うまく女子グループとつき合えない小5娘。「学校に行かない」と口にし始め…【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 
 

Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第56回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

小5の娘は、4年生の後半頃から、「グループで仲間外れにされた」と言うことが増えました。4年生の時は先生に介入してもらい、違うグループに入れてもらうことでうまくいったのですが、5年でクラス替えがあり、再び苦労しています。
最初に入ったグループでしばらく楽しそうにしていたのですが、突然「うざい。明日からハブるから」と宣言されたそうで、グループから外されてしまいました。その後、趣味が似ている子たちのグループに入り、本の貸し借りなどで楽しそうにしていたのですが、つい先日、その子たちに「うるさいから、もう友達やめる」と言われてしまい、「嫌われてしまった、独りぼっちだ」と泣いて帰ってきました。娘は「もうどうすればいいのかわからない」「もう学校に行かない」と言い始めました。
私の目から見ると、家庭内でも空気が読めなかったり、衝動的な行動が多い子なので、女の子グループの中でのふるまい方が下手なのではと思っています。特に、嬉しくなった時などは、興奮して周りのことを考えずにまくし立ててしまうところがあります。
今起きている問題は表面的なもので、今後もいろいろな人間づきあいで苦労をするのではと心配しています。親としてどのように関われば彼女は生きやすくなるでしょうか。(STさん・40歳)

【小川先生の回答】


ものごとを“点”で捉えるから言動が極端に

「学校に行かない」と言われると、親御さんとしては心配ですよね。ただ、お話しをお伺いする限り、娘さんの場合は酷いいじめにあっているというわけではなさそうな気がします。

空気が読めないところがあるとのことですが、ものごとを一連の流れとして捉えるのが苦手で、その場その瞬間で反応してしまうタイプなのでしょう。おそらく「友達やめる」と言われる前に、何かしらのやり取り、出来事があったはず。でも娘さんは「友達やめる」と言われたことのみを点として捉えてしまっている気がします。突き放されたその瞬間に、「独りぼっちだからもう無理だ」という、ゼロか百かの発想に陥っているのです。

周りのことを気にして委縮するのは、結局自分の世界からしかものを見ていない証拠です。「周りから何か言われそう」と常に“やられる意識”があるので、勝手に委縮してしまうのです。今の娘さんに必要なのは、自分を客観視する目を育てること。年齢的にもそろそろトレーニングを始めたほうがいいかと思います。

出来事を登場人物別にタイムラインに沿って整理する

具体的には、本人が体験した場面を客観的に振り返る練習をさせてあげましょう。例えば、「うるさいから友達やめる」というのがありましたが、それを言われる前に何があったのか、本人の言動だけではなく、「〇〇ちゃんは何をしていた」「〇〇ちゃんはこう言っていた」というように、登場人物それぞれの言動も細かくヒアリングしてください。そしてそれを、人物別にタイムラインに沿ってメモし、整理してあげましょう。そうすることで「あなたがコレを言った時、〇〇ちゃんは別の子と喋っていたから、あなたが言った言葉の前半は聞こえてないよね」など、後で振り返ったらわかる事実が見えてきます。一連のできごとを俯瞰で見ることで、自分が見聞きしたものが全てではなく、自分が見ていなかった時間にも、その子には必ずその前の時間が流れているということに気づけます。「友達やめる」という出来事も、突然降ってわいたことではなく、“何かしらのやり取りがあってからの結果”だと理解できるでしょう。

自分を客観視できると、状況に応じた振る舞い方がわかる

振り返る際には、実際にどんな言葉を使ったのかを正確に再現してもらうことも重要です。年齢的にもお互い言葉がきつくなる時期だと思うので、本人に自覚はなくてもきつい言い方をしていることがあるかもしれません。何気なく放った言葉でも、文字として見せてあげると「この言葉は傷つくかも」と気づけたりもするので、「違う言い方を選んだほうがいいね」という成長にも繋がります。

そのようにして、自分の身の回りで起きていることを、第三者の視点で見る練習を積むことで、自分を外から見る目が育ってきます。自分を外から見られるようになると、“ここの関係であれば自分をそのまま出しても大丈夫”、“ここはまだ安心できる関係が築けていないから全部喋る場所ではない”など、状況に応じた振る舞いができるようになります。その結果、友達との関わり合い方も上手になっていくと思いますよ。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

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