「温かい手の中で旅立ったんだ」ミケちゃんを外敵から守ってくれていたボス猫

シロちゃんのお話

いつも笑顔な猫が来て10年。「やすらぎさん」とミケちゃんが繋ぐ出会いの物語/続 ミケちゃんとやすらぎさん(1)
『続 ミケちゃんとやすらぎさん』 5話【全6話】


Xでは6万フォロワーを獲得し大人気! 千葉県市川市の鍼灸マッサージ治療院「やすらぎ治療室」で暮らす看板猫・三毛猫のミケちゃんをご存知ですか?

生まれつき後ろ足が一本ない野良猫のミケちゃんは、嵐の夜をきっかけに院長の冨森猛さん(通称やすらぎさん)の店猫として暮らすようになりました。

持ち前の「ひまわりスマイル」で、たくさんのお客さんに元気を与えてきたというミケちゃん。多くの人と関わり助け合って、病気とも向き合いながら今を生きています。

そんなミケちゃんとやすらぎさんが紡ぐ、繋がりの物語をお送りします。

※本記事はやすらぎさん、にごたろ著の書籍『続 ミケちゃんとやすらぎさん』から一部抜粋・編集しました。


シロちゃんのお話

地域のボス猫だったシロちゃん。外猫時代のミケちゃんに店先でごはんを与えると、ミケちゃんは必ず半分残して裏にいるシロちゃんを呼びに行っていました。
そのお返しにとシロちゃんは足にハンデのあるミケちゃんを外敵から守ってくれていました。
ミケちゃんが治療室内で暮らすようになった2016年の晩秋、いつもは見かけないエリアの駐車場でうずくまっていたシロちゃんの姿が…。

以前は僕が近づくとサッと逃げていたのに、その日はそばに寄ってもじっとしたままでした。それがシロちゃんを見る最後の日になってしまいました。
「どこかに姿を隠して人知れず死んでいったのかな…」その駐車場の前を通る度に切ない気持ちになっていました。

しかし、実際は駐車場の近くにお住まいの方々が、元気のなくなったシロちゃんのお世話をして看取ってくださったのでした。当時お世話をして頂いていた方のおひとりの息子さんが内科医で、ご実家を改装して開業され、僕の治療室に挨拶に来られた時にシロちゃんの話を切り出されたのです。

「シロちゃんは孤独に死んでいったんじゃなかったんだ…。人間の温かい手の中で旅立っていったんだ」思わず込み上げてくるものがありました。
息子さん(藤田充先生)は在宅診療もされているとのことでしたので、母の診察をお願いしました。優しく明るい藤田先生が母は大好きでした。
母は膵臓がんを患って2023年の春に亡くなったのですが、藤田先生は主治医として母を看取ってくださいました。

地域のボス猫だったシロちゃん

当時お世話をして頂いていた方のおひとり


著=やすらぎさん、にごたろ/『続 ミケちゃんとやすらぎさん』

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