家族の余命と向き合う人の心が、少しでも軽くなる対話とは?
新型コロナウィルスの流行で、私たちは否応なしに「命」と向き合う機会が多くなってしまいました。メディアを通じて、不幸にも罹患してしまった方の体験談や、家族を失った方のコメントなどを目にし、不安が募ったり、胸が痛くなったりということもあったと思います。
一方で、ウィルスとは関係なく、別の病気などで入院されていた方や、施設に入居している家族との面会も制限され、残された「最期のとき」を共に過ごすことができなかったと後悔を抱えている方もいらっしゃることでしょう。
大切な家族や身近な人を看病し、看取る立場に立たされた人は、悲しみのなかにいるうえに、「やらなければいけないこと」に忙殺され、心が不安定になってしまうこともあります。
看護師兼僧侶として、多くの方の最期と向き合い、対話をしてこられた玉置妙憂さんは、自著『最期の対話をするために』(KADOKAWA)のなかで、そんな人の気持ちを少しでも軽くするためのポイントを教えてくださっています。書籍に掲載されているふたつの対話例をもとに、どんな言葉をかけるのがよいか考えてみましょう。
■「今は大丈夫」と思えるような会話を心がける

→Bさんは、変わらない過去に目を向けて後悔の念をより強くさせている

→Cさんは、過去から戻ってきて、今のいいところに目を向けている
上に挙げたふたつの対話例は、大切なご家族が余命を宣告され、終末医療を受けることになった方とその知人の会話例です。
私たちが「苦しい」とか「不安だ」と思うことの原因は、厳密に言うと全部、“今”ではなく、過去のことか未来のことです。
たとえば「あと何ヶ月かで命が尽きる」という状態になったら、「これから先どうなるんだろう」と不安に思いますし、怖いことでしょう。
でも、その「どうなるか」は未来のことであって、今のことではありません。気持ちはわかりますが、苦しさも痛みもなく過ごすことができている“今”に目を向けず、未来の不安に覆われたままでいるのはもったいないことだと私は思います。そういうときは、視点を今に置いて、過ぎていく1秒1秒を大事にすることに専念してみてはいかがでしょうか。
また、「あのとき、ああすればよかった」と過去を振り返っても苦しいでしょう。どれだけ強く願っても、過去は変えられません。それなら、今どうするかを考えたほうがいいのです。
心を整理するためには、過去に戻らざるを得ないときももちろんあります。でも、必ず最後は今に戻ること。「今は大丈夫」というところに戻ってくることが大切なのです。
何かにつけて過去や未来に考えが行くのは仕方のないことですが、必ず今に戻るということをルーティーンにして、過去や未来に行ったままにならないようにしましょう。
日常生活でも、私たちはついつい過去の後悔や、未来の不安にとらわれてしまいがちです。自分の考え方はもちろんですが、大切な方が同じように“今”ではない何かにとらわれて苦しんでいたら、「今は大丈夫」ということに気づいてもらえるような会話をこころがけてみてはいかがでしょう。きっと、心が軽くなるはずです。
書籍の中には、このほかにも対話をする際に気をつけたいポイントが紹介されています。いつか迎えるかもしれないその日のために、この機会に学んでみてはいかがでしょう。
著=玉置妙憂/「最期の対話をするために」(KADOKAWA)
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