お酒を飲んだあとのシメにラーメンが食べたくなる理由 眠れないほど面白い地球の雑学(98)【連載】

地球はどうやって生まれたのか。気になりませんか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチクで、あなたの雑談を‟スケールアップ"!
『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から、第98回目をお送りします。
◇◇◇
お酒を飲んだあとのシメにラーメンが食べたくなる理由
お酒を飲んだ帰り道、無性にラーメンが食べたくなることがある。つまみや料理もしっかり食べたし空腹なはずはないのに、困ったものだ。あれはいったい、どうしてなのだろう。
人が空腹を感じるのには、血糖値が関与している。通常、食事をすると小腸から吸収された糖質が肝臓で分解されてグルコース(ブドウ糖)になり、血糖値が上がる。すると、脳の視床下部(ししょうかぶ)にある満腹中枢の働きが活発になるため、食欲が満たされたと感じる。
ところがお酒を飲むと、肝臓はアルコールの主成分であるエタノールを処理する作業に入る。肝臓は糖の貯蔵庫のようなもので、ふだんは糖を体に分配する役目を担っているのだが、エタノールの処理に追われて分配ができなくなる。しかも、エタノールの処理のために体内のグルコースが使われるため、体に行きわたる糖が少なくなる。そのため、低血糖状態になって空腹を感じるのだ。
グルコースの供給源になるのは炭水化物なので、それを摂取せよというシグナルが脳に伝わり、何か食べたくなる。また、エタノールには利尿作用があり、飲んだぶんの最大で1.5倍が排泄されるため、体は失われた水分を欲しがる。
エタノールが体内に入ると、脳の活動も鈍って酔っ払った状態になる。脳は活動を正常に戻そうとして、ナトリウムイオンを多くしろと要求する。ナトリウムイオンを多く含んでいるのは「塩」である。
こうして、お酒を飲んだあとは、炭水化物、水分、塩分を欲しくなる。ラーメンは、この三つを兼ね備えているため、無性に食べたくなるのだ。お茶漬けを食べたくなるのも、同じ理由による。お酒を飲んだあとに甘い物が欲しくなるという人もいるが、これも炭水化物としてグルコースの供給源になるためである。
いうまでもないが、飲んだあと、しかも深夜にカロリーの高いものを食べるのは、太るもとだし健康に悪い。過剰な塩分も気になる。適度な水分をとる程度にしておきたい。
著=雑学総研/「人類なら知っておきたい 地球の雑学」(KADOKAWA)
Information
人類なら知っておきたい 地球の雑学
思わず誰かに話したくなる「理系のウンチク」が満載! 職場で家庭で、日々の「雑談」に役立つ、動植物・天体(太陽系)・人体・天気・元素・科学史など、「理系ジャンルネタ」が存分に楽しめる必読の一冊です!
▼単行本情報はこちらから
著者:雑学総研
珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団。江戸時代に編まれた『耳袋』のごとく、はたまた松浦静山の『甲子夜話』のごとく、あらゆるジャンルを網羅すべく、日々情報収集に取り組んでいる。
おすすめ読みもの(PR)
プレゼント応募

「「ノザキのコンビーフ(80g×6 個)」」
そのままでも調理してもおいしいから、ローリングストックに最適!
メルマガ登録で毎週プレゼント情報が届く!
新規会員登録する
読みものランキング
読みものランキングをもっと見る
レシピランキング
レシピランキングをもっと見る
レタスクラブ最新号
レタスクラブ最新号詳細