自宅学習で大切なのは「できることから」と「日々の学習習慣をつける」こと

不登校の児童は増え続け、令和5年度の文科省の調査によると全国で30万人を超えています。
元小学校教諭の福田遼さんは、憧れの教員となったものの「不登校の現状」に直面。その後、よりよい支援の形を模索するため教員を辞め、世界18カ国の教育現場を回りました。
その経験をもとに、不登校支援に特化した無料のオンラインフリースクール「コンコン」を設立。子どもたちが自分の進みたい方向を見つけ、一歩踏み出す自信を育めるように日々活動しています。
本記事では、福田さんが培ってきた知識と経験をもとに、子どもが自信を取り戻し、将来を前向きに生きていくためのヒントをご紹介します。
「学校に行ってほしい」と願う方、「いろいろ試しても再登校が難しい」と感じている方、登校をしぶる朝が増えて心配な方へ、不登校を新しい可能性へとつなげる視点をお伝えします。
※本記事は福田遼(著)の書籍『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』から一部抜粋・編集しました。
Q:「学習が大きく遅れています」
A:大切なのは日々の学習習慣。「できること」から始めよう
再登校への大きな壁のひとつですね。とくに、不登校が長期化すると、学習の遅れも大きくなり、もう取り戻せないのではないか、と焦る気持ちも生まれるでしょう。
僕らのフリースクールでは、まず2学年前からの学力テストを実施して、現状の学力をチェックします(希望者や受験等で必要がある児童生徒にのみ実施)。使用しているのは、東京都が提供する「東京ベーシック・ドリル」。一般の方でもダウンロード可能ですから、ぜひ試してみてください。
このテストで得点が8割以下だった場合、該当学年ではなく2学年前の内容から、スモールステップで学習計画を立てていきます。十分得点できるようになれば、次の学年へと進んでいきましょう。
ご自宅で学習を行う場合は、基本的には学校教材を活用して学習する形で十分だと思いますが、プラスアルファとして、インターネット上で提供されている無料教材などを活用するのもおすすめです(※)。単元別の解説動画や、ゲーム感覚で学習できる無料のアプリケーションなどもあり、フリースクールでもよく活用しています。
自宅学習を行ううえで大切なのは、「できること」から行うこと。 周りの子の学力に追いつこうと無理をするよりも、日々の学習習慣をつけるほうが大切です。
今のお子さんにも軽々とできそうな具体的な学習活動を提案して、トークンを使って楽しく継続していきましょう。たとえば、「漢字ドリル1ページで1P、15分読書で1P。5Pで30分動画を見ていいよ」などですね。ポイントをあげるときには、しっかりコンプリメントも伝えてください。
勉強をする。人に認めてもらえる。このくり返しで、お子さんの中には「自分は勉強ができている」という実感が生まれていきます。次第に、勉強の時間がお子さんの中で習慣化し、苦手意識も薄くなっていくはずです。
もし、再登校の準備段階ならば、参加する予定の授業内容を事前に先生に聞いて、予習をしていくのも効果的です。教科書を読んでおいたり、その単元で必要な予備知識を頭に入れておくと、久しぶりの授業でもついていきやすくなると思います。
※僕たちのフリースクールではYouTubeで学習動画を無料公開している葉一さんの「とある男が授業をしてみた」や、葉一さんの運営するWEBサイト「塾 チャンネル」、また、教科書に対応したICT教材を提供する「eboard(イーボード)」などをおすすしています。
著=福田遼/『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』
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