コロナ以降、様子が変わった小6の息子。学校にも塾にも行けていません【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第51回目のお悩みはこちら。

コロナ以降、様子が変わった小6の息子。学校にも塾にも行けていません

【お悩み】


小6の息子は中学受験をめざしてがんばっていたのですが、コロナの休校開けからなんとなくやる気のなさが見られるようになりました。私もつい「勉強しなさい」と言ってしまったり、学校でも先生に理不尽なことで怒られたりなどが重なったせいか、息子はついに爆発。大声で「ウォー!ギャー!」と泣きわめきながら物を投げて暴れるということがありました。今までそういうことはなかったので、「この子がこんなことをするんだ」と正直びっくりしてしまいました。

それから塾にも学校にも足が向きづらくなり、1か月以上休んでいます。塾の宿題も相当な負担になっていたようなので、塾の先生とも相談し、「宿題はやらなくても塾に来るだけでいい」ということにしてもらいました。本人も受験自体は諦めていないので、昨日久々に塾に行くことができましたが、学校にはまだ行けていません。朝起きづらい状態なため、病院に相談に行こうかとも思うのですが、本人が行きたがらないし、夜遅くまでゲームをしたり、本を読んだりしているのを注意すると、「わかってるよ!」とキレてしまいます。

本人も自分を持て余しているというか、どうしていいのかわからなくなってしまっているような気がします。親としてどのように接してあげればいいのでしょう?
(さつきさん・39歳)

【小川先生の回答】


できているところを褒めて安心を渡す

おそらく息子さんは、基本的に素直で、言われるままにがんばってきた子なのでしょう。宿題を終わらせるとか、ノートを提出するとか、テストを受けるとか、与えられた課題をこなすことで、本人の中でも「ちゃんとできている」と納得していたのだと思います。それが休校期間で一日の時間の流れが変わり、区切りをつけてもらえる機会を失ったとき、自分自身がやれているのか不安になり、すごく落ち着かなくなったのだと思います。

今息子さんに必要なのは、“できていることを確認すること”です。おそらく今までは、言われたことをこなすのに精一杯で、やってきた勉強を振り返り、「これとこれはできてるから大丈夫」という確認作業をあまりせずに来られたのではないでしょうか?「これができていないからがんばりな」というような、足りないところ、欠けているところを追い立てるような復習の仕方ではなく、「ここまでは理解できてるね」と安心を渡してあげるようにしましょう。できていないところを指摘するのではなく、できているところを褒めることが大切です。

暴れるのも、朝起きられないのも、子どもからのSOS

特に息子さんのような素直で言うことを聞いちゃう子というのは、何かできなくなると、自分を勝手にゼロだと思い込んでしまう節があります。傍から見たら80%、90%くらいやっているのに、周りから「何で全部やってないの?」と言われると、「僕は何もしてなかった、ゼロだ」と勝手に思ってしまうのです。そして「ゼロだから、やっても仕方ない」と思い、足を止めてしまうことがあります。おそらく急に暴れたのがそのときでしょう。

お母さんからしてみれば、今までずっとがんばってきたのに、何で急に止めてしまうのかわからなかったかもしれません。でも「ギャー!」と動物のように暴れたのは、体にも心にも限界が来た証拠。それまではなんとか詰め込もうとがんばってきたけれど、それにも限界がきて、体のほうがブレーキをかけたのだと思います。本人が壊れないために、本人自身が爆発することで止めたのです。

学校にも塾にも行けなくなってしまったのは、爆発した後の自分の立て直し方がわからなくなり、混乱してしまったからでしょう。もっと図太い子であれば、翌朝何事もなかったかのようにシレっと朝ご飯を食べて行けたりするものです。

でも息子さんのような基本いい子は、暴れた自分を受け止められないため、なかなか布団から出て来られなくなってしまうのです。なぜなら、“布団から出て一日を始めてしまったら、きちんと終わらせなきゃいけない”と思っているから。“終わらせられるか不安だから、何も始めたくない”という心境です。

夜寝たくないのも、寝たら一日が終わって、結果が出てしまうから。終わり切れないこと、結果を出せないことを恐れているため、朝も夜もずるずると先送りしてしまうのです。それが今の息子さんの状態だということを、まずは理解してあげましょう。

当たり前のことも敢えて褒め、子どもの自己肯定感を高める

そのうえで、親として今すべきことは何かというと、“勉強をやってもやらなくても自分は大事にしてもらえる存在だ”ということを息子さんに感じさせてあげることです。そのためにも、息子さんの素敵だなと思うところを、ご夫婦でそれぞれ50個以上書き出してみてください。「優しい」、「姿勢がいい」、「目がかわいい」、「ごはんをいっぱい食べてくれる」など何でもいいです。できるだけたくさん書いて、その様子を本人に見せたり、壁に貼って親子で読み上げてみましょう。

親としては当たり前に持ち続けている愛情で、言うまでもないと思うかもしれません。それでつい口から出る話題が勉強に偏ってしまうのでしょう。でも、人生経験の少ない子どもは、勉強のことばかり言われていると、“勉強しないと価値がない”と勘違いしてしまうのです。だから言わなくても当たり前のことを敢えて言ってあげることは、すごく意味のあることです。

焦ってアクセルを踏み過ぎず、目の前のことからゆっくりと

勉強に関しては、本当に休ませて何も勉強させなかったら、多分悪化する気がします。泣き叫んで暴れたのは、それだけやりたいし、やれない自分が嫌で悶々としているから。全くやらないと、やらなかったことに負い目を感じてしまうので、今までやってきたことを忘れない程度に振り返る勉強はしたほうがいいと思います。状況が許せば、個別指導や家庭教師などの力を一時的に借りるのも手です。塾に行かなくても「それなりに勉強したよね」という満足感を渡してあげましょう。

また、久しぶりに塾に行けたということですが、がんばりたい気持ちになると、立ち止まっていた期間を取り返そうと思って勝手にムリするリスクがあるので、そこは気をつけて観察してください。「抜けているところは、あとでどうするか考えればいいから、まずは目の前のことだけをやろうね」とアクセルを踏み過ぎないように見守ってあげましょう。また欲が出てきたり、余力が出てくれば少しずつやれるようになるので、今はちょっと休憩しつつ、できたことの確認作業を進めていけばいいと思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

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