性犯罪者は優しい大人のふりで子どもに接近。専門家が語る恐ろしい『グルーミング』の手法

子どもへの性犯罪の報道が後を絶たない今日このごろ。性被害のニュースを目にするたび、不安になる親御さんも多いかと思います。
特に近年問題になっているのが、「チャイルドグルーミング」。SNSや学校・塾などを通して子どもに近づき、少しずつ信頼を得ながら支配していく手法です。この加害者は、最初から悪意をむき出しにして子どもの前に現れるわけではありません。最初は「優しくて話しやすい大人」「頼れる先生」などの顔で近づき、気づけば子どもをコントロール下に置いてしまうのが特徴です。
この「チャイルドグルーミング」をテーマに、漫画家ののむ吉さん(@nom11kuma)が描いたコミックエッセイ『娘をグルーミングする先生』が、注目を集めています。この作品では、実際の被害の実例に基づいたグルーミングの「5つのプロセス」について描かれています。
この記事では、そのグルーミングのプロセスについて詳しくご紹介します。 一見、子どもとの信頼関係を築こうとする丁寧なやり取りの中に、どんな「危険のサイン」が潜んでいるのでしょうか。この作品の監修を担当した精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳先生(西川口榎本クリニック副院長)の解説と併せてご紹介していきましょう。
グルーミングの5つのプロセス
斉藤先生によると、性的グルーミングとは、「搾取される側に、その相手とまるで特別な関係があるかのように思い込ませる環境を、搾取する側が作り出すこと」を言うそうです。この過程には5つのプロセスがあるとのこと。『娘をグルーミングする先生』の中でも描写されている、グルーミングの具体的なプロセスは次のとおりです。
【1】被害者の選択
手なずけられそうな子どもを選別する。(孤立している、母子家庭など)

【2】子どもにアクセスし、分離を進める
自分だけが味方であるかのように振る舞い、ターゲットを家族や友人から孤立させる


【3】信頼を発展させていく
子どもの話を受容、共感、傾聴し、信頼関係を築く。子どもは加害者に信頼感や恋愛感情を抱く。

【4】身体的接触に鈍麻させる
マッサージをする、くすぐるなど、一見性的には見えない接触を通して性的な刺激に慣れさせていく。

【5】虐待後の維持行動
子どもが被害を口外しないよう「愛している」などやさしい言葉を囁いて加害行動を継続する。

このように加害者たちは時間と手間をかけて少しずつ子どもへの加害に及びます。
「これらの加害行為を達成するための戦略として、彼らが最も大切にしているのが『やさしさ』です」と斉藤先生は解説します。
「とにかく、彼らは異常にやさしい。カウンセラー顔負けの受容力・共感力・傾聴力で、子どもと信頼関係を地道に根気よく築いていきます。それは時にはSNSを使って、朝起きて『おはよう』から始まり、夜眠る『おやすみ』まで丁寧に寄り添い、絶対に子どものことは否定しない。そして、性的意図はできるだけ隠しながら接近します。やがて彼らは子どもたちにとっての唯一の『ひだまりのような存在』になっていくのです」
『娘をグルーミングする先生』で描かれる子どもへの接近

コミックエッセイ『娘をグルーミングする先生』の作中でも、このプロセスを辿って38歳の塾講師・森は16歳の小春に近づいていきます。母親がシングルマザーで多忙のため、成績が落ちたことを相談できずにいた小春の孤独につけこんで、森は巧みに距離を詰めていきます。問題を解くことができたときに頭を撫でる、居残り勉強をしながら塾で一緒におにぎりを食べる、マッサージをしてあげるといって手に触れるなど…。

塾に通うことで成績が上がってきた…と母親も喜んでいる間に、着々と森は小春の心を支配していきました。ふたりの交際を知って母親は猛反対し、小春の反発を招いてしまいますが、それすらも森にとっては好都合だったのです。
このようなグルーミングの手法を漫画を通して知ることで、私たちは「やさしさ」の裏に潜む危険に気づくことができます。些細な違和感にも対処していくことができるように、加害者たちが使う手段を親子で学んでおきましょう。
※本記事はのむ吉著、斉藤章佳監修の書籍『娘をグルーミングする先生』から一部抜粋・編集しました。
文=レタスユキ
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