【保存版】コンフィとは?アヒージョやローストとの違い、低温でしっとり仕上げる理由
フランス語で「保存する」という意味を持つ伝統技術
「コンフィ(confit)」という言葉は、フランス語の動詞「コンフィル(confire)」に由来しており、日本語では「保存する」という意味を持ちます。

この調理法が生まれたのは冷蔵技術がまだ発達していなかった中世まで遡ります。最初に使われたのは、果物を砂糖の中で調理・保存する「フリュイ・コンフィ」(砂糖漬けの果物)です。その後、同じ原理が肉類に応用され、肉を長期保存するための実用的な手段として発展していきました。肉に塩とハーブをまぶし、油脂の中で低温加熱した後そのまま冷ますことで、凝固した油脂が食品を覆い空気や水分を遮断して保存性を高めるのです。
低温の油でじっくり火を通す調理法
コンフィの調理の原理は、食材を油に浸し、70℃から90℃程度の低い温度を保ちながら、時間をかけてじっくりと煮込むことです。
この低温でゆっくりと加熱する工程が、コンフィ最大のポイントです。肉のタンパク質がゆるやかに変性するため、繊維がほぐれ、フォークで軽く押すだけでほろりと崩れるような食感になります。また、油で密閉されるため、肉汁や旨味成分が外に逃げず、素材本来の美味しさが最大限に引き出されます。

現代では、その美味しさから保存食としてだけでなく、特別な日のディナーやおもてなしにもぴったりな料理として人気を集めています。
アヒージョとの明確な違い:温度帯や目的の差
コンフィと同じように油で煮る料理に「アヒージョ」がありますが、この2つは目的や調理法に明確な違いがあります。

コンフィは「旨味を閉じ込める料理」であり、アヒージョは「香りを楽しむ即席料理」だと考えると、それぞれの美味しさが際立つ理由が理解できますね。
自宅でできるコンフィの基本の作り方とポイント
コンフィ作りは時間がかかりますが、工程自体はシンプルで、ご家庭でも十分に挑戦できます。
必要な材料
コンフィに使う油は、上質なオリーブオイルやラードが一般的です。健康志向の方は、オレイン酸が豊富なオリーブオイルを使うのがおすすめです。

食材としては、鶏肉(骨付きもも肉が定番)や豚肉、砂肝などの肉類、牡蠣やイワシなどの魚介類、長ねぎやジャガイモなどの野菜と、幅広い食材が使われます。
また、風味付けには塩、にんにく、ハーブ(ローズマリー、ローリエ、タイムなど)を用意しましょう。
基本の調理プロセス
1.下準備(マリネ):食材(肉や魚)に塩やハーブ、スパイスをしっかりとまぶし、冷蔵庫で数時間~半日(または一晩)寝かせて臭みを取り、味を染み込ませます。この下準備が味を深くする重要なステップです。
2.低温で加熱:鍋やフライパンに食材を入れ、食材が完全に浸るまで油をたっぷりと注ぎます。火にかけ、油の温度を70℃~90℃(油が静かにふつふつと泡立つ程度)に保ちながら、2~3時間かけてじっくりと煮込みます。食中毒防止のため、必ず中心温度計で確認することをおすすめします。
3.仕上げ:火を止めたら、そのまま油の中で冷まします。食べる直前にフライパンで表面をカリッと焼き上げると、外はパリッと香ばしく、中はほろほろの食感が楽しめます。
鍋での温度管理が難しい場合は、オーブンを使う方法もあります。耐熱容器に食材とオイルを入れ、温度と時間を設定して加熱すれば、失敗が少なく手軽に作れます。
余った油の活用法
コンフィを作った後に残った油には、食材やハーブの旨味がたっぷり溶け出しています。この油は捨てずに、バゲットにつけたり、キノコのアヒージョにしたり、パスタソースに使ったりと、さまざまなお料理にアレンジして無駄なく活用できます。
お手軽!家庭で作れるコンフィのレシピ2選
レタスクラブから、作り置きにもぴったりなさばのコンフィと、とりもも肉で手軽に作れる鶏肉のコンフィのレシピをご紹介します。

さばのコンフィ
【材料(作りやすい分量)】
さば…4切れ(1尾分)、にんにく…1片、パセリ…1枝、ローリエ…1枚、塩、黒粒こしょう、サラダ油
【作り方】
1.さばに塩小さじ1強をまぶして約10分おき、ペーパータオルで水けを拭く。にんにくは包丁の腹で軽く潰す。
2.フライパンにさばを皮目を上にして入れ、にんにく、粒こしょう5粒、パセリ、ローリエを入れる。さばをおおうくらいまで油を注ぎ、火にかける。ふつふつしてきたら弱火にし、約12分煮る。魚の厚みによって加熱時間は調整し、必要に応じて中心温度計で確認してください。火を止め、そのままおいて完全にさます。

(全量で(油を除く):1130kcal、塩分5.4g 調理/瀬戸口しおり 栄養計算/スタジオ食)

とり肉のコンフィ
【材料・2人分】
〈ハーブチキン(作りやすい分量)〉
とりもも肉…200〜250g×4枚、タイム(生、またはドライ)…5本、ローリエ…1枚、塩、サラダ油
〈とり肉のコンフィ〉
ハーブチキン…1と1/2枚(でき上がり分より使う)、ハーブチキンの油…3/4カップ(でき上がり分より使う)、長いも…1/3本、クレソン…適宜、塩、粗びき黒こしょう
【下ごしらえ】
1.ハーブチキンを作る。とり肉は厚い部分に切り目を入れて開き、厚みを均一にする。タイムは茎を除き、塩小さじ2ととり肉にまぶしてバットに入れ、ローリエをのせて3〜4時間冷蔵庫に置く。出てきた水分をペーパータオルでふく。

2.厚手の鍋(直径22〜24cm)に1をローリエごと入れ、油2と1/2カップを注ぎ、弱めの中火にかける。油が白くなり、大きな泡が少し出たらふたをしてごく弱火にし、途中で返して約30分煮る。そのまま粗熱をとる。

油が白く濁り始め、大きな泡が1つ、2つ上がってきたら、ごく弱火にする。
【作り方】
1.長いもは皮つきのまま3〜4cm長さ、1cm角に切る。
2.フライパンに1とハーブチキンの油を入れて熱し、中温(約170℃)で5〜6分揚げ焼きにする。全体に焼き色がついたら取り出して、塩、こしょう各少々をふる。
3.2のフライパンをきれいにし、油をひかずにハーブチキンの皮目を下にして入れ、弱めの中火で両面をこんがりと焼き、余分な油をペーパータオルでふく。
4.食べやすく切って器に盛り、2、クレソンを添える。
(1人分583kcal、塩分2.0g 調理/瀬戸口しおり 栄養計算/スタジオ食)
▶教えてくれた人 瀬戸口しおり先生
料理家。セツ・モードセミナー在学中に、吉祥寺にあったレストラン「諸国空想料理店KuuKuu」のスタッフとして働き始め、同店のシェフであった料理家・高山なおみのアシスタントを経て独立。著書に「私の手料理」(アノニマ・スタジオ)などがある。
さまざまな食材で楽しめるコンフィ。ぜひ伝統的なフランス料理の極上の柔らかさと深い旨味を堪能してみてください。
文=レタスクラブ 監修=齋藤久美子(栄養士)
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