コロナ禍で崩れる子どもが増えている! 今こそ知りたい「親が子どもにできること」小川大介さんインタビュー【前編】

#育児・子育て   

外出自粛にリモートワークなど、コロナに翻弄され、へとへとな昨今。その影響は子どもたちにも如実に表れ、生活リズムが乱れたり、学習意欲を失った子も多いとか。そこでレタスクラブWEB連載「子育てよろず相談室」でもおなじみ、2021年1月刊行の新刊『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』(KADOKAWA)の著者である小川大介先生に、コロナ時代の子育てについてお伺いしました。前後編2回に分けてお届けします。

前編はコロナ禍で多くの子が崩れたその原因を探ります。

コロナ禍で子どもたちが崩れた要因とは?


―コロナによる休校で、生活が乱れたり、学習意欲が削がれたりした子が多いと聞きます。

私のもとにも、そういった悩みがたくさん寄せられました。でもその一方で、好きな学びに没頭したり、苦手分野の克服に充てたりなど、休校期間がプラスに働いた子もいます。なぜそのような違いが出たのかというと、もちろんそれぞれのケースに個別の事情はありますが、ひとつ共通して言えるのは、“子どもが自分のことを説明できるかどうか”の差が大きいかと思います。

具体的には、「今日はこれとこれをやって、どうだった」と自分自身を振り返り、「明日はあれをやりたいな」と計画を立てられる力が備わっていたかです。それができる子は、休校期間でも自分で過ごし方を決め、自分を保つことができたため、自分のやりたい学びを続けられたし、睡眠時間が大幅に崩れるようなこともなかったのだと思います。

―“自分のことを説明できない”というのは、どこに原因があるのでしょう?

誰かに言われて動く受け身姿勢の子に多いようですね。でもそれは、その子が持って生まれた性格というわけではなく、後天的なもの。学校でも家でも、大人からの指示出しが多過ぎると、子どもは自分で考えるのを止めてしまうのです。

思考停止してしまった子は、自分がやりたいことを明確に描けないため、自分の居場所をつくるのも苦手です。学校があるときは、時間割通りに鳴るチャイムに従って動けていましたが、何もなくなると、自分で時間を区切って動くことが難しくなったのでしょう。その結果、ひたすらゲームをしたりテレビを見たりなど、いつまでも時間を過ごせるものにハマることで、居心地よく過ごそうとしてしまう子が多かったのだと思います。

傍から見たら学習意欲が失われたように見えたかもしれませんが、そもそも言われたことに従っていただけで、“自分がやりたい”という意欲を持っていたのかも疑問。ですから、そういった子に対し「ゲーム止めなさい!」と言っても、何の解決にもなりません。

自ら学ぶ力を育む『見守る子育て』でコロナ禍にも強い子どもに


―子どもを見ていると、つい「〇〇しなさい」と、あれこれ指示出ししたくなりますが、そこを少し待ってあげる大人側の余裕が必要ということですね。

子どもは元々、自ら学ぶ力を持っています。私が親御さんたちにおすすめしている『見守る子育て』では、親の三原則として「認める」「見守る」「待つ」ということをお伝えしています。親があれこれお膳立てしたり指図をしたりしなくても、子どもを認めて見守っていれば、子どもは自分で勝手に成長していくのです。普段からそれが習慣づいていたご家庭では、コロナ禍でも子どもがどうしていいかわからずに混乱したり、ペースを乱したりせずに済んでいたようですね。

―今までの子どもへの関わり方の問題点が、コロナ禍により浮き彫りにされたわけですね。

そうですね。でも、「子どもがマイナスに傾いてしまったのは、私が口出しし過ぎたせい」と自分を責める必要はありません。親があれこれ言いたくなるのも、子どもへの愛情から来るもの。ただ、指示出しが多過ぎることの弊害を知らなかっただけです。今まで子どもに対して指示出しが多かったと思われたなら、今後の関わり方を変えていけばいいだけです。

“マイナスに傾いた”というのも、それは子どもの抱える本質的な問題に気づけたということ。この気づけた、ということが何よりも大事です。“マイナスに傾いた”とネガティブに捉えるのではなく、“子どもの本質に気づけた”とポジティブに捉えて、今後の関わり方を変えるきっかけとなるなら、それは長い目で見たら大きなプラスになるはずです。

次ページ:ゲーム・YouTube依存の本当の問題点とは?(2/2)

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自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て


『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』

大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。


■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』


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