目の前を虫がチラチラ…もしかして「飛蚊症」かも1
実際には、目の前には何もないのに、なぜか糸くずや虫、ゴミのようなものが浮いているように見える……そんなは経験ないだろうか?「これらは飛蚊症(ひぶんしょう)の典型的な症状で、特に白い壁や青空を見たときに、虫状、糸くず状、ごま粒状、たばこの煙状といった浮遊物が見えるように感じることが多いようです」と、冨田 実アイクリニック銀座院長の冨田 実先生。
■老化や近視が原因
飛蚊症の原因の多くは、老化による生理現象だ。「眼球の内部は、硝子体というゼリー状の物質が大半を占めており、眼球の形を保ったり、目から入った光を網膜に届けたりする役割を持っています。この硝子体は30代ごろから劣化が始まり、やがてさらさらとした液状に変化し、繊維成分が分離します。すると目や頭を動かしたときに、繊維成分や、硝子体の濁りが影となって、糸くずやゴミが浮かんでいるように見えるのです。生まれつき、硝子体が濁っている場合もあります」。
また、近視が原因で起こる可能性もある。「硝子体は、眼球のいちばん内側にある網膜とくっついています。近視の人は眼球が伸びる傾向があるため、網膜が引っ張られて接着部分が剥がれやすくなるのです。例えば頭を打ったなど、何かの衝撃がきっかけで、起こることもあります。近視は飛蚊症だけでなく、緑内障など、さまざまな病気のリスクとなりやすいため、できるだけ進行を抑制させることが必要といえます」。
■対処法は?
では、飛蚊症の症状が現われたら、どのように対処すればよいのだろうか。
「加齢が原因で起こる生理的な飛蚊症に関しては、放置していても失明する、痛みが出るといった問題がないため、特に治療の緊急性はありません。生活に支障がなければ、しばらく様子を見てもよいでしょう。しかし、視界をじゃまする、これにより強いストレスを感じるといった場合は、治療を行なうことをおすすめします。レーザーによる治療が有効で、従来の外科手術より安全といえます。処置は30分ほどで終わり、症状により数回に分けて行なうこともあります」。
■重篤な病気が隠れていることも
症状が強い、増加したという場合は注意が必要だ。「飛蚊症ではなく、網膜剥離など別の病気の可能性も考えられます。目は、片方が見えづらくても、もう片方で補うという性質があるため、進行に気づかないこともあります。そのため、症状を自覚したら、自己判断をせずに、早めに病院で検査を受けましょう」。飛蚊症自体は病気ではないが、重篤な病気が隠れているケースもある。1年に一度は検診を受け、目の健康をキープしよう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】
Information
冨田実アイクリニック銀座院長。専門は眼科。国際眼科学会役員理事。世界でトップクラスの執刀数を誇り、日本初の最新レーザーを導入した眼科手術に定評がある。
イラスト/林 ユミ 編集協力/彦田恵理子
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