人混みは大敵! マンガでわかるうつ病のリアル(24)

#くらし   


うつ病患者は人ごみが苦手!


【画像】マンガでわかるうつ病のリアル


大好きだったテーマパークやお祭り、コンサート…楽しい場所に行けなくなる!

筆者は昔からお祭りに行くために仕事の日程を調整するほどのお祭り好きでした。なのに、うつ病になってからは全くお祭りを楽しめなくなりました。理由は、人ごみが苦手になったから。

お祭りで人ごみがすごいのは当たり前ですし、うつ病になる前はむしろそのワイワイガヤガヤぶりを楽しんでいました。…が、うつ病になってからというもの、ワイワイガヤガヤはただ疲れたりイライラしたりするだけ。そんな状態では当然、初詣にも行けませんし電車に乗るのも大変です。

他にも、土日のスーパーに行くと前より疲れるようになった。昔から何度も行っていた歌手のライブがキツくなり途中で帰ってしまった。好きなレジャー施設でさえ行くと次の日に寝込むほど疲れてしまう。…など、“うつ病で人ごみが苦手になった”ことで色んな場面で困っている人がいるようです。

自分の体調が悪い時のことを想像してみてくれ。

「人ごみで、なんでそんなことになるの?」と思うかもしれませんが、ぶつかりそうな人を避けたり、前の人を蹴らないように歩くペースを調節したりと、実は人ごみはめんどうなことだらけです。

突然ですが、ちょっと思い返してみてください。『体調が悪いときはいつも乗っている満員電車を、いつもより苦痛に感じた』『熱や頭痛があるときはいつもと変わらない人通りでもわずらわしかった』『疲れているときは周りの声や音を妙にうるさく感じた』『精神的に余裕がないときは、周りにイライラしている人がいると自分までイライラした』なんて経験はないでしょうか?

このように、“いつもならなんてことない状況でさえ体調によっては苦痛になってしまう感覚”が“うつ病で人ごみが苦手になる感覚”に近いかもしれません。

うつ病は、外から見てもわからないから問題なんだ。

うつ病は目で見てわかりませんが、れっきとした病気。うつ病の人はあくまで病人なのです。ですから、元気なときにはなんてことない、あるいはちょっとめんどうだなー程度のことでも、ハードルが高くなってしまっても実は当たり前です。

遊びに誘ったのに「人ごみがすごそうだから行きたくない」。待ち合わせをしたら「人ごみがすごくて吐きそう…」などと言われたらビックリするでしょう。ですが、目の前にいるのは病人です。元気ではないときのあなたと同じように、日常生活のあらゆることへのハードルが高くなっています。

人ごみがすごい場所や、人ごみがすごくなるシーズンや時間帯を避けるなど、うつ病の人と会うときに、ムリのない範囲でちょっとだけ配慮をしていただけると、お互いにより楽しく過ごせるかもしれません。

著=錦山まる/「マンガでわかるうつ病のリアル」(KADOKAWA)

【著者プロフィール】
錦山まる
2009年にプロ漫画家デビュー。月刊誌で連載を持ち単行本を出すも2013年に重度のうつ病と診断され、5年近く自宅療養の日々を送る。病気が回復するにつれ、同じようにうつ病に苦しむ方を1人でも楽にしたいと著書出版やSNSによる啓蒙活動に取り組む。著書に『「うつ」は甘え?ググれカス。』『きっと元気になれるから』他
Twitter:@nishikiyamamaru
錦山まる公認bot:@marurunzmemo
錦山まる公認YouTube:まるるんずチャンネル

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