「テストの点数が悪かった」。こんなときどうする? 子どもを安心させる接し方

#育児・子育て   

「子どもがテストで悪い点を取ってきたので、思わず叱ってしまい自己嫌悪に……」「うちの子は興味がありそうな科目なのに、なかなか点数が伸びない……」。子どもを持つみなさんにも、そんな経験があるのではないでしょうか。
ここでは、三男一女を全員〈東大理三〉に合格させた受験のエキスパート・佐藤亮子さんによる書籍『偏差値50からの中学受験スーパーメソッド』から、子どもの勉強や成績との向き合い方のコツについてピックアップいたします。

※本記事は、佐藤亮子著の書籍『偏差値50からの中学受験スーパーメソッド』(中央公論新社)から一部抜粋・編集したものです

テストの点数に一喜一憂しない

小学校に行くようになると、わが子の成績がテストの点数や通知表などで、ひと目でわかるようになります。そうなると子どものテストの点数に、一喜一憂することとなり、学期末ごとに通知表が原因で親子げんかになりがちです。しかし、それでは子どもはたまらないでしょう、家に帰るのが嫌になってしまいます。家というのは子どもにとって「心から安心できる場所」でなければなりません。テストというのは、今の段階で何の理解が足りないかを表しているわけですから、叱るのではなく間違えたところを一緒に見直してください。点数で怒ってもお互いに何の得にもなりません。いい点数でも悪い点数でも、親の子どもに対する態度は常に平静でなければなりません。たかがテストなのです。子どもを否定するような言葉を言うのは親として気をつけるべきです。要するに、テストの度に大喜びしたり、ガッカリしたりせず、一定のテンションを保つことが大切です。
点数が悪いときにお母さんがガッカリした表情を見せたり、怒ったりすると、子どもは悲しい気持ちになります。点数によっては恐怖を感じビクビクしてしまうでしょう。
 テストの点数は、いいときもあれば悪いときもあります。だから、いいときはさらっと「良かったね」、悪かったときは明るい口調で「弱点がわかってよかったね」と、どちらの場合にも淡々と言うようにし、「温かく見守る」スタンスが大切です。

好きと点数は結び付かない

ところで、「うちの子は歴史の漫画が大好き。今のままの興味を持ち続けるのにはどうしたらいいですか?」「子どもが生物の図鑑を隅から隅まで覚えてしまうほど好きなので、それをテストに役立つようにするにはどうしたらいいですか?」という保護者のご質問をよく受けます。
小さいときに子どもが脇目も振らず熱心に図鑑や学習漫画を見ている姿は、親にとって微笑ましいのでしょうね。それをなんとかして、その後のテストの点数や進学する大学の合格に役立てたいと思うのはわからないでもないです。しかし、興味を持っているのと点数を取るのとは、別物と考えるべきです。
点数というのは、問題集をやり、間違えた問題を見直しする、そしてその間違いの原因を参考書で確認しまた問題をやってみる、というような地道な努力の繰り返しによって取れるようになるのです。興味を持つ→正確な知識を学ぶ→知識を定着させる→問題集で定着を確認する→テストで点数が取れる→より確実な知識の定着を問題集で確認することを繰り返す→入試レベルの問題が解けるようになる、という流れになります。この流れの最後までたどり着くのは、そんなに簡単なことではありません。
だから、子どもが興味を持っているからといって野心を持つべきではありません。興味を持っているという状況を温かい目で見てほしいと思います。

佐藤 亮子さん

【著者プロフィール】佐藤亮子(さとう・りょうこ)
大分県生まれ。奈良県在住。津田塾大学卒業。高校の英語教師として勤務したのち結婚。専業主婦として子どもたちの受験のすべてを計画的にサポートし、長男・次男・三男・長女4きょうだい全員が東京大学理科三類に合格。浜学園アドバイザー。著書に『3男1女東大理Ⅲの母 私は6歳までに子どもをこう育てました』など多数。

『偏差値50からの中学受験スーパーメソッド-12歳までにやるべき99か条』

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