リターンほどほど、リスクは低め。「債券」は運用ビギナーにも始めやすい!?/誰か教えて!一生にかかるお金の話 (6)

「マネーDr.」ルーシーと、将来に不安を抱える人々の物語。
東京・銀座のあるビルの5階。エレベーターを降りると、そこにはルーシー先生のオフィス「ルーシー・マネークリニック」があります。独立系ファイナンシャル・プランナーとして活躍するルーシー先生は、結婚や出産、住宅ローン、子どもの教育費、そして老後の資金計画まで、ライフプランに応じて必要となるお金について、丁寧かつ分かりやすくアドバイスしてくれます。
「お金の相談に来たのに、人生相談もしてもらった感じです」これは、相談者たちがよく口にする言葉。そんなルーシー先生に会いたくて、今日もまた新たな相談者がオフィスを訪れます。
※本記事はチーム★ライフプラン研究会(著)、花田敬(監修)の書籍『誰か教えて! 一生にかかるお金の話 改訂版』から一部抜粋・編集しました。
この記事に登場する人たち
北欧スタイルのオフィスの一番奥に座る女性。それがルーシー先生。年齢は40代前半。出産を機に金融機関を退職。独立系のファイナンシャル・プランナーとして、この銀座のオフィスをオープンさせました。
中学生の子どもを持つワーキングマザーでもあります。
吉沢京子さん(53歳)は中小企業の社長さんの奥様。老後に向けて「資産運用」を考えているのですが、ちょっと自信がありません。
債券は、リターンはほどほど、リスクは低め
債券は借金の「借用書」。いずれ利息つきで返してもらえる。
「利息」分が、利益になる
(ルーシー先生)じゃあ、まず「債券」から見ていきましょうか。「債券」とは、簡単にいえば「借用書」です。国や地方自治体、会社などがお金を貸してくれた相手に対して発行するもの。
(吉沢さん)つまり、「国債」を買うってことは、国にお金を貸してあげるってことになるんですか?
(ルーシー先生)そう。「地方債」は地方自治体に、「社債」は会社に、お金を貸してあげることになります。
(吉沢さん)お金を貸すってことは、いずれ返してもらえるってことですね。
(ルーシー先生)基本的にはそうです。返すことを借主が保証しています。そして、お金を貸してあげるんだから、利息ももらえます。その利息分が吉沢さんの利益になるわけです。
◆債券を購入すると……
債券価格100万円・利率2%、満期5年の債券を購入すると……

(吉沢さん)貸したお金は戻ってきて、しかも利息までつく。外貨預金の為替差損みたいなリスクはなさそうですね。
リスクは低いが、ゼロではない!
(ルーシー先生)でも、債券はリスクゼロというわけではないんですよ。たとえば借りた人が自己破産してしまえば、借金の回収は難しくなるでしょう。
(吉沢さん)つまり、国や地方自治体などがつぶれてしまったときには、戻ってこなくなる。
(ルーシー先生)そうした状況を「デフォルト(債務不履行)」といいますが、決して可能性はゼロではありません。
(吉沢さん)債券を購入するときには、ちゃんとお金を返してくれるか見極めることが大事なんですね。
債券を途中で売却するなら、金利の動向に注目!
(ルーシー先生)債券は、満期まで持つだけでなく、途中で売却することもできるんですよ。
(吉沢さん)途中で売ってしまっても、債券の利益って得られるんですか?
(ルーシー先生)タイミングさえ適切だったら、大丈夫です。途中で売る場合、最初に買った金額とは異なる「債券価格」というもので売買されます。その価格が買ったときより上がっていれば、利益が得られるでしょう。
(吉沢さん)安く買って、高く売る。なんだか株みたいですね。
(ルーシー先生)「債券価格」は、「金利」の動向と面白い関係があります。金利が下がれば債券価格が上がり、金利が上がれば債券価格が下がるという、逆の相関関係になるんです。この関係でいけば、買ったときより金利が下がっているときが、売却のチャンスとなります。債券価格がアップしている可能性大ですからね。逆に、金利が上がってきたら、満期まで持っていたほうがいいということになります。
◆金利と債券価格の関係

(吉沢さん)金利の動きをよく観察しておくと、債券の売りどきをつかめるってわけですね。「債券」ってさほどややこしいものではないんですね。運用ビギナーの私でも挑戦できそう。
【監修者紹介】
花田 敬(はなだ たかし)
チーム★ライフプラン研究会代表。イーエフピー株式会社代表取締役、(一社)法人クレジットカード相談士協会代表理事。1996年にソニー生命保険から独立。以降、「金銭教育は社会貢献」をテーマに、マネーセミナー講師の育成に努め、多くの門下生を輩出している。また、2010年から2025年までの15年間、関東学園大学の非常勤講師として培った知識と経験を武器に、講師として活躍中。大手銀行、生命保険会社、損害保険会社、証券会社、大手住宅メーカーなど、幅広い企業のコンサルティングや社員研修、セミナー、講演活動を積極的に展開。著書も多数刊行し、業界内外で高い信頼を得ている。
【編著者紹介】
チーム★ライフプラン研究会
全国のファイナンシャル・プランナーの有志が集い、ライフプランとマネープランの重要性を広く啓発・普及するために活動する研究会。各地で開催されるマネーセミナーにおいて、講師として実績を積みながら、未来の豊かな生活設計をサポートする取り組みを展開している。
※本記事に掲載している情報は2025年3月時点のもので、変更になる場合があります。
著=チーム★ライフプラン研究会、花田敬/『誰か教えて! 一生にかかるお金の話 改訂版』
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