【withコロナ時代のリアル】人付き合い、どこまでならOK? 価値観の探り合いに疲弊感

#くらし 

マスクの有無で、相手をジャッジしてしまっている自分がいるーー。
新型コロナ禍での「ニューノーマル」が模索されています。そんな中、皆は実際どのような生活を送っているのでしょうか。今回はアンケートと座談会で、リアルではちょっと聞きにくい「withコロナ時代」のデリケートな部分、みんなの本音を探ります。
(※2020年10/15~18日実施、10~80代の男女774人)

厚生労働省の「新しい生活様式」、実際どれくらい実践している?

政府からもアナウンスされている「新しい生活様式」。「身体的距離の確保」「マスクの着用」「帰宅後の手洗い」等、全16の質問に回答してもらいました。その結果「とても気を付けている」「まあまあ気を付けている」をあわせ、全ての項目が半数以上の回答を獲得。特に「必ずしている」「ほぼしている」をあわせると「マスクの着用」※は96.8%、「帰宅後の手洗い」は94.6%。「真正面での会話は避ける」は74.5%、「消毒液の利用」は83.6%。新しい生活様式は、着実に浸透しているようです。
(※「マスクの着用」に関するアンケートのみ、2020年10月21~24日に実施)

どれくらい気を付けていますか?-マスクの着用-

どれくらい気を付けていますか?-帰宅後の手洗い-

どれくらい気を付けていますか?-消毒薬の使用-



また、「知人・友人間でコロナに対する価値観の違いを感じるか?」という問いでは、51.6%が「感じている」という結果に。

知人・友人との間で、コロナに対する価値観の違いを感じたことがありますか?


次のような声も上がっています。

「ビュッフェの誘いを断る人、つり革を絶対につかまない人、全く気にせず飲み会を頻繁に開く人、など価値観の違いを多々感じた」
「ママ友と外にいるとお菓子や飲み物を一緒に食べるように勧めてくる。こちらが喜ぶと思っているから断りづらい」
「緊急事態宣言中に、カラオケや飲み会の様子をインスタにあげている子を見て付き合い方を考えようと思いました」

コロナ禍の中、変化していく価値観と行動。状況や家族構成が違う4人の母たちは今、どんな問題に直面しているのでしょうか。座談会で見ていきましょう。

【座談会参加者】
田村さん…5歳の息子と持病を抱える実父の3人で暮らす40代会社員。
佐々木さん…夫と5歳娘、3歳息子で暮らす30代派遣社員。
後藤さん…レジャー大好き30代会社員。夫と小学生の子ども2人との4人家族。
本間さん…育児コミュニティへ積極的に参加する夫と子ども2人の40代パートタイム主婦。

家庭内で「価値観の差」が発生

まずは、家庭の状況から伺っていきましょう。

(田村)うちの父は70代。とても元気なんですが、糖尿などの病気を抱えているので、健康リスクの高い高齢者です。だから万が一子どもや私から感染してしまわないよう、子どもは3月から保育園を休ませ、私も在宅ワークに徹しています。なのに当の本人がマスクをつけずに外出したり、近所のスナックへ飲みに行ったり……。

(佐々木)我が家は基本、外でマスク・手洗い・3密を避けてという基本だけ守れば、あとはあまり気にしないようにしようということにしましたが、仕事の関係で不特定多数の人とたくさん会っているだろう夫にのみ「帰宅したら風呂場に直行してシャワー、服は全部着替える」というルールを課しています。夫は渋々といった感じですが、家の中ではリラックスして過ごしたいですから、今後も続けてもらうつもり。

(後藤)我が家も、基本的なことを守ればOKです。でも、気になるのは離れて暮らす親たち。今年は帰省せず、たまにビデオ通話で近況を報告しあうのですが「友だちに勧められた」と、「身につけるだけでウイルス除去」みたいな商品を嬉しそうに見せてくる。確かこれって一定の状況下では効果が得られない可能性があると消費者庁が注意喚起していたやつ……とモヤモヤしながらも、頭ごなしに否定すると傷つきそうであえて何もコメントしませんでした。でも、またおかしなものを買わないようこまめに連絡するようにしなくては。

(田村)私は父を見ていると「自分だけは大丈夫」という根拠なき自信を持っているのを感じます。緊急事態宣言のときは、私はスーパーで買ってきたものやソファーまで徹底的に消毒してたんですよ。なのに当の高リスクな本人は危機感がないので「私たちがここまで気をつかっているのに!」と衝突しまくりでした。でも結局、いつまでたっても意見は平行線。最近は「自分の行動が原因で感染するなら仕方がない」と割り切ることにしています。でも私たちが原因になったら悔やんでも悔やみきれないので、保育園は休ませ、極力外出は控えるという生活は続けています。ただ、5歳の子どもがお友達と遊べない今の生活がそろそろ限界に近く、父と別居することも検討中です。

友人知人は、お互い探り合い?

外出事情はどうでしょう? 「コロナ禍で気軽に人を誘わなくなりましたか?」 という質問の答えは84.5%が「はい」となりました。

コロナ禍で気軽に人を誘わなくなりましたか?


(本間)夫が参加しているパパ友のグループLINEでは、誘った誘わないでもめ事が発生しています。「落ち着いたら飲みに行きたいですね」というやりとりをチラ見したメンバーの奥さんが「こんな非常時に飲みに誘ってくる! 非常識!」と騒いでしまって。しかもうちの夫が皆を誘ってると誤解しているようで、困っています。

(後藤)私の場合は緊急事態宣言が解除された後に大学時代の友人たちとの定期的な集まりを再開しようとしたら、メンバーのひとりが「やっぱりやめておく」と言い出した出来事がありました。その時は「友情がコロナに負けた!」なんて思いましたが、改めて考えれば彼女たちの気持ちも理解できます。私に対して価値観が違うと思ったのか、その後疎遠になってしまいました。

(佐々木)付き合いが浅いママ友だと、相手がどのくらいの感覚かということがつかみにくく、ひたすら会話の中で探る毎日ですね。「連休どうしてた?」と話題をふり、回答で見極める。公園くらいなら誘える? 家はさすがに呼びにくい? とか。

(後藤)あるある。SNSの投稿からもどこまで外出してる?と探りまくりです。多分向こうもこっちの投稿をチェックしているんだろうな。実際に困ったのは、近所のママ友が「週末車なかったけど、どこか行ってたの?」と切り込んでくること。以前は事情通の頼れる人だったのに、今では「あの家は家族全員でスーパーにいた」などの情報を逐一LINEで送ってくる自粛警察化してしまい、近寄りがたくなってしまった。

(本間)最近はマスクも「私非常識な人じゃないですよ」というアピールのためにつけている感じありませんか? そしてそう思っている反面、マスクの有無やふるまいで、相手をジャッジしてしまっている自分がいる……。

(後藤)ルールが曖昧で各々の判断にゆだねられていまっている今の状況も、混乱の原因になっている感じですよね。
アンケートでは、「コロナ禍における価値観の違いで、疎遠になった知人や家族はいますか?」という質問へは、83.7%が「いない」と回答。

コロナ禍における価値観の違いで、疎遠になった知人や家族はいますか?


一方「いる」と回答した16.3%の人からは、「店だと感染が怖いので、自宅まで遊びに行きたいと勝手に計画を立てられた」「高齢や基礎疾患がありながら活動的な人とは距離を置きたい。自分が感染させてしまうと怖い」などの声が。

「ゼロリスク」目指さず、ポイントを抑えた感染予防を

感染対策について、病児保育も行う世田谷区のかるがもクリニックの院長・宮原篤医師より「三密を避ける(正確には飛沫が飛びやすい状況に注意する)、人がいる場所に出かけるときにはマスクをする、帰宅時や物に触れたら手指衛生や手洗いをする、などの基本を守って過ごせば、外出などは問題ないと考えている」とのアドバイスが。宮原医師によると、withコロナ生活はこの先も続き長期化しそうとのこと。家庭内でもゼロリスクを目指すのでなく「ポイントを抑えた感染予防」が適切であると話します。基本的な行動のガイドラインは、厚生労働省からも発表されています。基本的な対策を守っていれば、それ以上どこまで気にするのかはその人の価値観や家庭環境で選べば良いと言えそうです。

今回のアンケートと座談会で、多くの人たちが時に価値観の差に戸惑いながらもそれぞれの規準で新しい生活様式を実施していることが見えてきました。自粛意識の探り合いはストレスを増やす原因となり得る一方で、自分の価値観を再認識して人付き合いを考えるきっかけを生み出していることも、また分かりました。

従来通りにはいかない「ニューノーマル」時代の人付き合い、あなたはどう工夫していますか? 変わりゆく人間関係に漠然としたモヤモヤを抱えているなら、今一度、どのあたりに違和感を覚えているかなどを、自分の中で交通整理してみてはいかがでしょうか。

この記事はレタスクラブニュースとYahoo!ニュースの共同企画記事です。
コロナ禍での「新しい生活」、皆は実際どうしている?感染対策への考え方を巡って友人や家族内で価値観の違いが生まれることも。リアルではちょっと聞きにくい、それぞれの本音を全2回の連載で探ります。

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