相手が嫌がることをしてしまう小2息子。人の気持ちがわからないのではと心配です【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月15日発売の新刊『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第57回目のお悩みはこちら。

 

【お悩み】

小2の息子は相手が嫌がることをしてしまいます。保育園の頃から友達と闘いごっこをしているうちに、やり過ぎて顔をぶったり、噛んだりすることが度々ありました。でもそのときは、お互いにやり合っていることもあり、まだ加減がわからないのだろうという感じで済んでいました。

小学生になり、お友達の物を取ったり、叩いたりしたということで、先生からお話がありました。「意地悪をしよう!」というよりは、かまって欲しくてまずちょっかいを出してしまうといった感じだそうです。物を取ってもすぐに返すし、叩くのも、息子には叩いているつもりはなく、何かの拍子に手が当たってしまったのにすぐ謝れなかったということです。

息子には、「相手の子の気持ちを考えようね」ということを今まで何度も話しています。息子も「次からは、相手が嫌がっていたらやめる」と理解を示し、しばらくはおさまるのですが、気づくとまたやってしまいます。

先日も、習い事に通うバスの中で、1学年下の子にちょっかいをかけて連絡がありました。内容は、「帽子を取られた。バトルしようと言われ、嫌だと言ってもやめてくれない」とのこと。
正直、「またか…」と思ってしまいました。どれも相手のことが嫌いでやっているわけではなく、むしろ大好きでやってしまうようです。

妹にもいつもちょっかいを出しています。先日も、妹に遊びを断られると、妹のお気に入りのぬいぐるみを持ち出し、「これを返して欲しかったら遊ぼう」とちょっかいをかけだしました。妹が取り返そうとやり合ううちに、妹を押し倒してしまいました。妹に関しては、ほぼ毎日のように手を出してしまうので、何度も注意しているのですが、「わかっているけど、やめられないんだ!」と逆ギレする始末です。

夫とも何度か話合っていますが、「子どもの頃はやんちゃするもので徐々にわかっていくよ」と言うばかり。それもわかりますが、私としては相手の子に申し訳なくて仕方ありません。それに、「このまま直らなかったら?本当は相手が嫌がっているかなどの感情に疎いのでは?」と心配です。

「元からの性格だ」と言われることもありますが、やはり私たち親の接し方がよくないのだと思っています。まず私たちが変わらなくてはと思いますが、どう伝えればやめるようになるのかわかりません。(Tさん・37歳)

【小川先生の回答】


“我慢する時の気持ち”を味わうシュミレーションをする

子どものことを理解しようと、とてもがんばっていらっしゃいますね。しっかりと話し合って、「次はこうしようね」というところまで持っていっているので、会話としては自信を持っていいレベルです。

ただ、息子さんは感情がふくらみやすいタイプだと思うのですが、お母さんはどちらかというと言葉で言い聞かせる、理性的な関わりをされています。そのため、“わかってる”ということと、“気持ちとして感じ取れている”かがズレている気がします。つまり、“我慢するという単語”としては聞けているけれど、それを“我慢する時の気持ち”までは想像ができていないのです。我慢するというのはどういうことか、実際にその状況を練習させてあげるのがおすすめです。

例えば、妹と遊びたいけど、妹がテレビを楽しんでいたら、“テレビが終わるまでは一人で何かをやって待っている”という状況を演じてみるのです。そういった“我慢できたごっこ”を通して、“待てている自分”を実感することが重要です。そして、実際に待ってあげたら、妹も嬉しいし、その後お互い楽しく遊べるし、お母さんも安心というところまでシュミレーションしてみると、「我慢するのは辛いだけじゃなくて、いい方向に向かうための手段」ということもわかってくるでしょう。

気持ちが高ぶった時は5回ジャンプでエネルギーを吐き出す

シュミレーションの中で、ひとつ肝となるのは、「今遊びたい!」と気持ちが高ぶった時の表し方です。興奮すると手が出てしまうようですが、それはおそらく、息子さんの好きなバトルもののインプットから、わかりやすくぶつかるという形で表現してしまうのでしょう。それ以外に強い感情の表現方法を知らないのだと思います。

「すごくしたい!」と気持ちが抑えられなくなったら、5回ジャンプするとか、大きな声で「えーと!」と言ってから普通にしゃべるとか、何か一旦エネルギーを吐き出させてあげる工夫をするといいと思います。

興奮した時に叩いたり、噛んだりなど極端な行動に出てしまうお子さんというのは、案外日常的には理性的に過ごしている子に多いように思われます。息子さんも話せばわかる子のようなので、おそらくそのタイプなのではないでしょうか。真面目な子というのは、日常自己制御をしてるぶん、感情が膨らんだ時にどうしたらいいのかわからなくなり、極端にふれてしまいがちです。いつも「ちゃんとしよう」とし過ぎているから、そうじゃなくなった時に、逆ブレしてしまうのです。そこをわかってあげたうえで、“わーっ!”っとなった時の安全な“わーっ!”の出し方を見つけてあげて欲しいですね。何か言いたくなったら、“とりあえず変顔をしてみる”とかもおすすめ。周りを笑わせてあげつつ、自分もちょっと落ち着きますよ。

そうやって、気持ちを表現する体の動かし方を練習していくと、実生活でも適切に振る舞えるようになってくると思います。おそらく小学校中学年にもなれば、周囲の子も含め、言葉をもっと使いこなせるようになるため、今よりラクにコミュニケーションがとれるようになると思いますよ。

“人との関わり合いの中で自然と学ぶ”ことが難しいSNS世代

「育っていく中で段々わかっていくよ」というお父さんの認識は、大筋では間違ってはいません。ただ、ご両親が子ども時代だった時と、今の子ども達が生きている社会は大分違うため、そう簡単にはいかないでしょう。

なぜなら、現代のネット社会は簡単に孤立でき、マイワールドに入ってしまう子が増えているため、昔なら人との関わり合いの中で自然と学べていたことが、学びにくい社会になっているからです。だからちょっと手をかけ過ぎだと思っても、様々なシチュエーションごとの、気持ちの持ち方や伝え方などを、教えてあげる手間が必要な時代なのです。

また、SNS全盛の今、親御さん自身が“子どもを見たい”、“保護したい”という欲求も強くなっています。そのため、昔なら「お互い様」で済んでいた子ども間のトラブルが、今は簡単に大問題に発展してしまいます。ですから、“子どもの社会の中で勝手にわかっていく”というほど甘いものではないことは、ご夫婦の共通認識として持っておかれたほうがいいかと思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

この記事に共感したら

Information


▶︎▶︎ご相談を募集しています
あなたも小川先生にお悩みを相談してみませんか?
子育て、親子関係、受験など教育全般で活動中の小川大介先生に、あなたのお悩みを相談してみませんか?
「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関する悩みにお答えします。
「自分はこれで大丈夫?」「わからないことがあってなんとなく不安」といった内容でも歓迎です。
ご相談はこちらから!



自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て


『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

おすすめ読みもの(PR)

プレゼント企画

プレゼント応募

\\ 会員登録してメルマガ登録すると毎週プレゼント情報が届く //