ショック!!子どもがいじめられてる⁉ そんなとき親はどうすればいい?【小川大介先生の子育てよろず相談室】
【お悩み】
小4の娘の学校でのお友達関係が、最近難しくなってきています。発端は、クラスの半分以上を勢力下に置いているような力のある女子に対して、娘が「今〇〇ちゃんと喋ってるからあっちに行ってて」と言ってしまったこと。それがどうやら彼女の地雷を踏んでしまったようで、「あいつウザいからハブろう」と言われ、次の時間からクラスのみんなから無視されるようになってしまいました。さらに、娘にわざと聞こえるように悪口を言われたりなど、陰湿ないじめにまで発展。そんな話を聞いて私も胸が痛くなり、もう学校に行かなくてもいいんじゃないかとも思いましたが、とりあえず「明日になったら何か変わってるかもしれないよ」と学校へ送り出しました。先生には電話で話しましたが、「全然気づきませんでした」とのこと。今回は、翌々日にはみんなハブったことを忘れて、元通りに戻ったからよかったのですが、今後このようないじめが長期化したときに、親としてどう対応すればいいのかわかりません。また、「学校に行かなくていいよ」と言ってあげるタイミングも計り兼ねています。(Sさん・39歳)
【小川先生の回答】
■子どもの気持ちに寄り添いつつ、人間理解を深める機会に
問題の本質は、相手のお子さんの闇の深さによると思います。人間関係を壊すタイプの子には2通りあり、その子単体の課題の場合と、家庭の問題が子どもに出ている場合があります。前者は、単にコミュニケーションの仕方が雑だったり、気ままだったりが原因で起こるため、そんなに長引くことはありません。その場合は、「やった方は簡単に忘れるけど、やられた方は忘れないよね」という事実をお子さんと共有しつつ、「でも相手は本当に忘れていると思うので、引きずらない方がいいよね」と、人間理解を教えてあげればいいだけです。
問題なのは後者の場合。両親が不仲だったり、虐待があったりなど、家庭の問題のハケ口として出ているケースだと、そう簡単に解決できるものでもないでしょう。そういう子は、自分より弱い立場の人間を作ることで、自分を保とうとする傾向があります。相手のお子さんはクラスの大半を支配下に置いているということなので、なんとなく闇の勢力が強いような気がしますね。心が不安定な子の言葉というのは強くて洗脳の力があるので、周りも従ってしまうのだと思います。
その場合は、「理不尽で納得のいかない対応をされてるよね」と、お子さんの気持ちを汲んであげたうえで、「彼女も何か大変なのかもしれないよ」と、ちょっとだけ理解を促してあげるといいでしょう。そして、「周りの子たちみんなが、その子の言ってることに共感して動いているわけではなさそうだよ」ということも教えてあげましょう。そうすることで人間理解が深まり、少し生きやすくなる気がします。我が子かわいさに、相手の子を憎みたくなる気持ちもわかりますが、その子にも事情があるという目線は持っておいたほうが、我が子の成長にとってもプラスになると思います。
■体や物に手を出されたら危険信号
「学校に行かなくていいよ」と言うタイミングは、ご家庭それぞれの考えでいいと思います。ただ、ひとつの線引きの目安としては、“つかまれた”、“物を投げられた”、“物を隠された”などの行為があったか否か。そういう子は歯止めがわかっていないので、傷害行為へとエスカレートする可能性があります。また、単なる悪口ではなく、嘘を流布するようになるというのも危険信号。名誉を汚すような噂を流すというのは、明確に危害を加えようとしている証なので、殴るのと同じ次元の行為です。
これらの類は全て傷害行為の予兆なので、ガマンさせちゃダメ。絶対すぐに言うように、お子さんと意思疎通を図っておきましょう。そこまできたら、学校を休ませるなり、クラスを変えてくれるよう学校に要求するなり、学校に対して話をつける段階かと思います。
先生が若かったり、経験値が低かったりする場合は、親の方から教えてあげることも必要かもしれません。「〇〇ちゃんは最近キツイことを言っているので、もしかしたら何か出せないものを抱えているのかもしれない。先生の方から聞いてあげてください」というように伝えてみるもの一案です。話を聞いてわかってくれる大人がいるだけで、その子の心の安定も随分変わってくる気がします。
いじめの問題は根深くて、一朝一夕でどうにかなるものではないかもしれません。でも、子ども、親、先生が普段から連携を図り、お互いに信頼できる環境づくりをしていくことが、解決に導くためにも一番重要なことだと思います。
回答者Profile
小川大介
教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。
京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。
文=酒詰明子
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