半数近くが「PTAは不要」と回答。そもそもPTAってどういうもの?もしなくなったらどうなるの?
PTAの活動は必要?
PTAが不要だと思う具体的な理由を聞いた項目では、「一部の父兄に負担をかけるべきではない」「今のかたちでは親にとっては負担にしか思えない」といった、PTAの現状に不満を持つ声が多く聞かれました。中には「そもそもPTAがやっていることで必要だと思うことは一つもありません。」という厳しい意見も。
一方で「必要である」と答えた人も52.7%いました。「子供のためを思えば、PTAの存在自体は必要だと思う。」「先生だけではフォローしきれないこともたくさんある」と、やはり子供たちのために必要という意見が多く聞かれました。
PTAは本来、学校のお手伝いをする組織ではない
保護者からは、さまざまな意見が出てくるPTAですが、実際はどういう組織なのでしょうか? PTAの専門家である“PTAジャーナリスト”の大塚玲子さんにうかがったところ、「本来PTAは、学校の手伝いをするために、日本に導入された組織ではありません」 という意外な答えが得られました。
日本でPTAが生まれたのは、第二次世界大戦が終結した直後の1946年のこと。アメリカからやってきたGHQが、文部省に指導して「父母と先生の会」という組織を作らせ、全国の学校に広がっていきました。それまで完全な国家主義だった日本の教育を、民主主義に変えることがGHQの狙いのひとつだったようです。
現代ではPTAは「社会教育団体」であり、子供たちのためだけでなく、活動を通して大人も学びを得られる「成人教育」の場でもあるとされています。
PTAは実際に何をしてるの?
では、PTAは具体的にどんな活動をしているのでしょうか?
地域や学校によってそれぞれ違いもありますが、まず講演会の企画・開催や広報紙の発行、 バレー大会や バスツアーといったイベント開催など、PTA会員のための活動をしています。
また、運動会やマラソン大会といった学校行事の手伝い、登下校時の見守り、記念品の選定・購入、校舎の清掃や校庭の草刈りなど、子供たちの活動をボランティアとしてサポートすることもよくあります。
子供たちをサポートするものや保護者の学び・コミュニケーションの場として有益な活動ばかりのように思えますが、役員や委員を経験した人からは不満の声もよく聞かれます。アンケートでは「時代に合わない雑務が多いと感じる」「活動時間が平日の日中であり共働き世帯の生活スタイルに合わない」と、前時代的な体制に疑問を感じるコメントが散見されました。
大塚玲子さんも、「子供の数が減り、さらに共稼ぎ やひとり親家庭が増え、専業主婦の世帯は減っています。それにもかかわらず、PTAは昔と変わらない活動内容や量を継続してきたため、いまの保護者の実情やニーズとのかけ離れてしまっているところがあります」と語っています。
PTAがない学校の実態
賛否両論のあるPTAですが、もしも実際になくなったらどうなってしまうのでしょうか?
全国には、実際にPTAのない学校もいくつか存在します。けれど、PTAがなくなってもPTAに代わる「保護者の会」などの組織が活動をしている場合もあるようです。活動内容もPTAとあまり変わらないようですが、「PTA連合の活動に参加しなくてよい」「保護者だけの組織なので自主性が高い」といったメリットもあります。
東京都大田区嶺町小学校のPTO(Parent-Teacher-Organization)は、完全ボランティア制のシステムで、PTAの代わりを担っています。役員の代わりに「ボランティアセンター」が、活動の調整や相談、広報などを行っています。大塚玲子さんは、「大事なのは、入りたくない人を無理やり入れたり、参加したくない人を、無理に参加させないこと」と語ります。できる人だけが参加するPTOは、PTAの理想的な形の1つといえるかもしれません。
PTAをなくしたとしても、実際にはそれに代わる組織を作ることが多く、完全になくすのは現実的ではなさそうです。これからのPTAは、必要か不要かの極論で語るのではなく、時代に合った新しい形が求められているのではないでしょうか。
コメント協力:大塚玲子(PTAジャーナリスト)
ねこリセット
Information
PTAジャーナリスト 。著書に『PTAをけっこうラクにたのしくする本(太郎次郎社エディタス)』『PTAがやっぱりコワい人のための本(太郎次郎社エディタス)』がある。
大塚玲子さんの公式サイト
大塚玲子works
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