子どもがうまくあいさつできるようになるには? 「見守る」子育て(6)

#育児・子育て 

「子どもには少しでもいい人生を歩んでほしい」と、親であれば誰しも願うもの。
先の見えない時代を切り拓く子どもたちが、幸せを掴むために必要なのは、自分への理解に基づいた判断基準、すなわち自分軸です。
30年間教育に携わる教育家であり、「見守る子育て研究所」所長の小川大介氏による2021年1月刊行の新刊『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』から、自分軸を伸ばす子育てのコツをピックアップしてご紹介します。

※本作品は小川 大介著の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』から一部抜粋・編集した連載です

あいさつはまず家庭の中で始める

お子さんが「自分軸」を発揮して、社会の中で幸せに生きていくには、人間関係を築く力が不可欠です。生まれ育った家庭の中だけでいつまでも生きていく、というわけにはいきませんからね。そして人間関係作りの第一歩は、なんといっても「あいさつ」ということで、ここではあいさつできる力の育て方を考えていきましょう。

まず、大前提として、子どもにとって「あいさつはけっこう難しい」ということをわかってあげてください。
あいさつの大切な機能は、相手に「この人は自分に敵意がない」と思ってもらうことです。たとえば、さまざまなバックグラウンドの人々が集まるアメリカのような国では特に、たまたま居合わせた人とも積極的にあいさつする文化があります。
一方で日本は長年、顔見知りばかりの村社会だったので、見知らぬ人と接することに慣れていません。その状態で人口が東京などの都市に流入してきたので、満員電車に無言で体を押し入れてくるような〝あいさつレス社会〞になっているのですね。

そんな環境の中であいさつのできる子に育てるには何がポイントかというと、まず家の中にあいさつがあることです。「あいさつをしなさい」と言い聞かせるのではなく、親が率先してあいさつをしている姿を見せることが重要ですね。
みなさんのご家庭では、大人同士で「おはよう」「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」「おやすみ」のあいさつが行われているでしょうか。あいさつを大事にする親のもとで、子どものあいさつも育っていきます。

子どもも「あいさつをしたくない」わけではない

子どもには、外の人にあいさつをするというのはすごくハードルが高いのです。
特に、あまり大きな声を出さないタイプの子や周囲の様子を観察するタイプの子は、「あいさつをしても返事をしてもらえなかったらどうしよう」「聞こえなかったらどうしよう」などと、うまくいかなかったときのことを考えているうちにタイミングを失って、「ああ、またあいさつできなかった」となりがちです。

こういうタイプの子は、親と一緒に「お出かけ前のプチ練習」をしてみましょう。親が近所の人の役をして、シミュレーションするのです。
練習すると、子どもから、「相手がこっちを向いていなかったらどうするの?」「おはようございますって、何時から何時まで?」「知らない人に話しかけていいの?」など、大人が思いもよらないような疑問が出てくることがあります。そのひとつひとつに答えて子どもの不安を解消し、安心させてから出かけるといいですね。

「言おうとしたんだよね」というスタンスで見守る

練習のかいあってあいさつができたら、「できたね」と笑顔を渡します。練習したようにいかなかったときは、「ドキドキした?」「言いにくかった?」と寄り添ってあげます。「練習したのになんで言えないの」などと言うと、ますますハードルが上がるので、気をつけましょう。「言えるはずなのに言えなかったのには、何か事情があるんだよね」というスタンスをとるのがポイントです。

「言えなかったけど、言おうとはしたんだもんね。じゃあ今度は言えるよ」
「あいさつしようと思っていたら大丈夫。言えるようになるからね」
こんなふうに励ますことで、だんだんあいさつができるようになっていきます。

都会は特に、見知らぬ人とすれ違うときは無言であることが圧倒的に多いので、大人たちのそんな姿を見ている子どもがあいさつをするというのは、かなりの難題です。ですが、これからのAI社会では、個人個人のつながりがますます重要になります。そこでものを言うのがあいさつの力。うまく育ててあげましょう。

著=小川 大介「自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て」(KADOKAWA)

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Information


小川大介
教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。
京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。
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