すぐバレる小さな嘘を、平気でたくさんつく息子。どうしたらやめさせられる?【小川大介先生の子育てよろず相談室】

#育児・子育て 

2021年1月発売の書籍『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て 』の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第72回目のお悩みはこちら。

【お悩み】

小5の息子が、小さな嘘をたくさんつくことに困っています。例えば我が家では、遊ぶのは宿題などやるべきことをやってからというルールで、終わったら電話をしてくることになっているのですが、やっていないのに「やった」と嘘をついて遊び始めたりします。

先日も、「宿題が終わった」と電話がかかってきたので、「学校の支度は済んでるの?」と尋ねると、「あー、それはまだやってなかった!」とのこと。そのため、学校の準備も済んでからもう一度電話するように言うと、5分後くらいに「終わったよ」と電話がかかってきました。「給食袋もちゃんと準備したよね?」と確認すると、「あっ、忘れてた!」と言うので、それをやったらまた電話するように言うと、5分後くらいにまた「給食袋準備したよ」との連絡が。「じゃあ遊んでいいよ」とパソコンのありかを教えたのですが、帰宅してみると給食袋が準備されていませんでした。「やった」と嘘をついたことを注意しても、「あー、なんか忘れちゃってー」と悪びれない様子です。

他にも、勉強中に机に置いてあるものの位置が不自然に変わっていたので、怪しく思い見てみると、中から漫画が出てきました。「漫画読んでるから課題が終わらないんじゃない?」と指摘すると、「読んでない、置いてあるだけ」と明らかな嘘をついてきました。本当に細かくてくだらないことなんですが、そういった小さな嘘をやめさせるにはどうすればいいのでしょう?(Oさん・38歳)

【小川先生の回答】

『嘘をつく』という選択肢しか持ち合わせていない

嘘をつかざるを得ないのはなぜかというのを、息子さんの立場に立って考えてあげましょう。おそらく、「パソコンをしたい」「漫画を読みたい」と思ったら、その衝動を止められなくなるのでしょう。

そしてその時にとれる行動が、『嘘をつく』というごまかし方になってしまうのです。他の子の場合、逆ギレするという選択肢を使い、やるべきことから逃れようとする子もいます。でも息子さんの場合、そういった攻撃的なことは選べないタイプなため、その場しのぎの嘘をつくことによって対応するしか、方法を持ち合わせていないのだと思います。

まずは、そのことを理解して受け止めてあげること。「よくない嘘とわかりながらついてしまうくらい、パソコンがしたいんだよね」と息子さんの状況に理解を示してあげましょう。すると、本人も自分の行動を振り返ることができ、『衝動が起きたら止まらなくなる自分』というものを確認できます。そのうえで、『したいから嘘ついてでもする』というのはよくないから、自分の感情や気持ちをコントロールしていく術を身につけていく必要があるということは、教えないといけません。衝動が起きても、やることを終わらせてから遊ぶことができるように成長していく、そのための力をつけていこうという話をしましょう。

誘惑のない環境を整える

現時点では、衝動を抑える力が備わっていないため、衝動が起きる前にやるべきことを終わらせるための工夫が必要です。そのための作戦を本人と相談して、一緒に立ててあげましょう。

ひとつは環境の工夫です。例えば、漫画など気が削がれるものについては、目につかないところ、手の届かないところに移動させましょう。勉強ゾーンと遊びゾーンを分けることで、余計なことを考えなくてすむようになります。コックピッドのような発想で、周りを見渡しても辞書や予定表くらいしかない環境にして、宿題が終わるまでそこから出られないというルールにするのもいいですね。意思の力でなんとかならない以上、環境で工夫するのもひとつの手です。

集中が続く時間でメニューを区切る

もうひとつは時間の工夫です。本人の集中力が持続する時間や、目的意識を持って行動できる時間がどのくらいなのかを冷静に見直してみましょう。そして15分なら持続するのであれば、15分で片付くようにメニューを分けておくのです。そしてひとつ終わる毎に、電話でも写メでもいいので報告させ、「できたね!じゃあ次にいこう」という感じで進めていきます。区切りなく1時間かけて終わらせるのではなく、15分を4発「がんばれ、がんばれ」と応援しながら進めていくようにすると、途中で集中が途切れにくく、衝動がやってくる前に終わらせる確率が高まります。

今はまだ、衝動が発生したら、また嘘をつくという方法を取ってしまうかもしれません。でもいろいろ工夫して取り組むことで、本人に衝動を抑えることを意識させていくことが大切です。そして「やるべきことを終えるまで、衝動に負けない強さをいずれは手に入れて欲しい」ということも伝え続けましょう。衝動に負けないための取り組みが習慣化していけば、本人も成長していき、嘘をつかなくても済むようになると思います。

回答者Profile

小川大介先生
小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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大手進学塾や個別指導塾での経験から、子ども一人ひとりの持ち味を見抜き、強みを生かして短期間で能力を伸ばす独自ノウハウを確立。教育家・小川大介氏が、自分軸を伸ばす子育てのコツを公開した話題の一冊。




■小川先生のTwitter:@Kosodate_Ogawa
■小川先生が主任相談員を務めるサイト:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

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