「外貨預金」が資産防衛になる!複数の通貨に分散してリスクを軽減/誰か教えて!一生にかかるお金の話 (5)

「マネーDr.」ルーシーと、将来に不安を抱える人々の物語。
東京・銀座のあるビルの5階。エレベーターを降りると、そこにはルーシー先生のオフィス「ルーシー・マネークリニック」があります。独立系ファイナンシャル・プランナーとして活躍するルーシー先生は、結婚や出産、住宅ローン、子どもの教育費、そして老後の資金計画まで、ライフプランに応じて必要となるお金について、丁寧かつ分かりやすくアドバイスしてくれます。
「お金の相談に来たのに、人生相談もしてもらった感じです」これは、相談者たちがよく口にする言葉。そんなルーシー先生に会いたくて、今日もまた新たな相談者がオフィスを訪れます。
※本記事はチーム★ライフプラン研究会(著)、花田敬(監修)の書籍『誰か教えて! 一生にかかるお金の話 改訂版』から一部抜粋・編集しました。
この記事に登場する人たち
北欧スタイルのオフィスの一番奥に座る女性。それがルーシー先生。年齢は40代前半。出産を機に金融機関を退職。独立系のファイナンシャル・プランナーとして、この銀座のオフィスをオープンさせました。
中学生の子どもを持つワーキングマザーでもあります。
吉沢京子さん(53歳)は中小企業の社長さんの奥様。老後に向けて「資産運用」を考えているのですが、ちょっと自信がありません。
外貨を持つことが資産防衛になる!
外貨の魅力は、高金利だけではない。グローバル化のなか、資産を守ることができる。
これからは「円だけ」ではリスクになる
(ルーシー先生)まず、吉沢さんご自身が、いまとくに興味がある金融商品から見ていきましょう。どんなものがありますか?
(吉沢さん)最近、勧められて興味を持ったのが「外貨」です。いまの日本の低金利を見ると、海外の高金利の通貨で預けたほうがはるかに得だなと思うんですよね。実際、どうなんでしょうか?
(ルーシー先生)ご家庭の資産の何割かを「外貨」で持つということは、ぜひ私もお勧めしたいですね。金利としても魅力的だし、あともうひとつ、ご家庭の資産を守る上で、日本円以外の通貨を持つのは、とても有用です。
(吉沢さん)ドルやユーロ、豪ドルなど、いろいろな通貨を持っておいたほうがいいってことですか?
(ルーシー先生)いまのようにグローバル化が進んでくると、「円」だけの資産ではリスクが高くなってしまうんです。
(吉沢さん)「財政破綻の危機!」とか、最近、よく聞きますものね。海外では、そうしたことは実際に起こっているようですし。
(ルーシー先生)日本にだって、万一、起こらないとも限りません。そうなったとき、日本円だけでは、非常に心もとない。それを回避するために、日本円以外に、ドル、ユーロなど、数種類の通貨をバランスよく持つことが大切なのです。
◆通貨も分散する

(吉沢さん)それなら、どこかの国がおかしくなっても、別の国の通貨でなんとか補えそうですものね。
(ルーシー先生)その一方で、「外貨」には注意すべきことがあります。それは「為替のリスク」です。
(吉沢さん)為替のリスクってことは、「円高」や「円安」などですか?どちらかになると、預貯金が目減りしてしまうとか?
(ルーシー先生)その通りです。ここで簡単に「円安」と「円高」について説明しますね。
外貨預金で利益が出るのは、「円安」か「円高」か?
(ルーシー先生)たとえば、マクドナルドのビッグマックがアメリカで3ドルで売られているとしましょう。1ドル=100円ならば、300円で買えます。では、その後、1ドル=150円になったとき、そのビッグマックを買うのに、日本円でいくら必要でしょうか?
(吉沢さん)1ドル=150円だから、450円ですね。ということは、以前は300円で買えたものが、450円出さないと買えないってわけですね。つまり、よりたくさんの「円」が必要になる。
(ルーシー先生)同じものを買うのにより多くの「円」が必要ということは、ドルに対する円の価値は下がったといえますね。つまり、ドルに対して「円安」になった。
◆円安とは?

(吉沢さん)逆に1ドル=80円になった場合は、ドルに対して「円高」になった、となるんですね。
(ルーシー先生)ええ。同じものが、より少ない円で買えるのですからね。つまり、それだけドルに対する円の価値が上がったということです。
◆円高とは?

(ルーシー先生)最初の吉沢さんの質問に戻りましょう。外貨預金で損失が出るのは、円高と円安、どちらでしょうか?
(吉沢さん)「円高」のときじゃないかしら。たとえば、100ドル預けていた場合、円高で1ドル=100円から80円になったときに日本円に換金したら1万円が8000円になり、2000円のマイナスですもの。
(ルーシー先生)その通りです。それを「為替差損」といいます。逆に、1ドル=120円になれば、1万2000円になって、2000円のプラスになりますよね。これを「為替差益」といいます。
◆為替差益と為替差損

(吉沢さん)外貨って、日本円に換金するときに、円高・円安の影響を受けてしまうんですね。
(ルーシー先生)いくら金利が高くても、為替差損が出てしまえば、結局、資産が目減りしてしまいます。なので、外貨を扱う場合には、為替の動きをしっかりと見ておく必要があります。
(吉沢さん)預けっぱなしで安心しきっちゃいけないんですね。
(ルーシー先生)といっても神経質になる必要はありませんよ。そうした為替のリスクを減らすためにいくつかの通貨に「分散」すればいいのです。これは、ひとつの重要なポイントです。
(吉沢さん)わかりました。いまのお話で、「外貨」の活用の仕方がだいぶ見えてきた感じです。思っていたほどハードルの高いものではないんですね。私でもできそうです。
(ルーシー先生)同じように、「株」や「債券」といったものも、その基本的な特徴がわかれば、決して「私には無理!」ってものではなくなると思います。
【監修者紹介】
花田 敬(はなだ たかし)
チーム★ライフプラン研究会代表。イーエフピー株式会社代表取締役、(一社)法人クレジットカード相談士協会代表理事。1996年にソニー生命保険から独立。以降、「金銭教育は社会貢献」をテーマに、マネーセミナー講師の育成に努め、多くの門下生を輩出している。また、2010年から2025年までの15年間、関東学園大学の非常勤講師として培った知識と経験を武器に、講師として活躍中。大手銀行、生命保険会社、損害保険会社、証券会社、大手住宅メーカーなど、幅広い企業のコンサルティングや社員研修、セミナー、講演活動を積極的に展開。著書も多数刊行し、業界内外で高い信頼を得ている。
【編著者紹介】
チーム★ライフプラン研究会
全国のファイナンシャル・プランナーの有志が集い、ライフプランとマネープランの重要性を広く啓発・普及するために活動する研究会。各地で開催されるマネーセミナーにおいて、講師として実績を積みながら、未来の豊かな生活設計をサポートする取り組みを展開している。
※本記事に掲載している情報は2025年3月時点のもので、変更になる場合があります。
著=チーム★ライフプラン研究会、花田敬/『誰か教えて! 一生にかかるお金の話 改訂版』
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