【#ねばからの解放】その家事、本当にやらなきゃダメですか? 母たちが3時間自由に過ごしたら

#くらし 
「自由に使える時間がない」のは、家事が終わらないから

自分の時間を持ちにくい子育て世代。レタスクラブが行ったアンケート(※)では、自由に使える時間がないという人のうち、その理由の1位は「家事が終わらないから」という理由でした。 でも果たして、それらは本当にやらねばならないことなのでしょうか。子育て世代の意識に潜む「ねば」の正体を問いかけたYahoo!ニュースとレタスクラブのシリーズ、第5回目では、思い切って「ねば」を手放すことでどんな変化があるのか、ワーキングマザー4人が実験してみました。
(※2020年4月実施、末子の年齢が3歳以上11歳未満の20~40代の既婚女性332人)

教育評論家の小川大介氏によると、自由時間は「何が何でも3時間は確保すること。3時間あれば、ある程度納得感のある取り組みができます」とのこと。そこで今回は3時間の自由時間を設け、「ねば」からの解放を疑似体験。どのような変化があったのでしょうか。

【参加者】
・小林さん
30代2児の母。会社員。夫の親と同居していることもあり、家でひとりで過ごせる時間は基本皆無。義親世帯の家事が発生することもあり、家ではひたすら家事育児。ぼんやりくつろげる時間がなく、精神的にも疲れてしまっている。今回は義親が出かけたタイミングで子どもたちを夫に連れ出してもらい実行した。
・大友さん
30代2児の母。会社員。隙間時間に読む予定の「詰み本」が全く消化されずに1年。日々詰み本の山が高くなっていき、趣味(読書)を楽しむ時間がないことが可視化されているようで疲れが増すとの話し。いつもはPC持参で仕事をしている喫茶店で、今回思い切って3時間「読書だけ」に使ってみた。その分進まなかった仕事は、割り切って翌日へ。
・松田さん
30代2児の母。会社員。夫は不規則かつ出張も多いので日頃はワンオペ育児。仕事と子どもの世話で手一杯で、半年間美容院に行かれていないと嘆く。今回の企画では、夫とスケジュールを入念にすりあわせ、決行日は早めに帰宅してもらうことに。平日終業後の夜に自由時間を確保した。
・近藤さん
40代2児の母。契約社員。体力的にきついと感じる日も多く、パワフルな子どもたちに振り回されてヘトヘトになりがち。夫は激務で寝込む日もあり「休日に子どもをみてもらって自由時間を設ける」のは現実的に難しいため、有休をとったタイミングで3時間は自分のことだけに使った。

母たちが強行突破でフリータイム確保! するとふと気づく、苦しさの正体

(小林)1〜2時間程度の自由時間は日頃もなくもないのですが、「夫と子どもが出かけたからその間床掃除しちゃおう!」と家事をしてしまったり、隙間時間も細々働いてしまう。何で私たちはこんなに、時間を自分のためだけに使わないんですかね。確かに家がきれいになれば、気分はスッキリするけど。

(大友)私は専業主婦だった時期もあり、料理や掃除はしなきゃいけないことだと強く思ってたので、それがしみついていますね。だから今回は、絶対に他のことはしない! という固い決意で喫茶店に籠り、3時間みっちり小説に没頭しました。いつも荷物に文庫本は入っているのに、それが1年以上開かれることはなくカバーだけボロボロになっていく……。なのでそれを読破できた、達成感といったら。

(松田)私は半年以上放置していた髪をどうしかしたくて、美容室に行くって決めました。いつもは隙間時間に行くんですが『子どもたちのご飯大丈夫かな』『ああもう2時間たっちゃった』なんてソワソワ。でも今回は3時間! と決めたことで、気持にも時間にもゆとりがありましたね。

(近藤)でもそういう時間のあとって、家に帰ると部屋がめちゃくちゃだったりしません(笑)?

(松田)はい、それはもう。帰宅すると予想通り、部屋の中がぐっちゃぐちゃ! ご飯を食べた形跡はあるもののお菓子は散らばっているわ、子どもはお風呂上がりにおむつ姿で遊んでいるわ。でも、いつもなら怒るところがリフレッシュして機嫌がいいから「うわ~、すごいね(笑)」ですますことができた。あとは私が「髪切ったんだ~」と楽しそうに話しているのを見て、娘は「次は私も行きたい!」と。「じゃあ次は帰りにふたりでパフェ食べちゃおっか!」みたいに、先の楽しみも生まれました。楽しそうな姿を見せるのも、大事なんですね。だから、こういう時間は必要だなと痛感しました。

(小林)私は夫に子どもを連れだしてもらい、動画配信サービスでドラマ鑑賞。家族がいない静かな部屋でイヤホンしてお菓子食べながら…超幸せだった! でも、この自由が1週間とか1か月続いたら? やっぱり家族がいる時間のほうが楽しいなって思えてきた。家族の良さを再認識する時間でもありました。

(近藤)自分は映画館と鑑賞後のスタバで計3時間。すると帰宅後も幸せ気分が続くんですよね。子どもに対していつもならキーッとなることも笑顔で対応できたり。ただ……耐久時間は意外と短かい(笑)。だから働くママでも1週間に1回とか、頻繁に自分だけのために使う時間があってもいいのでは。

(松田)気持ちにゆとりがないと、見返りがない! というイライラがたまる気もしますね。家族のために片付けてあげてるのに、洗濯してあげているのに! みたいな。でも今回の体験後は、一緒に片付けようか(笑)くらいのテンションになれたのを考えると、家が汚いと気にしてたのって、自分だけだったかも。自由時間のあとは家族から「今日は怒らないね」なんて言われて、そんなに怒ってたんだ…と反省もしてしまいました。

(大友)私もひとりで「自分がやらねば」と思い込んでいた部分はあります。私の後から帰宅してきた夫が「散らかってるね」と言ったとき、泣きながら「私だってやろうと思ってるけどできないんだもん!」と怒鳴ったことがあって。

(小林)きっと「感想を言っただけ」なんですけどね。「やらねば」が達成できなかった負い目が、怒りになるのかもしれませんね。

(近藤)疲れてイライラしてると子どもが話しかけてきたりしても、今料理中だから後で! とかなるけど、リフレッシュ後だと子どもの話を聞きながら家事するくらいの余裕が出ました。正直私は3時間だと、少し物足りなさがあったんですが、それでもそれくらいの効果はあるんだな~と。そして物足りないながらも、ドリンクを堪能しながらボーッとしていたら、私意外と自由かも? と。私は高齢出産するまで自由な時間が潤沢にあったので、それを奪われたようなイライラもあったんですけど、子どもを持ったから無理、ではなく少し無理してでもとる工夫は必要だなと感じました。

(松田)自由時間というと、優先順位が限りなく低い自分へのご褒美みたいに思えますが、結果的に家族のためにもつながっていた。夫はいつも自由でいいなと思っていたけど、自分も怒ってないで積極的に時間を作るべきだったのかもしれません。

(小林)夫は最近パパ友とのスポーツイベントにハマっているので、そこは気持ちよく送り出すようにしていますね。でもこれからはもっと積極的に、夫婦お互いがそれぞれの時間を確保する協力をするのが当たり前、くらいになっていきたいです。

たった3時間されど3時間。できることは限られるけど、そこから気持のゆとりや気づきが得られたようです。

必要のない「ねば」から解放されるアクションを起こそう

全5回の記事を通じ、母親たちが抱える「ねば」を、専門家たちは次のように語っています。

自らもへとへとだった体験を持つ『家事なんて適当でいい』の作者ボンベイさんは、献立を固定化するなど家事をとことん簡略化することで精神的余裕が生まれる、と言います。

料理研究家のジョーさん。は、「栄養バランスと品数は無関係」「上を見たらきりがない。最低限これだけ食べていれば大丈夫というものを知っておくほうがいい」とアドバイスをしてくれました。

先輩お母さんでもある社会学者の井上輝子氏は、母たちの抱える「ねば」の背景を「専業主婦の多い時代に築かれた理想のお母さん像である」と指摘しつつ、「子どもの成長する力を信じて、親は無理せず楽しくやっていきましょう」とはげましのメッセージを寄せてくれました。

5回の連載を通して、現代の家事や育児にまつわる「ねば」の正体は、歴史的・社会的な背景や、自分自身の「こうしなければならない」という思いこみもあるということが見えてきました。

様々な「ねば」にとらわれ、へとへとしてしまいがちな子育て世代ですが、思い込みによる「ねば」であれば、手放すこともできるはず。それは、自分次第でもっとラクに生きられるかもしれないという希望でもあります。「ねば」からの解放、まずは3時間から始めてみませんか?

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