離婚したあと自分のウワサを人づてに聞いて…【手塚治虫文化賞短編賞 受賞】「消えたママ友」野原広子さんが体験したリアル「ママ友」の悩み

#育児・子育て 
第25回手塚治虫文化賞短編賞を受賞して注目を集める野原広子さんの「消えたママ友」

義母の言い放った言葉は…

ママ友社会の闇を描いた『消えたママ友』。第25回手塚治虫文化賞短編賞を受賞して注目を集める野原広子さんの人気コミックエッセイです。

本作は、主人公の保育園のママ友「有紀ちゃん」が突然姿を消してしまった、というミステリアスな展開から始まります。
優しい旦那さんと協力的な義母、息子のツバサ君に囲まれてうらやましいほどに幸せそうだった有紀ちゃんがなぜか突然姿を消した…。しかも、男を作って逃げたという話まで広がっていて…。
ママ友の失踪をきっかけに、仲良しママたちのバランスまでも崩れていく、というリアルな描写に「怖い…」の声が続出中です。

 


「仲よしなのに何も知らない…」実際そうかも…と頷く方も多いかもしれない「ママ友」という存在。今回は、著者の野原広子さんに『消えたママ友』についてのお話を伺いました。


――平凡だと思っていた日常が思いもよらない形でじわじわ崩れていくような、ミステリー仕立ての物語を書こうと思ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

実は、私が離婚を経験した際、「有紀ちゃん」状態になったんですね。失踪したわけではないのですが(笑)。引っ越しをすることになり、私がいなくなった後に今まで仲良くしていた友人たちの関係に微妙な距離が生まれていたことに気がついたんです。

――絶妙なバランス感覚で成り立っていたコミュニティから1人抜けることで人間関係が変わっていく…まさに「消えたママ友」の設定と同じですね。

私にとっては、それぞれが大切な友人なのですが、私がいなくなったことで友人同士の距離感が変わってしまうという出来事がかなり意外で…。さらに私がいなくなってから「私のウワサ話」を人づてに聞いたりもして。そういったことをヒントにして今回の作品を書いてみようと思いました。

人の不幸はすぐに噂になって…


――登場するキャラクター全員が、実はそれぞれにママ友付き合いに対してもやもやした感情を持っていた、というところにも共感するという声もあがっていました。登場人物たちの設定はどのように生み出されたのでしょうか?

うらやましいくらい幸せそうだったのに…


長年付き合ってきた友人たちが「じつはあの頃…」と、小さい子どもを育てることに必死になっていた頃の心の葛藤や苦労を話してくれるようになったりしたんですね。
当時、彼女たちはとてもそんな闇を抱えている風に見えなかったので驚きました。私自身はもう子どもが成人して子育てがひと段落したのですが、そういえば私もあの頃すべてを話しているわけではなかったな…と。時を経てようやく思い出話として話せるようになった今だからこそ生み出せたキャラクターたちだったのだと思います。

――ママ友とそうでない友人に違いはあるんでしょうか…? あるとすればどんなところだと思われますか?

ママ友と学生時代からの友人などは明らかに違うのではないでしょうか。ただの友人は肩の力が抜けますけど、ママ友は「肩の力を抜きすぎてはいけない」と、どこかでセーブしているような気がします。それに、一番の違いは、素の自分ではなく”ママとしての顔”をして向き合っているというところですよね。

――確かにママ友に対して家庭環境や悩みを赤裸々に話せる人というのは多くない気がします。

ママ友の友情なんて?


ただ、知り合って間もないうちは、なんでも言い合えることばかりが“いい関係”というわけではないと思うんです。仲がいいからこそ何も言えないということもあるし、聞かないでいてくれるから信頼が生まれるということもあります。その先になんでも言い合える関係が生まれたらそれは大切にした方がいいだろうな、と思います。

――子ども同士のやりとりがそのままママ友関係にも影響してしまう…というストーリーが出てきて、ドキっとしてしまいました。例えば子ども同士がけんかしてしまった…などよくありますよね。

実際に私も「あんなに仲がよい二人だったのに…」と驚くほど冷ややかな状態になってしまったママ友関係を見たこともあります。むしろ、仲が良かったほど、溝は深くなるようにも思いますね。

くつがなくなった事件が


――野原さんご自身もそういった経験がありますか?

とても仲の良かったママ友とほんの小さなことでギクシャクしてしまった経験があります。子ども達の無邪気なテンションにつられ、親まで無邪気になってしまったことが距離感を間違えてしまった原因だったのかな、と今は思います。大人同士の関係として時には立ち止まって冷静に自分を見てみればよかったな、と反省していますね…。

――人間関係が少し面倒なこともあるかもしれない「ママ友」という存在ですが、野原さんご自身が「ママ友がいてよかった!」と感じたことがあれば教えてください。

有紀ちゃんだったらわかってくれてた


子どもが小さかった頃は成長する上でいろいろ壁にぶつかったり悩んだりすることも多々あって、その話を聞いてくれるだけで「ママ友がいてよかった!」と思ったことはそれこそ数えきれないほどありますね。子どもが成人した今、それぞれの子どもの成長をお互い喜びあえる関係が続いているのはうれしいことですよね。

――ママ友関係に悩んでいる人、疲れている人にメッセージやアドバイスがあればお聞かせいただけますか?

もしママ友関係に悩んでいるとしたら、それは「ママ友」ではなく、「子どものお友達のお母さん」です。一歩離れて考えたら、きっと冷静な対応が浮かんでくるのではないでしょうか。
無理した関係はほころびが出てくると思うし、ほころびを出してはならぬと必死になればなるほど苦しくなっていくものです。そう簡単に距離をおくことなんてできない…という人は仕事や趣味など距離を置ける何かを見つけて、別の世界を楽しむ、というマインドに持っていく方がいいと思います。

仲良しだと思っていても実はその人自身のことは深くは知らない…。
悩んでいるように見えなくても、もしかしたら闇を抱えているのかも…!?
あなたの周りにも第二の「有紀ちゃん」がいるかもしれません。

【レタスクラブ編集部】


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