は中高一貫が多いので、中学・高校の6年間、年間100万円以上の教育費を払い続けることになります。

その間にも18歳で大学に進学するための費用は、別に貯め続けていく必要があります。公立の中学・高校に通わせる場合に比べて家計にはかなり負担になるので、周りに流されてあまりよく考えずに受験させてしまうと、将来的には家計破綻につながりかねません。

 

※2 奨学金って、頼りにしていいものなの?

日本学生支援機構によると奨学金の受給率は、平成26年に50%を超えました。しかし、入学金、授業料、1人暮らしの生活費と、すべての費用を奨学金で賄うと、卒業後の返済の負担が重くなってしまいます。ベースとなる入学金、授業料の部分だけでも親が準備して、そのほかの必要になる費用を本人が借りる程度にしたほうがいいでしょう。

 

※3 自分と同じくらいの教育を受けさせたい

「自分が親からしてもらったのと同程度の教育を受けさせてやりたい」「母校に子どもを入れたい」という願望を持つ親は少なからずいます。しかし、私たち世代の収入は増えず、教育費は上がる一方ですし、世の中の状況や教育事情は刻一刻と変わっています。自分が受けた教育とこれからの子どもの進路は切り離して考えていきましょう。

※教育費のデータは、文部科学省 平成26年度「子供の学習費調査」の学校教育費と学校給食費の合計額、日本学生支援機構「平成26年度 学生生活調査」の支出(学費と生活費を足した数字)、東京都専修学校各種学校協会「平成28年度 学生・生徒納付金調査」を参照。

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Information

教えてくれたのは:氏家祥美さん
ファイナンシャルプランナー。ハートマネー代表。キャリアコンサルタントの資格も持ち、お金・仕事・生活時間のバランスが取れた「幸福度の高い家計」作りをサポートしている。著書は『子どもの年代別大学に行かせるお金の貯め方』(PHP研究所)など。大学生と中学生の子どもの母。

イラスト=西村オコ 編集協力=生島典子

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