【すごすぎる音楽の図鑑】口伝でしか継承できなかった音楽。世界最古の楽譜はどこに記された?

グレゴリオ聖歌のネウマ譜

ヴァイオリンも目立ちたい! オペラに夢中なバロック時代に登場した協奏曲/マンガでわかるクラシック音楽の歴史入門(1)
『音のひみつがすべてわかる! すごすぎる音楽の図鑑』 1回【全10回】


音楽の世界ってこんなに豊かで奥深い!

音楽の起源や楽譜の読み方など、意外と知っているようで知らないことって多いですよね。
そんな楽器を習っていない子どもや大人でも楽しめるような知識を、日本でいま注目されているピアニスト・指揮者の反田恭平さんと、奈良を中心に活動する楽団「ジャパン・ナショナル・オーケストラ」が教えてくれます。

単なる楽器や作曲家の紹介にとどまらない、現役の演奏家ならではの感性を取り入れたトリビアをぜひお楽しみください!

※本記事は反田恭平(監修)、ジャパン・ナショナル・オーケストラ(著)の書籍『音のひみつがすべてわかる! すごすぎる音楽の図鑑』から一部抜粋・編集しました。


世界最古の楽譜譜はお墓に彫られていた!?

楽譜が存在しなかった頃、、音楽は口伝えでしか残すことができませんでした。歌を書き記して残そうとした楽譜として、現在残っている一番古いものは、トルコの都市近郊で発掘された「セイキロスの墓碑銘(ぼひめい)」と呼ばれるものです。ギリシャ語で書かれた歌詞と音の長さ、高さを示す記号が記されています。

中世のヨーロッパでは、教会で歌うグレゴリオ聖歌を伝えるために、ネウマ譜というものが使われていました。初期は歌詞の上に、音の上がり下がりを記入しただけのものでしたが、11世紀になると4本の譜線を使って音の高さや長さを示すようになりました。

▶セイキロスの墓碑銘

セイキロスの墓碑銘


▶グレゴリオ聖歌のネウマ譜

グレゴリオ聖歌のネウマ譜


今のような五線譜の形が整ってきたのは17世紀に入ってから。この頃になると音符の形も現在に近いものになり、様々な音楽が楽譜に記されるようになりました。五線譜以外にも、ギターなどで使われるタブ譜や邦楽器の縦譜、三味線の数字譜など、楽器の特性に合わせた楽譜もあります。

五線譜以外の楽譜

▶琴の縦譜
数字は糸の番号を表す。

琴の縦譜


▶ギターのタブ譜
横線は6本の弦、数字は押さえる場所を表す。

ギターのタブ譜


▶三味線の数字譜
横線は3本の糸、数字は押さえる場所を表す。

三味線の数字譜


豆知識

バッハは楽譜の中に自分の名前「BACH」をドイツ音名(シb-ラ-ド-シ)で入れたり、宗教曲の中に十字架の形に見える音型を忍ばせるなど、楽譜の中に暗号やメッセージを組み込むことを好んでいました。

監修=反田恭平、著=ジャパン・ナショナル・オーケストラ/『音のひみつがすべてわかる! すごすぎる音楽の図鑑』

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